(隊長作)

2008年5月18日(日)  14:00   - 203 -    訪問者数

    伊勢管弦楽団   大谷正人指揮    伊勢市観光文化会館

     ブラームス   交響曲第3番
     ラフマニノフ  パガニーニの主題による変奏曲
     ラヴェル    亡き王女のためのパヴァーヌ
     ラヴェル    ラ・ヴァルス

  nvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnv   (隊長作)

上記表記プログラムは、配列記入ミスではありません。
  記載の通り、前プロがブラ3でした。
  変なの、と思ったあなた、その考えは残念ですよ。
  こういった変則プログラムは空想としてはアリですが、なかなか実行は出来ない。
  
  さて、この何が空想的なんでしょう。
  ブラ3、ラフマニノフの小協奏曲、ラヴェルの短いのを2曲。
  あなたなら、どれを重心的に練習します?
  そして、分奏、合奏と、どれに重きを置いて練習してゆきます?

  答えはやっぱり、ブーラムスの交響曲第3番ですよね。
  この曲はブラームス4曲の中でも、最もアマチュアに恐れられている曲。
  実際、実演も少ない。
  ブラ1だって、ブラ4だって、決して軽んじられるレヴェルでは無いんですが、
  ブラ3こそ最も侮れん。そういう重い曲です。
  
  しかし今回は、そのブラームスだけでなく、ラフマニノフの小協奏曲と
  ラヴェル2曲、どれも20世紀モノ。
  そこで誰かが考えたんでしょう。

  言わなくても練習に励むブラームスを前プロに持ってきて、20世紀モノを後方へずらす。
  そうすれば、どれもを重要に対応せざるをえない。うぅむ、心憎い作戦。
  それは吉と出たか、凶と出たか?
  
三重県のオケは、大学オケも含めて
まだまだ数団体しか聴いておりません。

ですから大したことは言えないんですが、
経験則としてはおとなしい演奏が多かった。

温順で柔らかな性格が多そうな、
三重県人。
攻撃的な愛知県とは、全く違う。

  しかしですね、今回は三重県でもかなり南方な「伊勢市」。
  海のイメージが大きく、海の人たちと言えば気性が荒らそう。
  (隊長作)

演奏姿勢は「非常に」ハイテンション。
  これは正直意外でしたし、驚きました。
  同じ三重県だからと、ひとくくりには出来ないもんだな、と。
  音楽に対する気持ちが非常にアグレッシブで、粗い箇所もそりゃ有りましたが、
  トータルで受け止めれば非常に感動した。
  気持ちと音が、前へ前へと出ており、感情が音楽をいかに
  素晴らしくマジックしてしまうか、という好例。
  
前プロからしてメインみたいなブラ3ですから、
いきなりヴォルテージは
最高潮。

団員の多くはブラームスの、しかも3番を
演奏してるんだという意気込みが
熱かったし、こういうアツイ演奏なら
ブラームスは実によくなる。

ちなみに、この伊勢管。
前回と前々回の演奏プログラムが、
ブルックナー第8番であり、マーラー第8番です。

冗談でしょ、と思いそうなプログラムですが、
本当にやっちまったようです。

  聴きたかったぁ〜。
  今年に限ってブラームスですが、そんなオケだからこそ、前プロにブラ3を持ってくるは、
  ラフマニノフをサラリと挿入して、メインをラヴェル2曲にするはと、掟破りの意想外。
  
  中プロのラフマニノフも良かった。
  この曲は題名がダサイので超有名になってゆかないが、通しで聴けば
  皆さんも絶対知っている名旋律が出てきます。
  「あ!この旋律はこの曲にあったのか」と驚くこと間違いなし。
  それを識ってて、その名旋律を待ち構えて聴くと、楽しめる事も倍増です。
  私もこの名旋律は鳥肌が立ちましたね、やっぱり良いもんです。
  
  メインのラヴェル2曲は、「あと2曲」というラストスパートもあってか、イケイケの突進演奏。
  ここで30分以上もする大曲だとダレルのでしょうが、各曲が短いので演奏者も聴衆も大喜びです。
  伊勢市観光文化会館
まるで壮大なアンコールが続いているようで、
それでいて十分に練習された演奏だけに
メイン曲に相応しいラストでした。

これは完全に選曲&プログラムの成功ですな。
ほんと頭の良い策士に、すっかり骨抜きにされた
演奏会でした。
  

   前へ  HOMEへ  次へ



  *** 過去のブラ3なコンサート感想 ***

  * 2006年2月11日 上野の森交響楽団 小林幸人指揮
    ブラームス 交響曲第3番、 大学祝典序曲 他
    http://rede200402.hp.infoseek.co.jp/dai6/dai110.html

  * 2004年3月27日 J・テイト指揮 読売日響
    ブラームス 交響曲第3番、 エルガー 序奏とアレグロ 他
    http://rede200402.hp.infoseek.co.jp/dai/dai14.html


  *** 過去のラ・ヴァルスなコンサート感想 ***

  * 2008年1月13日 高田馬場管弦楽団 横島勝人指揮
    ラヴェル ラ・ヴァルス、 ブルックナー交響曲第8番
    http://rede200402.hp.infoseek.co.jp/dai9/dai177.html












inserted by FC2 system