(隊長作)

2009年1月12日(月祝)  13:30   - 243 -    訪問者数

     オストメール・フィルハーモニカー  角田鋼亮指揮
     カミヤトシエ・バレエ学園
     愛知県芸術劇場 大ホール


     プロコフィエフ   バレエ「シンデレラ」全曲

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愛知県芸術劇場

名古屋と云えばココばかり、
愛知県芸術劇場。

ただし今回はいつものコンサートホールでなく、
大ホールで御座います。

え?コンサートホールと大ホールって
別なの?と思う東京の方は
いらっしゃるかもしれません。

  東京芸術劇場のメインホールは大ホールですもんね。
  しかしここ愛知は、コンサートホール(1,800席)とは別に、大ホール(2,500席)が存在し、
  更に小ホール(300席)や愛知県美術館やアートライブラリーを併設し、
  地上12階地下5階という巨大ハコモノなのだ。
  
  お恥ずかしながら、大ホール入場は今回が初めて。
  愛知県芸術劇場31回目突撃にして、ようやくの大ホール入場です。
  (隊長作)

その前に、腹ごしらえ。
  実はネットで下調べしていたお店が、2店舗も消滅。
  いくら栄枯盛衰の激しい名古屋・栄地区とは云え、2つ続けて無くなっていては、
  少々白けてしまう。
  
  どうしようかとウロウロ歩いていたら、気になる立て看板が。   

この時は立て看板に惹かれただけだったんですが、
これが思わぬ拾い物。

ネット検索していても、ヘタに下調べしていたら
候補に挙がらなかったと思う。

ここはアパホテル名古屋錦2階のコーヒーハウス「リエール」。
ランチが実にお値打ちで、わたしの食べたサービスランチは
この量で千円。豚の角煮風グリルがメインで、スープ、
ホテルブレッド、コーヒー、デザート、サラダ、クッキー。
  

  多分ここは穴場でしょう。ガラガラ。

  ガラガラだからこそ超お値打ちメニューで価格破壊してるんでしょうが、
  ホテルの飲食店というだけで敷居が高くなっているのか。   

たった千円でこれだけ食べれて、
しかも旨い。そして店内は
静かで落ち着いていてガラガラ。

いやぁ申し訳無いくらい、
千円ランチを満喫。
多分リピートするでしょう。(隊長作)


  さてさて、今日はお楽しみのプロコ。
  「シンデレラ」は、かつて金子健志指揮千葉フィルの仰天演奏を聴いて以来。
  あの時計十二時の「カッポン!カッポン!」の強烈さが忘れられません。
    
  金子健志指揮千葉フィル「シンデレラ」感想(2006.08.20)
  http://rede200402.hp.infoseek.co.jp/dai7/dai121.html
  
  
  今回のバレエ「シンデレラ」は、全3幕全50曲を完全版日本初演。
  愛知県切っての名門東海学園のOBからなるアマオケが演奏を受け持ち、
  カミヤトシエ・バレエ学園がバレエを演じる。

  アマチュアによって、ここまで大掛かりな日本初演が行われようとは、
  実に名古屋は文化的最先端を行っている。
  なにくそと思われた方は、オストメールに負けずに、
  プロコのバレエ「放蕩息子」でも演奏してみて下さい。
  凄くいい曲なのに、全く演奏されないんだよな。
  
  さてさて、プロコ「シンデレラ」の完全版日本初演、いかがだったでしょうか。
  オストメールは昨年マーラー第6番をやるようなオケでして、
  上手いとか下手とかの次元の話ではありません。
  そこんとこをよく、ご考慮頂いて、読み進んで下さい。
  
  どうしても昨年のマラ6を思い起こして聴いてしまうんですが、
  全50曲というコマ切れ状態で演奏するせいもあり、音楽的集中力というか
  持続力と申しましょうか、そういう点ではかなり不利な状況。

  また、超難易度な楽曲もあれば骨休めの曲もある。
  素晴らしい旋律やアイデアに溢れたナンバーが多いのですが、
  組曲には入らないだろうなという駄曲もチラホラ。
  とにかくそういった全てを一切合財包み込んで料理するわけですから、
  指揮者も奏者もダンサーも大変。
  (隊長作)

ダンサーといえば、これはバレエ音楽。
  バレエが華麗に踊れてこそ伴奏音楽となる。
  そのため音楽的にはもっともっと超高速で攻め立てた方がワクワクする
  シーンでも、ダンサーの踊りに寄り添った演奏が必要となって来る。
  ここら辺が昨年の純粋器楽曲(マーラー第6番)とは、大きく異なる点。
  
  さらにマーラーとプロコフィエフ。
  両曲を演奏された団員さんはどう思われたか分かりませんが、
  プロコフィエフの方がナンバーによっては厄介な曲が多かったんではないでしょうか。

  プロコが好きで好きで堪らない人にとっては苦になら無い節回しもあろうけど、
  プロコにあまり馴染みにない人にとっては、プロコ独特のクセは
  厄介だったのではないでしょうか。
  19世紀音楽と20世紀音楽という対比も出来ますしね。
  

実演を目で観て面白かったこと。
この「シンデレラ」には、第43曲「東洋」がある。
なんで東洋(オリエンタル)なんかあるのかなぁ
と思ってたんですが、王子が靴の主を探して
東洋まで探し回ってたんですね。

あと、妖精が出てくるんですが、
これも我々が知っている「魔法使いの
おばあさん」の代わりだったんですね。

  魔法使いのおばあさんでは、華麗にバレエをするわけにも行かない。
  そこで妖精を登場させて、シンデレラに魔法をかける役割とする。
  実演のバレエを観て、なるほどなぁと思ったシーンでした。
  
  しかしそれにしても、全50曲という長さには、お疲れ様と言いたい。
  演奏するほうも、それを聴く方も、(プロコ・マニアを除けば)
  3時間以上のバレエはかなり疲れたし大変だったでしょう。

  50曲ともなると力点を入れて練習した楽曲もあれば、流してしまった楽曲もあったはず。
  プロコフィエフはどんな楽曲にも意地悪な音程が紛れ込んでるから、
  流した楽曲がそれとなく分かってしまったりして。
  
  まぁ、そうは言っても実演してしまったパワーと実行力は脱帽。
  実際、企画は出来ても、実演・成功まで持ち込める楽団&バレエ団は
  日本にはいなかったわけですから。   (隊長作)

これに懲りず、近いうちにまた、日本初演完全版をやって欲しいです。


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  *** 過去の 『プロコフィエフ』 なバレエ感想。

    * トゥイナー指揮 東京フィル 新国立劇場 / プロコフィエフ バレエ「ロメオとジュリエット」


















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