(隊長作)

2009年5月17日(日)  14:00   - 263 -    訪問者数

     伊勢管弦楽団   大谷正人指揮
     伊勢市観光文化会館

     ドヴォルザーク  交響曲第8番
     マーラー     交響曲第1番「巨人」

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  お伊勢さんに行ったのは、いつ以来だろう。
  桑名はよく行っているが、やはり伊勢(神宮)は遠い。
  機会があれば志摩や尾鷲にも行ってみたいが、
  泊まりになるだろうし、そもそも演奏会が見つからない。
  和歌山も一度は行ってみたいが、なかなかネ。   

宇治山田駅の窓

伊勢と云えば伊勢神宮だが、
ギリギリで着いたので参拝できず。

マイカーの車窓から、お伊勢さんの
入口を眺めるに留める。
将来、もったいないことしてたなぁ
と思うんだろうな。

伊勢の名物と云えば、赤福、
伊勢うどん、手こね寿司。

  折角伊勢市の中心街に来たんだから、何かネタになるものを食べようよ、
  と、三十分以上駅前をグルグル歩くが、これといったものなし。

  大きくて、小奇麗で、名物セット(赤福、伊勢うどん、手こね寿司)を
  980円とかで出すお店があったら飛び込むんだけど。
  結局、駅前の和食屋で天丼を喰うのだが、関西の天丼は関東と大いに違う、
  ようだ。
  
  わたし(隊員)は関西出身者だからお汁びちょびちょの天丼には慣れてるが、
  関東はカリッと揚げた天ぷらに濃い目の汁をサッとかけたものが多い。
  (隊長作)
伊勢の天丼も案の定、お汁たっぷりのべっちょべちょ。
お汁が天ぷらに染み込んで美味しいなぁ、と思うのは関西人ならでは。

  天丼大好きな隊長は江戸っ子、大いに不服のようで、
  大好きな天丼を憮然として喰らう。
  天丼を食べてんのに、機嫌の悪い隊長を初めて見た♪
  

  今回は元気溌剌!!爆演が期待できる伊勢管。
  ここは昨年5月、情熱の嵐のようなブラ3を聴いて、
  ココなら遠くても聴きに来る価値あり、と思ったのだ。
  

宇治山田駅の電気

しかも今回は、ドヴォルザークと
マーラーというWメイン。
さすがマラ8をやったオケだけはある。

この地域の演奏家人口を考慮すれば、
マーラーの、しかも8番を
やってしまったというのは、
もう快挙としかいいようがない。

今年はマーラー1番だったが、
来年は凄いプログラムになる可能性を感じる。

  ココのHPをくまなく見て回ると、とんでもない練習計画が載ってるんよね。
  
  
  東京から名古屋までは滅多に無いこと、開演前のスピーチとかトーク。
  しかし関西の演奏会って、やたらスピーチ&トーク、
  もしくは楽曲解説や御挨拶なんかが多い。

  うざいなと思うなかれ、なかなかトークが上手いのだ。
  さすが喋りの関西人、人前でこそ本領発揮するんだろうか。

  伊勢管も凝った楽曲解説がありました。
  ピアノ演奏付きで、各フレーズをやるんですよ。
  マーラー交響曲のピアノ版なんかが聴けて、MIDIで
  管弦楽曲ピアノ版を打ち込んでる隊長なんて目がキラキラ。   

確かにマーラーのピアノ版なんて、
聴けそうで聴けないもんね。

やってる方々はそういう意図では
無かったんでしょうが、我々としては
いっそ「巨人」全曲ピアノ版演奏も
やってみて欲しかった。 (隊長作)


  「展覧会の絵」なんかだとピアノ版とオケ版の並列プログラムがあるもんね、ときどき。
  
  こうやってサワリの旋律がどういう意味をもってるのか解説してくれると、
  初心者さんは解かり易いだろうね。数え切れないほど聴き込んだマニアだって、
  逆に新鮮で変種を味わった感があった。
  
  マーラー終楽章冒頭なんて、グランドピアノの迫力で演奏されると、
  これはこれで十分カッコイイ。
  
  このホール、伊勢市観光文化会館は名前も見た目も随分な状態だが、
  古いだけあって音響はナカナカなもん。
  響きは適度だし、やたら響き過ぎない事こそが良い。
  それでいて弦は美しく響くし、低音もよく出る。

  響きすぎによる細かなパッセージが埋没する事もなく、
  東京で云えば東京文化会館のよう(ベタボメ)。   

きっと地元の人たちは
愛知県芸術劇場や
三重県文化会館みたいな
ホールが欲しいんだろうけど、
こういったホールこそ
大事にしてほしい。

老朽化してきたら、ホール部分
だけ大改修で残して、ホワイエや
外郭部分だけ造り直したらどうだろう。
  
  かえって費用は掛かるだろうけど、評価されると思うんですけど。
  
  さてさて、演奏感想。
  今回も「集中力」の高さが突出、異常なほどです。
  伊勢の人って情熱的な人が多いのか、指揮者の求心力が高いのか。
  若い人中心のオケや専門オケには、がむしゃらに演奏しているケースもあるが、
  普通の市民オケでこれだけのテンション、一体どうやって上げているのか。
  
  ダブルメインとは云え、前半プロはどうしても手を抜きがち。
  そこで団員達に大人気なドボ8を前半に配し、メインは濃ゆいメンバー達のために
  マーラーを配したんだろうな。

  前半ドボ8から異常なハイテンション、みなさん明日は会社休むつもりなんでしょうか?
  それより、このあとマーラーあるのを忘れてやいませんかい?
  個々のソロは不安定な時もあるが、
  「小さいコトは気にすんな、それワカチコ!ワカチコ!」
  当然そんな事は言ってはいませんが、そんな風に聴こえる演奏。
  いいなぁ、この楽団、この勢い。   

マーラー「巨人」。
コントラバスのソロは、
パート全員で斉奏(トゥッティ)。

これでいい、全然変じゃない。
ホルンの名場面は、当然立って吹く。
これだけの演奏だと、ホルンはいつでも
立って吹きたいんだろうな。

演奏の流れと、奏者のパフォーマンスが
しっくりいっていて、嫌味感がない。
  
  管は高音部で音程に不安定さもあったが、それがテンションに影響する事は結局なく、
  こうまでポジティブ演奏をされるとこっちまでニヤついてしまった。
  
  小さなミスが日頃どれだけ萎縮した演奏に結びついているのか、
  逆説的にこのオケを聴いて感じた。とにかく一瞬一瞬を前だけ向いて進む、
  この姿勢がラストまで続いてって、躊躇や戸惑いが一切無い。
  
  終わってみれば瑕疵もあったけど、全体では全然オッケー。
  なかなか出来そうで出来ないと思う。   

宇治山田駅の壁

アンコールにマーラー第5番
アダージェットをやってくれたのは、
お得感を感じた。

だって、てっきりドヴォルザークの
スラヴ舞曲が来るって思ってたから。



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  *** 過去の 『コントラバスのソロ全員で』 なコンサート感想。

    * 名古屋フィルハーモニー交響楽団 T・フィッシャー指揮 / マーラー交響曲第1番「巨人」 他

  *** 過去の 『金管立つ』 なコンサート感想。

    * 小林研一郎指揮 早稲田大学フィル / マーラー第1番「巨人」 他
















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