(隊長作)

2008年12月27日(水)  18:30   - 240 -    訪問者数

    名古屋市立大学管弦楽団   角田鋼亮指揮   愛知県芸術劇場


     ウェーバー      「魔弾の射手」序曲
     チャイコフスキー   「白鳥の湖」より 
     ラフマニノフ     交響曲第2番


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最近やけにラフマニノフが人気である。
のだめカンタービレでピアノ協奏曲第2番が
採り上げられた影響も大きいのだろうが、
そもそもロマンティック横溢なラフマニノフは、
青春ど真ん中の若者には実にステキなのだろう。

ラフマニノフと言えばピアノ協奏曲第2番、
一歩踏み込んで同第3番。ところが
交響曲第2番というのが、最近特に大人気だ。

  確認するのも面倒なので記憶だけで書きますが、関西の私大ではこのラフ2が頻繁に
  挙がってるし、名古屋までラフマニノフ大ブームだ。正直そこまでこの曲にのめり込めないので
  首を傾げるばかりの私ですが、傾げてばかりいないで、実際聴いてみようかということになった。
  (隊長作)
むかしむかし、別のオケ友人がこの曲をやる事になり、
彼の車はいつもこの曲が掛かっていたのが笑えた。

  「いやいや、ばかにするものでない。意外と聴き込んだら佳い曲だぜ」
  確かに悪い曲では無いし、キャッチーな旋律も溢れてるけど、
  四六時中聴きたくなるような曲かなぁ・・・、当時はそう思った。
  
  今回実演に接するにあたり、我々が欠かしてはならないのが予習。
  天才でも秀才でも無い人間は、絶えず努力が必要。
  ラフマニノフとは言え、やっぱり彼の音楽も天才的だ。
  聴けば聴くほど深い意味も見えてくるかもしれない。三回聴いて実演に臨むより、
  十回聴き込んだ方がすんなり心に入ってくる。五回くらいしか予習できなかったが。
  
  
  いざ実演に接して。
  彼らのラフマニノフへの愛情と云いますか思い入れといいますか、いやはや凄いですね。
  こんなに難解な楽曲を、こうまで咀嚼して演奏出来るんなら、プロコフィエフだって
  ニールセンだって可能なんじゃないの?と思うほど。
  (隊長作)
プロコやニールセンにはここまで愛情は持てないのかなぁ。
恐るべし、ラフマニノフ。
  
  ちなみにラフマニノフの交響曲第1番って知ってます?
  ラフマニノフが作曲家生命をかけた乾坤一擲大勝負の大作で、
  酔っ払い指揮者と練習不足オケによってズダボロに初演されてしまい、
  ラフマニノフは精神が崩れてしまいます。

  しかし今になってこの第1番を真正面から取り組んだ演奏を
  聴いてみますと、実に凄いんですねぇ。そりゃ確かに初演は
  大失敗になるわな、と思わずにいられない頭でっかち尻すぼみ。
  大鉈振りかざしてヨロヨロとよろめいてしまうような奇天烈音楽。

  もしこの第1番が正統以上の評価を得ていたら、第2番は
  きっとヘンテコな音楽になっていたでしょう。

  しかし或る意味、大傑作でして、第2番が好きになれない人は是非どうぞ。
  

名古屋は名古屋大学が権威ある学校
なんですが、ここ名市大も凄い観客。
3階席まで満遍なく客席は埋まり、
見事なお客さんの数々。

名古屋の大学オケを総ナメにしようと
している角田の指揮は今回も冴え、
どういった収攬術を使うのか学生の
ハートをガッチリ。

  この人の指揮練習はきっと面白いのでしょう。
  指揮者に心掴まれた学生オケほど怖いものはなく、ちっと素直すぎる演奏が
  時にはアダだったかも。
  
  まあまあ、しかし角田の指揮は今回も良く、難しい箇所も敢えてテンポを
  落とさず一気に攻める。これは返って演奏の傷口が広がらず、
  聴くものにも若者らしさの清々しさを感じさせる。
  
  難しい箇所を急に安全運転する指揮者は愚の骨頂、難しいところほど
  スパッと駆け抜けた方が、たとえ演奏はヘタってても結果オーライだと思う。
  
  そこら辺の些事加減が上手いから角田の指揮が格好良く聴こえるのかもしれない。
  こういった度胸振りは天賦のものかもしれない。
  

あと、何度も思ったのは、この
交響曲第2番にピアノが入ってくると
もっと良いんですけど・・・という思い。
(隊長作)

実際これを編曲し、ピアノ協奏曲第5番
(交響曲第2番のピアノ協奏曲化)
としてCD化もされてます。


  しかし全編ピアノ中心でっていう感じではないんですよね、
  時折ここぞ!という所でピアノがメロディを口ずさむ程度の方がいいんです。
  そんくらいなら返って相乗効果も上がると思うんですよね、ラフマニノフは
  不満でしょうけど。


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  *** 過去の 『名古屋市立大学管弦楽団』 なコンサート感想。

    * 山田和樹指揮  シューマン 交響曲第1番「春」 他

















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