ブルックナー 交響曲第4番「ロマンティック」 - 9 - (2004年4月)
H・ホルライザー指揮 バンベルク響
(CONCERTO ROYALE 206218-360 紙箱ケース入り)輸入盤
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【 お買いもの♪ 】
前回の話と前後しますが、N響終演後、品川へ行く前にタワーレコード渋谷店に寄った。
私としてはブックオフ原宿店(大きい♪)でも良いのだが、結局いつも此処に行く。
店舗入口付近には、同じ音楽愛好者とは思えないような楽しそうな人々で犇(ひしめ)いている。
我々クラ・オタはエレベータで一路6階へ。
これ迄も数限りなくタワーに来ているが、一度たりとも他のフロアーへ物見遊山したことが無い。
あんさん方も、たまにはクラシック聴きなはれ、と思ってるくせに、自分は
レゲエとかヒップホップなんて近づいた事さへ無い。
いかんなぁ、食わず嫌い。喰ったら意外と旨いかも。
N響終演後の6階は、いつも盛況。
自分もその内の独りなんだけど、みなさん行動形態がワンパターンで可笑しい。
それが分かってても、寄りたくなる品揃えが此処の魅力。
今日は何があるかな?と先週はタワー新宿店に寄ったにも関わらず、物色してしまう。
ところが、私は物欲があまり無い方なんですよ。
服や靴は着た切り雀だし、大好きな本でさへ古本で十分。
車も無いし、オーディオシステムにも拘(こだわ)りが少ない。
しかし、事CDに関しては、かれこれ20年来、物欲が果てない。
流石に最近は買いたいCDが無くなってきて寂しいが、それでもCDの山の前では、顔が綻ぶ。
そんなCDも、輸入CDに規制が掛けられる法案が進んでいるそうだ。
輸入CDは新譜にも関わらず1枚千円弱で買えるケースがあるので、購買意欲も働くのだが、
国内盤はもとより輸入盤までCDが一律2〜3千円なんかになったら、途端に意欲減退に陥る。
こんな法案は断固反対。
詳しくは「クラシック招き猫」の下記ページを見て下さい。
世の中、詳しい人はいるもんだ、と圧倒されるほど喧々諤々。
でも、ほんとにこうなったら、私も悶絶します。
http://hpcgi2.nifty.com/182494/cgi-bin/treebbspro(1).cgi?vew=9438
「アサヒ・ドット・コム」(4月10日)の論説も唸りますぜ。
http://www.be.asahi.com/20040410/W12/0025.html
購入CDは一週間で5〜6枚。
どうしても大好きな曲の同音異盤を買ってしまうが、
出来るだけ知らない作曲家や曲目も混ぜている。
そのため、数回聴いたきりで見放された可哀想なCDがタンとあるが、
それは彼ら達の生みの親の責任だ。
何故かくもツマラヌ曲が書けるものか、と憤慨する音楽が多い。
この素材(旋律)ならもっと展開したら良いのに、とかゴニョごにょ・もごモゴが長過ぎたりとか。
だけど思い返せば、マーラーやリヒャルトだって最初の頃はヨー分からんかった事が多かった。
彼らのネームバリューが大きく、分からん筈がない、
と信じ込んで聴き続けたからこそ、今分かる自分がいるのも事実。
ツマンナイと諦めずに、もう一度トライしてみようかな。
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【 CD感想 】
毎月数十枚とCDを買っても、大当たりは滅多に無い。
特にお店が強力推薦している平積みCDはハズレが多く、いい加減手を出さない事にしている。
結局、自分に合うものは自分で嗅ぎ出すしかなく、見たことも無いレーベルの背表紙を
一生懸命タイトル確認する。
今回のCDは、隊長が廉価盤コーナーから見つけ出してきた逸品。
隊長は少々オカシイだけあって、CDも時々とんでもないものを見つけ出してくる。
今回はその好事例。
CDは3枚セットものなのに、約千四百円と破格プライス。
こういうのはヒストリカルなモノラル録音が多いんだけど、本盤はさにはからんや。
廉価盤ならではの、データの少なさには困る事が多く、録音データ等は一切不明。
ブルックナーは指揮者の料理次第で、幾らでも味わいや風味が変わってくるから面白い。
だから、より多くの指揮者の演奏に触れて、自分にピッタリした演奏を探し続ける楽しさがある。
このCDセットは、ブルックナー4・6・7番が入っているが、6番は
H・ライヒェルト、7番がH・ロスバウトと3曲とも指揮者が異なる。
指揮者ホルライザーは、私にとって始めての体験。
全然期待してなかったし、オケがバンベルク響なんで少し興味を持った程度。
ベーム&VPOで「ロマンティック」に出会ったのが運の尽き、ブル4単体で売っていたら
決して購入する事はなかった一枚でした。
本音で言えば、あんましブル4は好きでなかったんですよ。
一聴して、この演奏がとんでもない名演であることは直ぐに感じます。
そう、例えばクライバーやチェリビダッケを初めて聴いた時の感覚に似ている。
音楽に推進力と生気が満ちていて、流れが激しくもありながら、淀みがこれまた美しい。
緩急自在とはこのことです。
久々にブル4を真正面から向き合ったので、純粋に作品に対して感動したのかな?
いやいや、うーん。
そこで、チェリ&スウェーデン放送響のCDを取り出して聴き比べてみました。
しかし結果はホルライザーの圧勝ですよ。チェリ・ファンには申し訳ないですけど。
朝比奈との比較は、ファンが怖くてしていません。
気を取り直して。
ブルックナーの音楽で、どんな所が凄いのか?
赤レンガを一つづつ積み上げて積み上げて、いよいよ完成!というところで天から光が注し込まれる。
完成した大伽藍は、雨雲を払い除けた太陽の光で、荘厳な輝きを放つ。
それまでの積み重ねが長かっただけに、頂点を浮遊するクライマックスが映えるんですね。
また、頂点に辿り着くことなく、尻すぼみになる連峰も捨てがたい。
ひとつのゴールを目指していたのに、愈々(いよいよ)これからっていう時に
サラっと別の旋律が入り込み、お流れになる。
でも、この無念さが醍醐味でもある。
焦らして焦らして焦らされて、御預けを喰わされるのが喜びに変わるとは、
何ともマゾヒスティックな音楽ともいえる。
攻撃的な一面もブルックナーには多々あり、ホルライザー盤はこれが実に格好いい。
あからさまなアッチェレランドでは無いんだけど、ドキドキしてくる興奮。
ホルライザーはオペラ指揮者だっただけに、こういった盛り上げ方が堂に入ってる。
ミニマム・ミュージックの様に細かな音形を重ねる時は、ホラー音楽顔負けのにじり寄り。
ブルックナーといえば、5・6・8・9番、と決めているあなた!
4番なんてもう久しからずや、のあなた!
この4番なら、きっと御満足いただける事でしょう。
指揮者ホルライザーについてのデータならこちら!
http://www.geocities.com/Vienna/Studio/2891/hollreiser.htm