(隊長作)

ショパン   ピアノ協奏曲 第1番 & 第2番  - 29 -  (2006年1月)
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ショパン ピアノ協奏曲 第1番 & 第2番

  アダム・ハラシェヴィチ (ピアノ独奏)
  ホルライザー指揮  ウィーン交響楽団  
  ( PHILIPS 422 472-2 ) 輸入盤  

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  去年は私の中では、協奏曲の年であった。
  今まで私は交響曲を尊び、オペラに憧れ、室内楽に可能性を求めていた。
  
  協奏曲っちゅう奴は、小手先だけの輩(やから)が、自己の才能をひけらかす
  嫌味この上ないもの。
  そこまでは実際には思ってないけど、かなり印象が悪かった。
  これは恐らく、アマ・オケの時、あまり歳の変わらん若輩ソリストを
  センセイ・センセイと持ち上げて、自分はビオラの後方でセンセイの伴奏に努める、
  といった屈折した苦い経験が大いに影響しているんだと思う。
  
  こうは見えてもワタクシ、実はこのクラシックで最初に好きになったのは
  協奏曲だった。
  ミッシャ・マイスキーがN響で弾いたハイドンのチェロ協奏曲第1番。
  ハイドンからクラシックに入ったと言うのがお笑いなら、
  N響で感動してたのも今となっては懐かしい。   (隊長作)

お次はベートーヴェンの「皇帝」。
  ピアノ協奏曲第5番でして、これは父が持っていたバックハウスの全集レコード。
  あの父がこんなものを持っていたとは理解不能だけど、
  クラシックに目覚めた少年には格好の獲物だった。
  
  そのあとはモーツァルトのPコンに狂って、来る日も来る日も聴いていたのだが、
  前述の協奏曲伴奏あたりから協奏曲嫌いになったんだと思う。
  また、面白い交響曲をゴマンと堪能しだしてたしね。
  
  最近はバーバーのヴァイオリン協奏曲と、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番にハマりにハマっている。
  実によく聴いた。
  これら2曲は、いつかしっかりと書きたいので、今回は詳しくは秘密。
  でも、どちらもとんでもなく素晴らしいから、最近聴いてない人はたまには聴いて上げてね。
  
  そしてここ数ヶ月、夢見る乙女のような恍惚感に酔い痴れているのが、   (隊長作)

このショパン。
  と或るクラシック系メルマガで、ショパンのPコン第1番が紹介されていたのだが、
  私はこの執筆者の趣向が好きなので、我が家にもショパンは無いものカナと探してみたら
  ルービンシュタイン盤(指揮がなんとスクロヴァチェフスキー)があった。
  隊長が若い頃、書店で千円で売っているバッタもんを買っていたという。   (隊長作)

隊長も乙女の頃は、ショパンを聴いていたのだな、と思うとおかしかった。

  ところがこのショパン、滅法いい。
  甘くて、切なくて、やるせない。
  そんなセンチな言葉がピッタリな音楽。
  結果的にはこの盤はとんでもなくドンピシャな名盤だと判るのだが、
  CD収集家の悲しいサガ、他に名盤は無いものかと探しまくるのである。
  
  早速、中古屋で物色する日々が続いたが、大したものがない。
  たとえばアルゲリッチ盤、あるいはツィンマーマン盤。
  どちらも徹底的には聴きこんで無いので、今後突然両盤の真のパワーに
  覚醒してしまう時がくるかもしれないが、今の所は(どうもちょっとな...)。

  どちらも天下の名盤で、万人には好評なようだが、万人に受け入れられても
  私が受け入れられなかったらなんにも意味が無い。   (隊長作)

そう、イイか悪いかは自分が一番大切なのである。
  
  ルービンシュタインで十二分にイイのだが、ほかにもっと、こうなんて
  言うか解らないくらいスンゴイ名盤は無いものかとうろうろしていて、
  今回ご紹介の盤に出会った。

  本来、こういったピアノ協奏曲なんだから、ピアニストにこだわった収集をすべきなんだろうが、
  屈折したオケ好きにとっては、指揮者だってかなり重要。
  以前、ホルライザーはブルックナーの第4番で目茶目茶惚れ込んでしまっているので、
  「ホルライザー」 Hollreiser というスペルを発見した時は小躍りした。
  
  ハラシェヴィチは今や知る人ぞ知る存在となってしまったようですが、
  これはホルライザーも同じ。
  こういった報われない音楽家が運命的に組み合わさっていたというのも、
  ショパンの音楽にはハマっていて、因縁を感じて哀しい。
  しかしこの哀しさが、ショパンの協奏曲にぴったりで、特に第2番が
  素晴らしい。
  
  いま、ルービンシュタイン盤と聴き比べても、第1番はルービンシュタイン盤が
  若干優っているかと思うが、第2番はこのハラシェヴィチ&ホルライザーという
  哀しい悲しいコンビがより優れている。
  まぁ、ルービンシュタイン盤の第2番はスクロヴァチェフスキーが指揮していない
  というのも大いに影響していると思うんですが...。
  
  ちなみにハラシェヴィチ氏はショパン・コンクール優勝者。
  その時の第2位はアシュケナージだったのは、有名なお話。
  う〜ん...。


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