雪だるま(隊長作)

2004年2月29日(日)14:00   - 9 -   訪問者数

    新田ユリ指揮 アイノラ交響楽団  大田区民アプリコホール

    シベリウス  交響曲第5番
    シベリウス  組曲「白鳥姫」
    シベリウス  組曲「歴史的情景」組曲第1番 Op.25
    シベリウス  「フィンランディア」 Op.26
    シベリウス  「アンダンテ・フェスティボ」

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  【 蒲田 】
  
  「ユザワヤ」の街、蒲田に来ました。どこからともなく行進曲が聞こえる?
  今日のコンサートは2時から。朝から何も食べてないので、   (隊長作)

駅ビル「パリオ」でなんぞ食おう。
  私は肉も好きだが、魚はもっと好き。鮨とか刺身ってのも芸が無いなぁと
  思っていたら、ありました。変わってるのが。
  一夜干し料理「ひもの屋 」さんに入りました。
  ここでアジの干物と鶏の唐揚げを食べましたが、
  なかなか旨いです。新興チェーン展開を進めているようでして、
  是非ぜひ我が町にも出店して欲しい旨さです。
  わが町は貧弱でして、「大戸屋」とか「めし屋」みたいな定食チェーン店さへ無いんだよ。
  700円前後で魚の定食が食べれたら、しょっちゅう利用するのに。
  
  メシに満足し、久々にJR蒲田駅東口を降り立ちました。5年ぶり。
  随分コジャレた街に変貌しとるでないの!
  圧巻は初めて訪れた大田区民アプリコホール。   (隊長作)

こりゃぁ、カネ掛け過ぎですよ。
  ニッセイアロマスクエアという奇抜で18Fもある高層ビルと
  一体化しており、蒲田らしくない格好良さ。
  アプリコホールは、ガラス張りがホールを爽やかで明るくしており、
  プロ・オケのコンサートをあまり見かけないのが勿体無いくらい。
  ホール内部は少し2階座席配置が変わっており、一度は聴きかつ見るべきホールですよ。
  今年は川崎にも新ホールが完成するけど、
  こういった既存のホールが目立たなくなるのは残念。
  
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  何年か前に、シベリウス専門オケ設立計画が難航していると聞いた。
  そらそうでしょう、と弦楽器の私は思っていた。
  というのもシベリウスの弦パートはトレモロや刻み等の難行苦行の連続。
  パート譜はちょっとした幾何学模様で、美しくもオゾマシイ。
  そんな地獄につきあう人が沢山おるわけあらへんわなぁ、と酷いこと思ってた。
  それが半年ほど前、ネットで演奏会スケジュールを検索してたら、
  「アイノラ交響楽団」がヒットした。
  んん? あ!あの時のオケがいよいよ演奏会まで漕ぎ着けたんだ、と驚いた。
  しかし依然HPには「弦楽器大募集」とある。
  大丈夫かなぁ、と心配してた。
  
  今回は記念すべき第1回演奏会で、書きたい事も一杯あるんだけど、
  何はともあれ、これが言いたい。   (隊長作)

「弦・管・打すべてがメチャメチャ巧い!」
  大募集してるってのはなんだったのか?というくらい、
  昨今のアマオケではトップレベルの技量だ。

  そして情熱はあらゆる困難を克服するように、技術面だけにとどまらない熱いパッション。
  そりゃぁシベリウス好きが全員集合してんだもんな。
  なのに観客が少なすぎる。世の中おかしぃんちゃうの?
  私もここまでレベルの高い演奏を予想してなかったので、
  この客の少なさは致し方ないかもしれないし、
  オール・シベリウス・プログラムというのもネックだったのは理解している。
  しかし、これ程の演奏を、座席の半分ほどしか聴いていないだなんて、
  もったいない演奏会だった。
  
  非常に珍しい曲が実演で聴けた。   (隊長作)

組曲「白鳥姫」では、ハープが中央に鎮座。
  こういった「こだわりの配置」がおたくにはたまんないっすよ。
  全7曲中第2曲目は「ハープ」という題名で、まさにハープが美しく活躍します。
  ハープ付きの管弦楽曲は多いけど、その割には大活躍って程でもない事が多い。
  ちょこちょこっとおいしい箇所が何箇所かあるってくらいかな。
  しかし、本曲みたいに使うと、ロマンティック全開だ。
  協奏曲みたいにアクロバティックに掻き鳴らすんじゃなく、我々がイメージしている
  「金髪の長い髪を垂らした乙女が弾いている」ようなハープの世界。
  なぁんで、メジャーになんないんだろうねぇ。
  CDでは実演ほど効果的に聴こえてこないんだろうなぁ。
  レック・レベルとかの関係でハープの音が貧弱になってゆくのか?
  
  「歴史的情景」と「フィンランディア」の作品番号、Op.25とOp.26を
  あえて書いたのには訳があるんですよ(いつもは書いて無い)。
  もともとこの2曲は劇「歴史的情景」の幕間音楽で、原曲は6つのタブロー(情景)から
  成り立っていたそうです。
  第1組曲はタブロー1&4&3からなり、「フィンランディア」はタブロー6です。
  クラシックは不思議なもので、時として「なんで有名にならんのだろう?」
  という曲が山のようにあります。時には映画に使われ、時にはCMに使われ、
  時にはドラマで使われる事によって、俄かに注目されたりする。
  おたくとしては歯がゆい様な嬉しい様な。
  「フィンランディア」はとっくに有名ですが、
  これなら「歴史的情景」も追っつけ人気が出るでしょう。   (隊長作)

多少、邦訳がいかめしいのが不安。
  そこで提案。よくアンコールで「フィンランディア」が使われるが、
  これを「歴史的情景」の第2曲「30年戦争のフィンランド人」にしよう。
  戦争という単語に日本人は眉をしかめそうだが、この凱旋の行進曲はきっと受けると思うよ。
  
  メインはシベ5。
  昨年、某アマオケで同曲を聴いたが、そりゃぁつらかった。
  CDで聞くのと実際に演奏するのとでは大いに差があるのがシベリウス。
  ただ弾きゃぁいいってもんでもないし、吹きゃぁいいってもんでもない。
  これはブルックナーなんかと通じる、理屈では割り切れない難問。
  ところが流石シベリウス専門オケというだけあって、よくこねれてました。
  若干金管部隊が頑張っちゃった点は否めないが、まぁホント美味い!ってな演奏でした。
  年1回のサイクルになるようですから、次回は1年後。
  もったいない話です。

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  次回はひとつ頑張ってもらって、「クレルヴォ交響曲」をお願いします。
  アマオケさんって困難な曲ほど名演・爆演になる事が多いんよね。
  クレルヴォだとソリストの手配など大変でしょうが、聴きものですよ。
  シベリウス・ファンのみなさんだったら
  去年のヴァンスカのクレルヴォも聴いてらっしゃると思うし...。
  アッシは聴けなかったんだよぉ。

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  +++ 3年後 +++ 
  2007年12月22日(土) アイノラ交響楽団 新田ユリ指揮
  シベリウス  交響詩「クッレルヴォ」 作品7  のコンサート感想。
  http://rede200402.hp.infoseek.co.jp/dai9/dai172.html










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