(隊長作)

2009年2月15日(土)  14:00   - 249 -    訪問者数

     オーケストラ・ダスビダーニャ  長田雅人指揮
     東京芸術劇場

     ショスタコーヴィチ   オラトリオ「森の歌」
     ショスタコーヴィチ   交響曲第10番

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漫画が好きなんだけど、「味いちもんめ」って知ってる?
途中原作者死去のため「新・味いちもんめ」として
再開して現在も続いている和食料理人の地味ストーリー。

最初の頃は主人公が生意気、中盤になると
模範生的な行動に鼻が突くが、最近は円くなって来た。

何だかんだ言いながら、ズゥーッと読んでいる。
なぜなら、私は和食が大好きだから。

  グルメなくせして胃が弱い。むかしスイスに旅行に行ったとき(ザンデルリンクを聴いたんだ♪)、
  (隊長作)
生まれて初めてチーズフォンデュを食べた。
恐ろしいほど旨いので、腹一杯食べた。

  ところが夜、胃酸過多になってしまい、終夜胸がムカムカで眠れなかった。
  
  きっとアレがターニングポイントだったんだろう。
  それ以来、食べ過ぎ・消化の悪い物には胃酸過多になってしまう。
  腹一杯食べたいのに!
  
  美味しいもの大好きな私にとって、ベストマッチングなのが「和食」。
  消化に良くて野菜が多く、魚も多い。
  美味しければ野菜だって魚だって、別に肉には拘らない。
  和食は分量が程々だが、値が張るのが最大の欠点。

  そんな私だから、「和食」の美味しくて安い店探しは、永遠の課題だ。
  しかし東京にいた頃、数少ない、おメガネに適った和食店があった。
  それが今回東京遊びした折りに寄った、旬亭「よこ田」。
  

今にして思えば、どういう経緯で見つけたのか
憶えて無いんだが、見つけてからは
毎月のように「ランチ」に出掛けた。

お店には申し訳無いのだが、
「ランチ」が超お得なのだ。
千円で、実に旨いもんを喰わせる。

そうだなぁ、多分この店は三十回以上は
行った上での判断だから、間違いないと思う。

  ネックは駅から遠い事。マイカーがある人はいいけどね。
  
  どんな風に旨いかと言うと、何と言っても西京漬けや粕漬け味噌漬けの
  焼き魚が旨い。煮魚定食や賄い膳定食も捨て難いが、
  鰆の西京漬け焼きなんかがあったら間違いなくそれにすべし。   

京都でこのお味だと、
三千円くらい取られる旨さだ。

場所は西武新宿線井荻駅から
北へ十分くらい。
洋服の青山の北向かい。

(隊長作)


  さてさて、そんな旨くて懐かしいお店に寄った今回の東京。
  東京から離れてもう数年が経つが、厳しい家計を遣り繰りして
  今回の東京訪問は十二回目。

  東京にいた頃はなんとも思わなかったけど、今にしてみれば贅沢な
  クラシック・コンサート大量消費メトロポリタン。
  毎日選び切れないほどコンサートが催され、無数の団体や奏者が凌ぎを削る。
  都民はその中から選り取り見取りで、演奏会を漫然とチョイスすればいい。
  
  気が向かなければ行かなくったって、無くなるもんでも無い。
  ところが地方都市はそうはいかない。
  京阪神や名古屋ならそうでもないが、大都市圏からちょっと離れた地域は
  一ヵ月に一度、オーケストラ・コンサートがあれば良い方だろう。
  ○○市民オケが唯一のオーケストラ演奏会、という都市だってザラにある。
  
  結局こうやって十回も東京に遊びに来てしまうのも、
  演奏会のヴァラエティ豊富さと、選曲の妙。
  名古屋はブルックナー管やワーグナー管があって元気だけど、
  今回のショスタコ専門オケやシベリウス専門オケは、東京でこそ花開いた文化だと思う。
  

東京芸術劇場

このメルマガで紹介する演奏会も今回で5回目、
オーケストラ・ダスビダーニャ。

アマオケに何らか関わりがあったり、
愛聴している人なら、いい加減そろそろ
実演に接してないとモグリだぞ。

しかしダスビの演奏会も有名になったようで、
実に盛況。

  みなさん、今年の演奏はどうかなぁ?といった雰囲気が出てきて、
  ダスビ演奏会もすっかり2月の恒例行事になってきた。
  ショスタコ・ファンとしては、こんな感涙ものの時代がやって来ようとは・・・。
  
  何年もダスビに通っていると、このオケには「波」がある事が分かる。
  1・2回しか聴いていない人には度迫力ブッタマゲ演奏だが、
  毎年楽しみに聴きに来ているヲタクの耳はちと厳しい。

  ダスビ内部でどのような練習や盛り上がりを経てクライマックス(演奏会)
  を迎えているか興味あるところだが、昨年の第11番は凄まじかった。
  どうしてあれほどテンションが高くなり過ぎたのか、今もってしても
  感心してしまうが、きっと団内でいろんな事が起こって集中力が頂点に
  高まったところで演奏会当日を迎えてしまったんでしょう。
  (隊長作)

さて、今回はどうか?
  オラトリオ「森の歌」という現代では珍しいプログラムと、
  ショスタコ切っての人気曲第10番。
  大名演を予感させるプログラムだ。
  しかし私を含めて、多くのショスタキストは不安を感じていたと思う。
  「名曲路線すぎやしないか?」
  
  ダスビ・メンバーは、世にショスタコを知らしめるべく誕生した。
  彼らは「こんな素晴らしい楽曲がありますよ〜!」という使命感に燃えて、立ち上がった。
  
  ところがその誕生から、もう16年(楽団設立時から数えるともっと多い)。
  今やショスタコは有名になりすぎた。
  いやいや、こんな程度ではまだまだ有名じゃないですよ、という声も聞こえる。
  しかし今やマーラー、ブルックナー、ショスタコーヴィチと言えるほど、
  ショスタコの演奏会は安定的に開催されている。
  
  問題は番号だ。
  途轍もない解釈を引っ提げた第5番なら聴いてみたいが、   (隊長作)

もう第5番を聴く段階ではないだろう。
  多くのショスタコ・ファンにとって、第7番や第10番は掛け替えの無い
  ナンバーではあるが、もう時代は追いついてしまった。
  時代の先を走ってきたダスビが、時代と共に歩み始めた事になる。
  
  数年ぶりにダスビを聴いた隊長は、今回の演奏も数年前聴いた演奏と
  変わらず素晴らしかった、と絶賛の姿勢を崩さない。
  しかし私は、あの第11番演奏や、むかしの「ステンカ・ラージン」、
  伝説的となっている第4番(これは聴いていない)を前提に聴いてしまう
  と、どうにも残念だが、今年は私のハートは盛り上がらなかった。
  

東京芸術劇場

ダスビは目的を以って
設立された団体だ。

だからショスタコという呪縛を
解く訳にもいか無いのだろうが、
一度くらいショスタコ以外のプログラムで
リフレッシュしてもいいのかもしれない。


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  *** 去年の 『ダスビ』 なコンサート感想。

    * ショスタコーヴィチ 交響曲第9番&第11番


















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