(隊長作)

ヘンデル   バレエ組曲「バースの愛」    - 33 -  (2007年8月)    訪問者数

ヘンデル バレエ組曲「バースの愛」


  ビーチャム指揮  ロイヤル・フィル
          
  ( GREAT CONDUCTORS 10枚組収録第6枚目 )  輸入盤
  1957年10月20日録音

  mnnmnnmnnmnnmnnmnnmnnmnnmnnmnnmnnmnnmnnmnnmnnmnnmnnmnnmnnmnnm

  知っている人は知っている、名盤誉れ高い名盤。
  私は十枚組の格安セットで入手したクチだが、このセットが出るまでは
  廃盤オークション等を賑わしていたようだ。
  
  私は買ったCDを、とにかくポイポイッと大好きなアイポッドに放り込んで、
  聴いていない曲順にチョイスして満遍なく聴くようにしている。
  余りにも自分に合わない曲はカットしてゆき、気に入った演奏だけが残る。
  
  現在は一楽章を一曲とカウントすると2600曲。
  これでも最盛期よりはかなり減った。

  そんな膨大な曲を日々掛けていると、「あれ?!」と思うような曲が流れてくる。

  自分で入れときながら、数ヶ月も忘れており、
  久々に出番が来た曲に、ときたま感激してしまう。
  今回のヘンデル作曲「バースの愛」はまさにそんな曲で、   (隊長作)

これは私も隊長も同時に反応した。
  
  特に心ときめいたのは第4曲「メヌエット」。
  冒頭の響きからは、コレッリのラフォリアの変奏曲かと思うが、
  すぐに暖かみのある品のある弦の響きに、これはイギリス音楽だと思う。
  
  私はこの悲劇的な響きのある英国音楽が大好きで、
  バタワースやヴォーン=ウィリアムズやパリーをよく聴くのだが、
  ヘンデルは古楽の人なので何となく近づいていなかった。

  しかしこうやって、恐らくビーチャムの編曲による英国情緒たっぷりな
  弦楽中心の編曲を聴いていると、世界は中世ながら何とも言えぬ味わいが出てくる。   (隊長作)

この組曲は全7曲からなる。
  第1曲「マーチ」
  第2曲「凝り性(マドリガル)」
  第3曲「ラブ・シーン」
  第4曲「メヌエット」
  第5曲「セレナーデ」
  第6曲「喧嘩」
  第7曲「ホーンパイプ」
  
  
  素晴らしい名曲が多い組曲だが、まず第1曲「マーチ」。
  自分の母校の校歌がこんな旋律だったらどんなに誇らしいだろう、と
  いった曲で、「マーチ」「行進曲」なんて野暮な題名が勿体無い。
  
  第2曲「凝り性」がどうしてこう云う題名なのか意味深だが、
  第4曲「メヌエット」で壮大に歌われる名旋律が小出しに顔を覗かせ、
  感情がどんどん高まってゆく。
  
  第3曲「ラブ・シーン」が強いて云えば、もっとも駄曲。
  題名が最もステキなので、期待が大きくなるが、これはどうも首を傾げる。
  (隊長作)

第4曲が全曲を通しての「白眉」。
  イギリス田舎の森と小川が交錯した広々とした
  野薔薇咲きほころぶ情景が目に浮かぶ。
  この陶酔感のある弦の美しさと言ったら!

  合間に入る木管が鄙びていて、爽やかな風のようだ。
  でも、愛を交し合う二人の間にはやっぱり美しい弦の音色ぴったりで、
  これは飛んでもなく美しくも儚く悲しい曲。
  
  第5曲は一転してハープの伴奏に木管、弦と続き、
  チェロらしきソロが歌う。
  
  第6曲は名前の通り激しい闘いの曲。
  しかし終曲(第7曲)のアイリッシュ・トラッドには負ける。
  
  そう、第7曲は最近話題のアイリッシュ・ダンス。
  激しい、激しい、アイリッシュ・トラッド。
  リールよりもゆったりした4分の4拍子。
  2拍めと4拍めにアクセントをおき、独特な舞踏世界だ。
  こういうのをナマで聴き、ダンスを眼前で見れば物凄く興奮するだろう。
  
  
  以上、全七曲ですが、組曲と云えば「カルメン」や「アルルの女」
  「胡桃割人形」「白鳥の湖」などだが、こういった秘曲なのに恐ろしいまでに
  美しく悲しい名曲も、この世にはまだまだある。


   前へ  HOMEへ  次へ









inserted by FC2 system