ほのお(隊長作)

プロコフィエフ   オペラ「炎の天使」  - 2 -  (2004年3月)
   訪問者数 ゲルギー 炎の天使





 ゲルギエフ指揮 キーロフ・オペラ
 (PHILIPS 446 078-2 輸入盤)
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  新国立劇場で楽劇「サロメ」を観た我々は、意気軒昂、意気揚々と新宿に向かった。
  先月、紀伊国屋書店隣に「ディスク・ユニオン新宿店」が出来たと聞いていたので、
  そこへ向かった。東隣にシティ・バンクが1Fに入ってるビルがあり、その3Fにお店はあった。
  
  我が隊はディスク・ユニオン(お茶の水・吉祥寺)、タワーレコード(新宿・渋谷)、
  HMV(池袋)、石丸電気(アキバCD館)を定例巡回しており、
  コンサート前後の無常の楽しみにしている。
  この店々にまた一つ巡回店を増やさざるをえないっつう、内容のある店舗だった。
  店内は広く、在庫も豊富だ。楽器を担いだおっちゃんがウヨウヨしていて、
  「いよぉ!オタク諸君!」と声を掛けたくなる。
  
  ヴァンスカのニールセンやケーゲルのバルトークを見つけ、こんなもんかなと店内を
  再チェックしていた時だった。CD棚の下にダンボール箱があり、DVD時代の
  今となっては過去の遺物になりかかっているビデオが、悲しげにその中に並んでいた。
  更にその上に誰かが積み重ねたビデオが無造作に重なり、私は取り敢えず、
  そのビデオを除けて見た。
  
  おぉぅ、にんまりとくちびるが歪んでゆく。
  久々のレア物発見なのだ。大至急、隊長に報告だ。
  「隊長、隊長!」
  私の呼び声に隊長の目も光る。
  
  我が隊は永らくプロコフィエフの映像モノ
  「3つのオレンジへの恋」と「炎の天使」を探していたのだが、   炎(隊長作)

その内の一つ「炎の天使」が、しかも国内盤(ビデオ)としてあったのだ。
  (余談だが「3つのオレンジへの恋」というレストランを、
  早大正門前で見つけた時は驚いた。ここのマスターと話してみたい。)

  同曲のCDはとうに所有している。ゲルギエフ盤とヤルヴィ盤だ。
  そしてその音楽を聴くにつけ、なんとしてもビデオまたはLDを見たかった。
  プロコフィエフは昨年ゲルギエフ&キーロフが「戦争と平和」を持ってきてくれたお陰で、
  随分認知度が上がったが、前述の映像が発売された頃は人気は全く無かった。
  買った人が少なければ、売る人だって少ない。
  そのため、いくら中古店を廻ってもこのレア物を見つけるのは難しかった。
  
  帰宅後、早々にビデオ鑑賞にいそしむ。
  本来ならさっき観た「サロメ」の感傷に浸るところなのだが、もうそれ所では無かった。
  みなさんにこの映像のえげつなさをどう伝えたらよかろう。
  ワーグナーのLDで、石を腹に抱えている奇怪な演出があるのだが、
  そんなものは子供だましのような、究極にエグイ演出オペラだった。
  このオペラの本質に見事にマッチしていて、それが全然おかしくないのが無気味。

  全身を白くペイントした裸の男達が悪霊を現しているようだ。
  手足と体をクネクネと歪めて、時折ニタァと笑う。
  そんな男達があちゃこっちゃに散らばっている。
  物影に潜んでたり、鉄棒にぶら下がってたり、登場人物の周りを子犬のようにうろついたり。
  
  終幕ではこの悪霊たちとシスター、神父が入り乱れてのフィナーレを迎える。
  怒涛のラスト・シーンは、何て表現したらいいのかな。
  擬音語でいえば、「むぅぉぉん」って感じ?
  どこまで熱くなり続けるんだ?!といった、勢いが持続する展開です。
  音楽も演出も全てが「凄い」の一語に尽きる。
  
  ちなみに、CDよりビデオの方が断然良かった。
  DVD化して欲しいなぁ〜。

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