(隊長作)

9月21日(日)  18:30   - 226 -    訪問者数

    愛知工業大学管弦楽団    河津政實指揮    名古屋市青少年文化センター

     モーツァルト   「フィガロの結婚」序曲
     グリーグ     ペールギュント組曲第1・2抜粋版
     シューマン    交響曲第4番

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名古屋でのコンサート突撃が、
数え切れない程になってきた。

愛知県芸術劇場(栄)23回、
名古屋市民会館(金山)7回、
しらかわホール(伏見)6回、
電気文化会館(伏見)も1回行っている。

ちょっと名古屋、行き過ぎですね。
  
  しかし名古屋は全国的に演奏レベルが高い。
  選曲レベルも、関西より高い。
  人口比に対して、アマオケが圧倒的に多い。
  そして何より都心部が偏っているので、ホール梯子が容易。
  

伏見−栄間は、徒歩でも十分ちょい。
栄−金山間は、車で十五分だろうか。

14時コンサートと18時コンサートがあれば、
梯子する事は容易だ。

大阪のザ・シンフォニーホールと京都コンサート・
ホールを梯子するとすれば1時間数十分は
かかるし、何より開演時間がバラけていない。

  ほとんどのアマオケ演奏会は日曜日14時だし、土曜日は夜と決まっている。
  14時と19時でバラけていれば、ダブル・ヘッダーが出来るのに。   (隊長作)

そんな事を狙っているのは、我々だけなのか?
  
  今回の名古屋市青少年文化センターは、初めての突撃ホール♪
  ちなみにこのメルマガを始めてから、80ホール目。
  栄から徒歩5分ほど南下する松坂屋本館(矢場町)があるが、
  そこから西へ200m行けば名古屋市青少年文化センター。
  

名古屋市青少年文化センター

お上が造ったハコモノに、民間である
ロフト(総合雑貨店)やソフマップ(PC・ソフト販売店)等が
入居しており、なかなかの賑わいである。

2つのビルとそれを連結した大きな
吹き抜け空間から一つのカタマリが構成。
写真でもご想像できるように、思った以上にデカイ。
それなのに演奏会が少ないのは、
座席数が少ないからか(724座席)。

ホール内は「しらかわホール」のような
コンサート専用高級ホールではなく、
どちらかというと芝居用ホールといった感じ。

  シネコンみたいな座席。
  舞台付近の座席はオケピットに変更するときに着脱させるためか、
  ギシギシと箍(たが)が緩んでいる。
  しかし音響はそれほど悪くなく、ロケーションの良さも加味すると
  もう少し利用されても良いのではないか。
  
  この日は14時からあったクリンゲン・フィルハーモニカーを聴き終え、
  16時過ぎにしらかわホール(伏見)を出る。
  そこからブラブラ歩いても十分ちょいで文化センター到着。
  早目についてもロフトやソフマップがあるので、時間潰しも困らない。
  建物内は巨大な吹き抜け空間になっており、11階にあるアートピアホールまで
  ガラス張りのエレベーターや、ドキドキ体験が出来るエスカレーターが伸びている。   

名古屋市青少年文化センター

ちょっと怖い。(隊長作)

名古屋市青少年文化センター



  さて、9月21日のダブル・ヘッダーは愛知工業大学管弦楽団。
  東海圏以外の人から見ると、この愛知工業大学と聞いてピンと来る人は野球好きな人だろう。
  かのイチロー選手の出身校がこの大学の付属高校、愛知工業大学名電高等学校。
  
  地元ではアイコーダイメーデンと親しまれている野球の名門校だ。
  他にも工藤公康も輩出しており、なかなかなもんである。
  スポーツは抜群であるが、管弦楽はどうか?
  
  永いこと大学オケを聴き巡っていると、いくつかの共通項が透けてくる。
  旧帝大や私立名門校は、その歴史や人材や学生数の豊富さ、
  練習環境の充実度から、総じてハズレ無い演奏会が開かれる。
  ただし高偏差値大学は無気力演奏が多く、こういった人たちが
  日本を牛耳ってゆく将来が不安にもなる。
  
  最近気付き始めたのが理工系大学。
  音楽と数理的思考は切っても切れない仲で、どの大学オケでも金管といえば理工系だし、
  演奏に措いても屁理屈に措いても理工系の御意見は文系女子をも唸らせる。
  
  逆に言えば理工系大学はそんな面子ばっかりで構成されてるわけだから、
  ある意味恐ろしい集団とも云えよう。   

正直、全国的にみると決して
名門私大とは云い難い愛工大だが、
演奏は意外なほどハイクラス。

一年生も混じっている前プロ序曲はさて置き、
本腰を入れたメインなどは完成度も高く、
期待値が低かっただけに
サプライズ大きな演奏会だった。

ただし前プロ中プロで残念に思ったのは、
自信無さげな演奏スタイル。

  ちっとも弾けてるレベルなんだから、もっとガツガツとアグレッシヴに
  突っ込んで弾けば、実力以上に格好良くサマになって聴こえるのに。
  
  弱音部は周囲の音を聴き過ぎるくらい警戒し合っている。
  どうせ指揮者やトレーナーが、「周りの音を良く聴いて!」なんて
  言い過ぎるから、こんな萎縮した響きになっちまう。
  音程は正確でもビビってる演奏と、多少調子っぱずれでも勇猛果敢な演奏。
  
  どっちに好感を持つかは人それぞれでしょうが、学生オケにそもそも
  キッチキチな正確音程なんて求めてませんて。
  あいつら滅茶苦茶弾きよんな、と思わせる方が盛り上がると思うんですが、
  青春ど真ん中の人達にはなかなか気付けないんだろうな。
  
  でもね、でもね、何度も言うと失礼極まりないけど、
  「意外にやるな」というのが率直な感想なんです。
  シューマン4番を持ってきた事はとても意欲的だし、
  他大学がやらないホールで演奏会を開いた事も個性的。
  これに我武者羅な血潮煮えたぎるスピリッツが注入されれば、
  この大学オケ、化けるかもしんない。


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  *** 過去の 『シューマン交響曲』 なコンサート感想

    * 奈良女子大学管弦楽団 の シューマン交響曲第1番

    * 名古屋市立大学管弦楽団 の シューマン交響曲第1番

    * 大阪大学交響楽団 の シューマン交響曲第4番

    * 千葉フィルハーモニー管弦楽団 の シューマン交響曲第2番


















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