(隊長作)

2009年3月14日(土)  18:30   - 253 -    訪問者数

     大阪市民管弦楽団  新通英洋指揮
     ザ・シンフォニー・ホール

     芥川也寸志       交響管弦楽のための音楽
     伊福部昭        交響譚詩
     ショスタコービッチ   交響曲第5番

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ショスタコと芥川、伊福部と
うまく組み合わせたプログラムに惹かれ、
ショスタコ5番はベタな選曲ですが
行ってみました。

耳にタコが出来るくらいタコ5は
聴きましたが、たまに聴くと
面白いんですよね。

(隊長作)

  現代音楽における日本作曲界では、どういう勢力争いが行われているのか
  知りませんが、未だに武満徹(たけみつとおる)を神格化しようと
  躍起になっている動きを感じます。しかし世論は附いて来ていないと思う。
  それより今回の芥川とか伊福部の方が、より能動的に聴衆はなびいている。
  
  正直、私はタケミツのどこが良いのか解からないんです。
  よく解からないし、解からないなりにもその先に何か光るものを感じれば
  聴き続けるんですが、それも感じない。
  
  その点、芥川や伊福部は直ぐ解かる。
  これは逆説的に云えば底が浅いとも云えるんですが、
  もう十数年聴いていますがそれほど底は浅く無い。

  芥川なんかショスタコやプロコの焼き直しだとも言い切る人も
  多いでしょうが、あそこまで明確に恥じる事も無く憧れを持って歌っていると、
  爽快感を感じます。

  大好きな作曲家に影響を受けた自分を、まったく隠さない。
  赤裸々なだけでなく、そこそこ旋律もいいし、想いが熱い。
  伝わってくる。
  非常に音楽として大切な芯を持ち合わせてる、と思うんですね。
  
  伊福部は一貫したポリシーがある。
  オスティナートという技法、頑固な執拗反復に拘り過ぎてるのが残念ですが、
  ブルックナーからミニマム音楽への中継点と考えれば、こういう人も
  アリだったのでしょう。

  それよりも彼の音楽は攻撃的だし、メロディが明確にある。
  メロディを明確に全面に押し出すというのは、今の現代音楽作曲家の
  もっとも忌み嫌い恐れている事。
  なぜなら、良いメロディが書けないから。

  その点、芥川や伊福部は作曲家として最低限必要な、
  上質なメロディを産み出す力は備えている。
  難しい理論や技法も必要かもしれないけど、メロディが書けないくせに
  作曲には参加しない方がいい。
  そう今の作曲家たちには言いたいし、
  (隊長作)

書いても残らないよ、と言いたい。
  

久しぶりに来た
ザ・シンフォニーホールですが、
関西人が自慢するだけあって
音響は文句無い。

東京の人々も、東京文化会館や
サントリーホールばっかり
行ってないで、機会があれば
ザ・シンフォニーホールに行くべし。
少しレトロな感じがこれまた良い。

  今回のオケは大阪市民管弦楽団、コテコテの楽団名ですが、
  演奏はどうでしょう。

  弦楽器と木管は非常に上手いが、各パートによる差があるようだ。
  また、最大音量(マックス)が今一つ伸びないのも首を傾げた。
  ホールはザ・シンフォニーなんで、音が来ないとも考えられないので、
  思いっきりとか吹っ切れ感が弱かったのか。

  打楽器は、ショスタコの終楽章にクライマックスを迎えれたのでホッとしたけど、
  別にそれまでにだって大爆音を何度もかましたって全然OKだと思います。
  
  第3楽章の嘆き節は良い演奏だったが、チェロの高音が全体に呑み込まれて埋没。
  この辺の音量バランス・チェックを徹底されると、練習した甲斐も上がるでしょうから、
  そこら辺が残念だった。

  3階やステージ後背(P席)、ステージ横後部は閉鎖。
  それ以外は95%の大入りで、人気楽団なんだと思う。
  アンコールは珍しい曲で、ショスタコーヴィチの「抒情的ワルツ」(バレエ組曲第1番第1曲)。


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  *** 過去の 『芥川、伊福部』 なコンサート感想。

    * 関西フィルハーモニー管弦楽団 飯森泰次郎指揮

    * オーケストラ・エレティール 新田ユリ指揮

    * 京都フィロムジカ管弦楽団 金子建志指揮

    * 六甲フィルハーモニー管弦楽団 松井真之介、森康一指揮

    * 新交響楽団 小松一彦指揮
















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