(隊長作)

2009年2月7日(土)  13:30   - 247 -    訪問者数

     立命館大学交響楽団  大房誉指揮
     長岡京記念文化会館


     L・アンダーソン     ルロイ・アンダーソン・フェイバリッツ
     チャイコフスキー     弦楽セレナード第4楽章
     山澤洋之        月迷宮/犬神
     ダンツィ          木管五重奏曲
     ヤンヴァンデルロースト  カンタベリコラール
     ショスタコーヴィチ     交響曲第5番

  sonsonsonsonsonsonsonsonsonsonsonsonsonsonsonsonsonsonsonsonsonsonson
  
  今回のようなフェアウェル・コンサート、さよならコンサートと云うのは、
  関西私大独特な演奏会のようで、卒業間近の残り少ない学生生活を
  オケに費やしてしまうという、実になんと申しましょうか、   (隊長作)

見上げた学生オケの鑑みたいな演奏会。
  
  自分の学生時代と比べてみるに、冬(12〜1月)に定演が終われば、
  あとはひたすらバイトに励む無味乾燥なモラトリアム生活だった。
  理系で院に進むゆえ実験研究に明け暮れている人や、医薬科系(6年生)、
  卒論が土壇場まで往生してしまっている人もいたが、多くは残り数ヶ月の
  社会人になるまでの猶予期間。

  卒業旅行を繰り返したり、私みたいにバイトに明け暮れたり、
  今考えると勿体無い使い方をしていた人がほとんどだった。
  いま、自分に3ヶ月ほど休暇が与えられたら、何をするかなぁ?
  
  そんな中、旅行とかバイトでなく、敢えてフェアウェル・コンサートを選んだ。
  伝統行事ゆえに、選択も何も無かったのかもしれないが、大きな人生の中では
  幾ばくかの金を得るためのバイトだとか、行っても行かなくていいような
  卒業旅行なんぞに貴重な時間を使うより、あとあと思い返してみれば
  コンサート実現に時間を割いたほうが余程有意義だと実感するはずだ。
  各人様々な思いをのせてコンサートは開かれるんだろうが、
  良い伝統行事だなと感じずにいられない。
  

アマオケ・コンサートの殿堂、
長岡京記念文化会館。

もう何十回も来たような既視感を
抱かせる文化会館。でも来たのはまだ
3回目。

子供の頃に来ているのかも
しれない。

  南には長岡天満宮と手頃な池があり、ほとりの梅はチラホラ咲いている。

ラジコンで船を泳がせている人なんかがおり、
心底やってみたいと思う。子供の頃、
ラジコンの戦車とか戦艦大和とか、
欲しかったんだよね。

今なら買えない値段でも無いのに、
どうして実際買ってみないんだろう。
欲しいと思うだけで、買って遊ぼう
とまでは思えない。

  歳を取ったんだな。
  そう考えると、実際にラジコン船で楽しんでいるおっちゃんは、
  いつまでも純真な心を持ち続けてるんだなと、感心する。
  
  立命館のフェアウェル・コンサートは、お楽しみ企画とでも云えようか。
  実際鑑賞して、大きく異なる三部構成のため飽きが来ず、   (隊長作)

次はどんな曲かな?
  と楽しんで聴くうちにメイン曲になった。

  特に第二部のアンサンブル部門。
  弦楽器、打楽器、木管楽器、金管楽器。
  それぞれが個性を生かした演奏に取り組んでおり、打楽器なんぞかなり
  ハイレベルな演奏だった。楽曲そのものも聴いた事の無い現代音楽で、
  実に面白い。
  (隊長作)

冒頭のアンダーソンは、まさにブラス。
  ブラス上がりの、ブラスが大好きな団員がチョイスしたのかなぁ。
  学生生活最後は、やっぱりブラスチックに締めたいと選んだのか。
  こういうのもたまに聴くと、面白い。
  吹奏楽というか、ライト雰囲気なクラシックというか、聴き慣れていない
  世界なので、良し悪し不明。きっと良いとか悪いとか、
  そういう括りで考える音楽ではないのだろう。
  
  (隊長作)

打楽器アンサンブル。四人。
  現代音楽っぽくて、これがもっとも面白かった。
  木琴が非常にうまい。
  鉄琴やらティンパニやら・・・その他モロモロ。
  よくハズさず出来るな、これだけ複雑な曲芸みたいな連続を。
  これだけ上手い打楽器だったからこそ、ハルサイをやったのでしょう。
  第百回定演に行けなかったのが、あらためて残念に思う。
  

関西独特で面白いのは、演奏会の合い間に
必ずと言っていいほど、トークが入ること。
これは東京では滅多にありません、
というか限りなく無い。

それが関西の老舗オケや名門私大なんかだと、
しょっちゅう出てくるんですよね。
挨拶したがる偉いさんが。

しかもそこそこ面白いしゃべりで、さすが関西。
ところが今回の演奏会はなかった、あれれ?


  さて、いよいよショスタコ。
  限られた時間内でショスタコを仕上げるというのは、さぞかし大変だったでしょう。
  しかしストラヴィンスキー「春の祭典」を敢行したメンバーだけあって、
  大まかでは上々の出来。

  ホルン・ソロの高音はプロオケでもハラハラする所ですから、
  それよりもホルン斉奏が良い響きだったことに感動。
  座ったシートの関係か、ホルンが直撃する場所のようで、少し変な
  ショスタコになってしまったが、ホルンの動きが鮮明に聴こえるタコ5となり、
  面白かった。
  
  タコは各パート・ソロが意外と多い。
  フルート、クラリネット、ヴァイオリン・コンマス等、誰も彼も皆上手い。
  第1楽章などは少し元気が感じられなく不安だったが、
  後半の爆音部分から火が点いた。弦などが特に弱く感じられ
  残念だったが、第3楽章の燃え上がりから大いに鳴り出しホっとする。
  
  
  いつもならショスタコを聴きに行った演奏会、という思い出になるのだが、
  今回は第二部のアンサンブル・コーナーが不思議と新鮮で、全体として
  とても面白かったなぁといった感想になった。
  こういう構成なら、来年も聴きに来たいです。
  やっぱり私は、あまり自分が知らない楽曲、しかし良い曲を、
  聴かせて貰うと満足する性質のようです。


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  *** 過去の 『学生オケのタコ5』 コンサート感想。

    * 桐朋学園オーケストラ  尾高忠明指揮

    * 信州大学交響楽団  桜井優徳指揮


















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