(隊長作)

2008年12月14日(日)  14:00   - 239 -    訪問者数

    京都フィロムジカ管弦楽団  清水史広指揮   びわ湖ホール


     シベリウス   クレルヴォ交響曲


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結構、素通りしている大津市。
音響に優れたびわ湖ホールも、気が付けば
07年末のジルベスター・コンサート以来聴いていない。
08年始めての訪問が、12月とは・・・。

しかしですよ、今回は満を持しての京都フィロムジカ。
半年以上前に発表され、期待に期待を重ねた
クレルヴォ交響曲がいよいよ聴ける。

昨年アイノラ響のクレルヴォと云い、
今回京フィロのクレルヴォと云い、
是非このクレルヴォ連鎖は続いて欲しい。

  フライハイトとか、けいはんな辺りに期待したいのですが、どんなもんですやろ。
  
  十二月と言えばベトベンの第九ですが、敢えて我が隊は無視。
  もうそろそろ、「祝祭的演奏会は第九で!」という発想から、発展的解消して欲しい。   (隊長作)

そりゃベトベン第九は名曲だし、華々しいよ。
  でも合唱付きの大管弦楽は、他にだってある。例えばマーラー復活、
  例えばオルフ「カルミナ・ブラーナ」、例えばショスタコーヴィチ「バビ・ヤール」・・・
  違うか。
  
  さてさて、14時開演だから大津でランチ。
  びわ湖ホールロビー喫茶店のカレーのにほひが素敵だったのですが、
  メニューから無くなっていたっ。
               (隊長作)
  何ぞ無いかと近辺を見渡しますと、ありました!目の前に。
  大ホール真正面に、鹿児島黒豚「わぜ家」を発見。



ビルマンションの2階にあります、ランチの幟(のぼり)もあり、
お昼の料金設定は千円未満が中心で良心的。

私は「豚と茄子の味噌炒め定食」を頼んだんですが、
この味噌炒めが絶品。味噌は味噌でも白味噌を
使っているようで(推測)、ほんのり甘口でまろやか。

名古屋の八丁味噌に慣れていた舌には、
上品で絶妙な味わいに食が進む、ススム。
隊長が頼んだカツカレーも美味しかったそうですが、
こりゃどう見ても白味噌(推測)を使った味噌炒めの方が
アタリ。次回びわ湖ホールに寄った時も、是非ここの
白味噌炒め(推測)は食べたい。
  
  昨年末のアイノラ響でクレルヴォの実演は堪能したんですが、やっぱり
  こういう実演は何度あってもワクワクしますね。クレルヴォがあんなに良い曲なのに、
  有名に成り切れないのは分かっているんです。   (隊長作)

だってそうでしょ、あのシナリオは。

  京フィロのプログラムでは、そこんとこを恐れず、滅茶苦茶つっこんだ
  曲目解説が振るっており、正直驚いた。この曲目解説だけ読んでたら、
  どんなに恐ろしい音楽なのかと思ってしまう。
  
  しかし、その愛情の溢れる解説の深さよ、ほんとにクレルヴォが
  心底好きな御仁に解説されている。
  
  プログラム解説によると、本曲クレルヴォ交響曲はブルックナーの影響を
  受けていて、ゲネラルパウゼ(全休符)が使われているそうだ。
  CDで聴いている分では余り気にならなかったが、言われてみると確かにある。
  たくさん、音の空白地帯がある。意識して聴いたからか?
  今日の演奏はその空白地帯が長めに取っているような気がした。
  

びわ湖ホールからの琵琶湖

京都フィロムジカは関西を代表する精鋭揃い。
今回で3回目の演奏会拝聴なので、このオケが
巧い事は十分分かっている。それでもクレルヴォが、
今少し超難曲である事が伝わってくる。

全員が練習に練習を重ねた痕が
しっかり伝わってくる演奏とも言える。

第1楽章の日本海の荒波を髣髴とさせる
演歌調の旋律も、出色の演奏になって良かった。

  全体に音楽の流れや「うた」を非常に手中に収めており、感情表現は文句なし。
  だが、それ以上に手に負えない難所がクレルヴォには時として立ちあらわれ、
  それを難所と感じさせないまでの演奏はやはり難しいのかな。
  そう考えると、アイノラ響は恐ろしい演奏だった。
  
  合唱も良かった。
  血色の良い肌の面積が多い元青年が多かったが、声が実に若々しい。
  関西のおっちゃんは声の高い人や、声の大きい人、よく透る声を持った人が普通に多いが、
  そういった下地もあるのか合唱のみずみずしさが実に際立っていた。
  
  恥ずかしがらない性質も影響しているんだろう、中途半端に歌う方が結局は
  恥ずかしいって事が分かっている。コール・ダスビダーニャの強烈さも忘れ難いけど、
  今回の合唱団「京都男声合唱団」もクレルヴォと云えば思い出すだろう。   

びわ湖ホールからの琵琶湖

全体のテンポ感は良かったが、メリハリ、
歌う所は抉る様に歌い込んだり、
突っ走るところは捲くし立てたりするのが
私は好きなんだが、そこまで揺らした
演奏にはならなかった。

ひとえに、楽曲そのものが高度だし、
難しにも程があるんだろう。せめてアクセントを
大袈裟につけて欲しかったが、そこまで
求むのはちと酷かなぁ。

  そう考えると、普通レベルからちょっと頭を出した程度のオケが、この曲に手を
  出してしまうともう散々なものになってしまうはず。クレルヴォはもっと普及してほしいけど、
  現実的に考えるとまだまだ先の事になりそうだ。
  
  アンコールに「アンダンテ・フェスティボ」とフィンランディア(合唱付)。
  特に前者は心に染み入る名曲なだけに、クレルヴォの傷だらけの生涯を思うと、
  とても感傷的に心に響いた。


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  *** 過去の 『京都フィロムジカ』 なコンサート感想。

    * 金子建志指揮  伊福部:交響譚詩、マーラー「巨人」(2部からなる交響曲様式による音詩:ハンブルク稿)


    * 池田俊指揮  ニールセン交響曲第1番、ベートーヴェン交響曲第8番 他


  *** シベリウス 『クレルヴォ交響曲』 CD感想。

    * サロネン指揮  ロス・フィル  ヘルシンキ大学合唱団  盤















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