さくら(隊長作)

4月17日(土)  17:00   - 16 -   訪問者数

    トゥイナー指揮  東京フィル  新国立劇場
    (振付 ケネス・マクミラン)
  
    プロコフィエフ  バレエ「ロメオとジュリエット」

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   【 初台 】
菜の花 もう東京はすっかり春爛漫で、デジカメ片手に都庁庁舎や
石垣に咲く菜の花を撮ったりしながら、初台を目指します。
新宿から京王で一本だが、こんな麗らかな春の日は、
歩いたって楽しい。
(いつも歩いて行くんだけどね)
  
  途中、「新宿ねぎし」にて味噌漬け焼肉定食を食す。
  昔々この店では牛タンを葱で挟んで食したんだが、今回の新メニュー「味噌漬け」は旨かった。
  名古屋仕込みの味噌漬けハンターが言うんだから、間違いない。
  「牛角」もそうだが、焼肉は味噌漬けに限るね。なしてこうも旨いんだろう。
  これを海外でチェーン展開してはどんなもんだろ?もうやってるかな?
  
  「新宿ねぎし」
  http://www.negishi.co.jp/negishitop.html
  
  nxnxnxnxnxnxnxnxnxnxnxnxnxnxnxnxnxnxnxnxnxnxnxnxnxnxnxnxnxnxnxnxnxnxnxnxnxnx
  
  学生時代、オラが町にもバレエ団が来た事があった。
  とにかく何時もカネの無かった私は、無い知恵を絞ってその公演の裏方アルバイトが
  ないものか探してみた。
  素早く行動したのと特異な着眼点ゆえか、舞台・大道具のアルバイトがある事を発見。
  舞台のゴムマット敷きから背景セット備え付けまで、なかなか体験できない
  面白いアルバイトだった。バレエ団は、あの「レニングラード国立バレエ」。
  演目は「白鳥の湖」だった。
  
  私はこの他にも、金と趣味を両立させえるバイトに勤(いそ)しんだ。
  その代表格が某運送会社の美術梱包部。
  当時はまだバブルの余燼くすぶる頃で、世界の名画展や新美術館オープン等が盛んだった。
  このバイトは、そういった展覧会を準備・設営するもの。
  ルノワールやゴッホの本物をドキドキしながら壁に掛けた。
  一幅1億円以上なんて名画が時々あり、保険が掛けられているとはいえ、
  落としたらやばいよなぁと思いつつ運んでいた。
  
  壁に絵を掛け終わると、学芸員サマのご登場。
  こいつらが一番の厄介者だった。
  「君キミ、もうちょっと右」だとか、「もう少し左を上げて」とかの微調整が始まる。
  だったら自分でしろよ、と我慢しつつ従うのが悲しいバイト。
  展覧会では何ということなく絵画が飾られているが、その前夜はアルバイトの兄ちゃんが
  「どっちでもええやんけ」と思いながら、絵画を上下左右に数ミリ動かしている。
  (隊長作)
話をバレエに戻しましょう。
そんな裏技を使って潜り込んだ初バレエは、サーカスみたいな迫力だった。
  
  本番中我々大道具は舞台転換に備えて、舞台脇で待機してるのだが、170センチはあろう
  バレリーナがクルクル廻りながら舞台袖に突っ込んでくる。
  それを受け止める人までいて、バレリーナは鬼のような形相で鼻息も荒く、突っ込んでくる。
  思いっきし体育会系。この時点で私のバレリーナへの憧れは失せた。
  
  憂い顔の可憐なバレリーナが肩で息をしながら、トウ・シューズの紐を結びなおしている。
  そんな彼女に心美しい大道具の青年が、「今夜の踊りは最高でしたよ...」
  とタオルをそっと肩にかける。
  「あら、大道具さん、ありがとう!あなたの名前は?」
  そんなシチュエーションを勝手に思い描いて乗り込んだのだが...
  現実はいつも厳しい。
  
  momomomomomomomomomomomomomomomomomomomomomomomomomom

ホテル 読者のみなさんで、果たしてこの名曲を
ご存知ない方がおられるんでしょうか?

知らねぇよ、と思ったあなた。

あなただけですよ、そんな不埒な事おもったのは。

  確かにプロコフィエフという名の作曲家は、難解な音楽も書きまくってますが、
  事この曲に限って申せば大傑作(バレエ)音楽と申せましょう。
  真の意味でのプロコの大傑作は、「大プロコ・ファン」としては申し上げにくいのですが、
  プロコ=何それ?、プロコ=分かんない、プロコ=好きじゃない!という方には、
  「これならどうじゃぁー!」と突きつけたい一大絵巻。
  
  先程も申しましたが、あのバイト以来のバレエ鑑賞なので、身銭を切ってのバレエ鑑賞は初めて、
  という事になる。そんな記念すべきバレエ鑑賞が「ロメジュリ」だとは、私もシアワセ者だ。
  
  バレエは疎いが、その音楽についてなら負けてまへんで。
  それくらいこのバレエ音楽は私を虜にさせてきた。
  まず、そのロマンティックなストーリー展開、私の心にジャスト・ミート。
  
  流麗で甘く切ない音楽、リズミカルで奇抜な七変化、
  感情の高まりや怒りの爆発を見事に現した大音響。
  それでいてポップでキャッチーな名旋律を兼ね備え、
  偏屈頑固な私がここまで諸手を挙げて絶賛する曲も少ないと思う。
  
  当日の観客は、流石にバレエだけあって女性が多い。
  プコフィエフなのに皆さんいいんですかー?
  バレエの踊りそのものは門外漢なので、判断不能だが随分と結構なものでした。
  また、演奏は水準並みだったかな。
  これがコンサート形式で組曲でやったら、度迫力なんだが、オケピでの構成じゃ無理もあるかも。
  それよりなにより、音楽全曲がノーカットで聴ける喜び。
  この曲の組曲はCDでも雲霞の如く出ているが、全曲通して聴くことの意義は大きい。
  中には古典交響曲のメヌエットなんかも借用してあって、こういう場面で使われているのか、
  といった確認も出来る。
  登場人物にはそれぞれテーマ(旋律)があり、人物の登場と共に旋律が様々に加工されて流れ出す。
  その場その場で、テーマは多種多様に変奏されて、相方の登場が新しい旋律との絡み合いと進み、
  この音楽を更に狂わせていく。
  
  歌舞伎鑑賞でのべたチャンバラが、ロメジュリでも随分あった。
  豪快かつ軽快な音楽に合わせて、剣と剣がぶつかり合う。
  日本の剣技は一撃必殺が良しとされていて、時代劇のように無闇矢鱈と
  チャンチャンバラバラと剣を重ね合わすのは、下手同士。
  
  ところが西洋は針がねみたいなフェンシングでチョンチョンと重ね合わせていく。
  むかし蒙古が大陸を制覇した時、騎馬での電撃行動が功を奏したばかりでなく、
  蒙古の撃剣が威力を振るったといわれる。チョンチョンと刺すのでなく、
  大薙刀で上からバッサリぶった切るわけだ。
  
  しかし音楽的にはこのチョンチョンが実に打楽器的で音楽に花を添える。
  見た目も華麗な剣の舞だし、剣の音も軽やかだ。

  日本はといえば、木枯らしが吹く中、二人の剣士が刀を構えたまま
  数十分でも対峙したまま。
  二人して微動だにせず、緊迫の時は流れていくが、音は木枯らしのみ。
  まさにタケミツの世界。
  
  私は日本の歴史・時代小説が大好きだが、音楽的には西洋風チャンバラが好きであった。
  
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