(隊長作)

9月13日(土)  16:30   - 224 -    訪問者数

    名古屋工業大学管弦楽団OB会   曽我大介指揮
    愛知県芸術劇場コンサートホール

     R・シュトラウス   交響詩「ドン・ファン」
     ワーグナー      舞台神聖祝祭劇「パルシファル」より
                 前奏曲と聖金曜日の音楽
     ブラームス      交響曲第4番

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  名工大には思い出がありまして、子供のころ何度かキャンパスで遊んだ事。
  大学祭に行った事もあったなぁ、工業大学ならではのむさ苦しい男だらけの学内。
  当時の校舎は中学校とかと変わらない粗末さで、大学ってったってこんなもんか、
  と随分がっかりした記憶がある。
  
  数々の模擬店が並び、教室は各種ショップになっていたが、そこは工業大学。
  身体測定をするコーナーがあり、肺活量測定もしていた。
  どういう経緯で測定したのか覚えていないが、その測定値が新記録を出したとかで、
  いろんな学生が集まってきた。多くの大学生に囲まれて、得意気になった思い出がある。
  結局その後、新記録を出した肺活量は一向に活躍するチャンスも無く、
  名工大と云えば、我が肺活量新記録を思い出してしまう。
  

愛知県芸術劇場

今回突撃したアマオケは、
名工大オケのOB団体。
その名も名工大を前面に押し出した
「名古屋工業大学管弦楽団OB会」。
演奏会は、今回で第15回。

こんなに続くならもっとしっかりした
命名にすれば良かった、と思っている
OBも多いのではないでしょうか。

  しかし、その無骨さが国立理系大学らしくあり、よく特徴を捉(とら)えている。
  私としては、名工大と云えば鶴舞公園なので、鶴舞公会堂付属管弦楽団とか
  鶴舞公園フィルハーモニカーとかにしたら面白いんですけど、如何でしょう?
  (隊長作)

今回のメインは、ブラ4。
  私自身、何度も節目となる演奏会でブラ4をやっただけに思い出は多いが、
  かなり食当たり気味な曲でもある。
  しかし、うちの隊長がブラームス交響曲の中で最も好きなナンバーが第4番と
  仰せられるのと、ワーグナーのパルジファルやリヒャルトのドン・ファンが
  カプリングされるという事で、その見識の高さに感心して聴きに行った。
  メインが有名曲でも、カプリング次第で演奏会プログラムが一気に
  ハイ・レベルになる好事例と言える。
  
  さて、一曲目はドン・ファンなのですが、座った席が悪かった。
  愛知県芸劇はワンワン・ホールで酷い音響だと何度も書いているが、
  そうは言ってもどこかの席は音響バランスが安定したエリアがあるはずだ、と
  演奏会毎に座席を違えてチェックし続けている(涙ぐましいでしょ)。
  今回のドン・ファンでは、3階席正面(少しVn寄り)に陣取ったが、   (隊長作)

ココは最高級に酷かった。
  私は鈍感な方だが、ドン・ファン冒頭の爆発音で、もうギブアップ。
  響き過ぎて、何をやってるのか解からなくなってゆくのだ。
  響くだけでなく、高音がキィンと残る。
  こんなシートに座席指定だったら、もう泣くしかないだろう。
  音が来ない、音が素通りする、なんて事はあっちこっちでっちだが、
  ここまで響き過ぎる上に高音が炸裂する響き方をするホールは少ないだろう。
  
  愛知県の人は、この音響に不満を感じないのだろうか。
  何度も何度も書いているので、これ以上今回は書かないが、
  早く改善して貰いたい。   

お次のパルジファルでは、速やかに
座席移動(自由席なので座席移動OK)。
同じ3階席ながら、サイド・エリアに移動すると、
全く音響が異なるからこのホールは
謎で満ち満ちている。

みなさんも一度験してみて下さい。
3階席正面端寄りと、
3階席サイド・エリアとを比較検証。
面白いよ!
  (隊長作)

パルジ。
  前にも書きましたが、ケーゲル盤でパルジファルに開眼した私。
  あれ以来、月に一二度はパルジファルを聴きながら帰宅する。
  独り寂しく夜道を歩きながら聴くパルジファル。
  なんて綺麗な音楽、なんて素敵な自分。
  いつのまにか聴いている自分とその周りが別世界に移ってしまう位、
  この音楽は静謐で美しい。
  
  透徹した金管のハーモニー、そよやかな木管、絶妙なさざめきが求められる弦楽器。
  それだけに、心ある音楽愛好家はいつしかパルジを演奏してみたい、と
  思い願うのでしょうが、なかなか実現していない。
  今回は前奏曲と聖金曜日の音楽だが、このパルジは良いシーンに限って
  合唱が挿入されてくる。

  最高潮に達した美の極致に現れる児童合唱はズル過ぎる美しさで、
  男声・女声ときて児童合唱が立ち現れるサマは鳥肌モノ。
  今回は当然オケだけなので合唱シーンは使えないが、
  いつかパルジファルの合唱付き演奏をどこかで聴いてみたい。
  

  大学OBオケは良い面もあり、困った面もある。
  同じ釜の飯を食った、同根系のつながりや指針があり、
  年代は違っても何かしら似通ったものが顕われてくる不思議さがある。
  その反面、困った事が先輩後輩の縦社会だ。
  どんなに演奏下手でも先輩は先輩だし、同じ理系企業や理系研究機関に
  勤めていると、何かしら上下関係やななめ関係が生じている。
  取引先のクライアントだったり、それこそ自分の上司が同じオケにいる
  可能性だって、無くはない。
  
  所詮趣味でやってんだから、休日の息抜きくらい
  トヤカク言わず、楽しく吹き流そうよ。
  そんな呑気な考えで放吟している人もいるだろうが、
  下手な人ほどのさばっているのがアマオケだ。

  中プロは安定していたパートが、メインではミスしまくる人が
  混じっているケースがある。ブラ4は今やすっかりアマオケに
  膾炙された高頻度な演奏回数なだけに、音符が吹けて当たり前。
  そこからどう解釈された演奏になるかが聴きものであって、
  吹ける吹けないのレベルの曲ではなくなっている。   

ブラ4。
不穏な前置きを書いてますが、
ブラ4の演奏は所々火がついて、時として
異常にハイテンションになる演奏。
総体としては、熱い演奏で良かった。

ですが、後ろに引きずられるリズム感があり、
原因は分からなかったけども、
何ゆえそう聴こえるのか気にはなる。
弦・ティンパニ上手く、クラ・オーボエも上手い。
金管がちと不安定であり、今やスタンダード・
ナンバーになってしまったブラ4なんだから、
この曲での不安定さは少々厳しい。
  
  アンコールがあり、私の好きなジョン・ウィリアムズ作曲「インディ・ジョーンズ」。
  笑えたのは、ブラ4では不安定だった金管がイキイキしていること。
  やりたかったんだろうなぁ。
  でもいいんですよ、私はブラ4よりかジョン・ウィリアムズの方が正直好きですから。
  ジョン・ウィリアムズの管弦楽法や楽曲構成は見事にマンネリですが、
  あれだけのメロディ・メーカーは当代随一です。   (隊長作)

何だかんだ云っても、メロディが弱い楽曲は消えて行きます。


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  *** 過去の J・ウィリアムズがアンコール なコンサート感想

  *  金山隆夫指揮 オーケストラ・ディマンシュ
     J・ウィリアムズ「スター・ウォーズ」より「王座とエンドタイトル」 他
















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