(隊長作)

2009年3月21日(日)  18:00   - 255 -    訪問者数

     ユーゲント・フィルハーモニカー  田中一嘉指揮
     めぐろパーシモン


     ワーグナー    楽劇「マイスタージンガー」第1幕への前奏曲
     ベートーヴェン  交響曲第8番
     ブラームス    交響曲第4番

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古川橋駅と都立大学駅

  前日大阪、今日東京、これが仕事だったらバリバリ・ビジネスマン。
  そうだったら格好良いのだが、アマオケ求めて西へ東へ、我ながら奇矯だ。
  
  実はこの日、スクロヴァ&読響を聴くべく東京行きを計画したんだが、
  チケットはソールドアウト。東京の音楽好きは判ってるね、
  高齢著しいスクロヴァ翁、元気なうちにどんどん聴いとくべきだよ。
  
  ちなみにスクロヴァ読響のコンサートは、9月30日のショスタコ11番が目玉。
  こいつは絶対当たるよ。でも演奏日は9月末日、しかも平日。
  私は行く事は出来ません・・・。
  (隊長作)

東京に行こう♪
  と思ったモヤモヤは収まらず、何か無いかと探して当てたのが、
  ユーゲント・フィル。読響プログラムと同じブラームスの第4番
  というのも気に入ったし、中プロにベト8を押し込んでいるのも頼もしい。
  
  ちなみにベト8はギーレン盤が良い。
  火のような演奏、パーヴォ・ヤルヴィ盤も未聴なら、これも良い。
  

めぐろパーシモン

さてさて、今回のユーゲント・フィル。
HPを見ると、高校生選抜オケが巣立って
アマオケ立ち上げた、と面白い設立経緯。

めぐろパーシモン・ホールは昔一度
行ったきりで、懐かしさも手伝って
都立大学前駅までやって来た。
(隊長作)

  マイスタージンガー。金管が・・・、音色・音程・和声、どれもあとちょっと。
  弦がカッチリした実力集団な上に、木管・ホルン・打楽器と、
  どこを取っても不足を感じないだけに、金管が目立ってしまう。

  逆に金管を鍛え上げれば、凄腕集団に変貌する可能性を秘めていると云える。
  若い楽団だから、将来性が大いにある、とも云える。
  多分今年の演奏と来年の演奏は、全然違うものになっていくパターン、
  ではないかしら。
  
  ベト8。
  第1楽章ラストで「パッパッパ」と管が相槌する箇所があるんですが、
  そんな些細な箇所でも金管が目立つ。
  意気投合した仲間たちにより結成されたオケなんだから、   (隊長作)

その仲間たちで音楽を創り上げてゆく事にこそ意義がある。
  それだけに、大切なそのメンバーでどうすれば良い音楽が造れるか、追求すればいい。

  私の学生オケ時代は、一人一人が合奏から抜け出して、演奏を聴いていましたねぇ。
  客観的に自分達の合奏を聴いてみると、すごくアラが判るんですよね。
  自分のアラって気付かないけど、人のアラってすぐ気付くんだから、人間って嫌な奴。
  
  細かいミスと言うより、パート間の音量バランスや、
  いかにデュナーミクが乏しいか、リズムか甘いか。
  指揮者が大袈裟なまでに怒っていた理由が、ホロホロと判ったもんです。
  
  年を取るにつれショスタコやプロコへの愛が益々深まってきてるんですが、
  若いころ反発したベートーヴェンだけは流石に認めざるを得ない心境になってきた。

  第8番はベートーヴェンの中でも穴場的ナンバーですが、
  わたしは第6番や第7番より好きです。一番好きなのは第4番ですから、
  奇数派より偶数派ですね、第2番も好きですし。
  第8番はリズムに乗り、丁々発止と音の間を駆け巡る喜び。
  
  ベト8は演奏時間がコンパクトだし楽譜面も手頃だから中プロとして愛用されているが、
  やはりベートーヴェンの第九前の交響曲だけあって、十分な下拵えを施すと
  素晴らしい名演になる。   

めぐろパーシモン案内図

ベタ塗り演奏は厳禁で、楽曲の
雰囲気とは違うかもしれないが
透明感のある演奏が良いと思う。

透明感を出すにはアインザッツ、
ハーモニーの徹底した合致に尽きるわけで、
そうした基礎が完璧な演奏ほど
究極の演奏にも繋がっている。

それが可能になれば、ベトベンが
第8番にしてますます深化させた対旋律や
対位法の妙味も活きてくる。

表層(主旋律)と下層(低弦)の間を
流れる副線(セカンドやヴィオラ)が絶妙で、
ここが味わい深いほど演奏の滋味も増す。

  まさに玄人好みされるような、真の意味で難曲だと言える。
  それを美しく、かつダイナミックに演奏してしまおうとするのは大変な事で、
  この曲の持つ荒々しい勢いに呑み込まれた演奏が多く、
  それは単調な凡演でしかない。
  
  また、テンポの取り方も重要。
  何せ昔の音楽だし、正直メロディは少し野暮ったい。
  それをオシャレに着こなすには颯爽としたテンポに乗せて、
  優雅に軽やかに流れていってもらわないと。

  フツウにやるとボテボテしてしまうこの音楽は、頭の中のイメージの120%速度で
  テンポアップすると、駆け抜ける疾走感が出てきて格好良いのだ。
  
  だからこそ、私は第8番はそう簡単に採り上げられたって困るのに、と
  思ってしまう。調理次第で楽曲価値がこうも変わってしまうだけに、
  本当はここぞという出番で使うべき一曲だと思うんですが、
  みなさんはどう思われますか?
  

めぐろパーシモン

ブラ4。
終楽章でフルートが素晴らしい事に気付く。
よくよく聴くと、本当に魂を込めて
吹いてらっしゃることが判る。

このオケではフルートの音色や演奏姿勢が
浮き立っているが、これは決して
浮いていて良い訳はなく、他のパートも
フルートに付いて来なければいけない、と思う。

  こういったフルートのような魂が全楽団員に飛び火したら、熱い演奏になるだろう。
  成長過程の楽団、今後の進化に期待したい。



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  *** 過去の 『ベト8』 がらみなコンサート感想。

    * 京都フィロムジカ管弦楽団 / ニールセン交響曲第1番 & ベートーヴェン交響曲第8番

    * 福井交響楽団 / ベートーヴェン交響曲第8番 & ホルスト組曲「惑星」

    * 名古屋ブルックナー管弦楽団 / ベートーヴェン交響曲第8番 & ブルックナー交響曲第2番

    * 岩城宏之指揮 N響メンバー達による管弦楽団 / ベートーヴェン交響曲全曲演奏会
       この時、岩城さんは『第8番が最も心惹かれる』 と言っていた。↑
















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