(隊長作)

2009年5月31日(日)  14:30   - 265 -    訪問者数

     長久手フィルハーモニー管弦楽団  三河正典 指揮
     長久手文化の家 森のホール


     メンデルスゾーン   「夏の夜の夢」 序曲
     ニールセン      交響曲第2番「4つの気質」
     ベートーヴェン    交響曲第7番

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東海地方の人で、「長久手文化の家」に
行った事がある人って、どれくらいいるんだろう?

一度行ってみなはれ、めっちゃ良いですよ。
音響がどうとかじゃなく、ホール内の座席は
位置がメッチャ御洒落。

なんてゆーのかなー、新派の劇団劇場みたいな。
入った瞬間、すっごいワクワクする構造なんです。

  たしかに、サントリーや川崎みたいにワインヤードは独特のグッとくるものがある。
  三角ピラミッド屋根のオペラシティとか、5階席だと高所恐怖症な人は座れない東京文化会館。
  木造り感たっぷりな伊丹アイフォニック、障子みたいな壁が古都らしい京都コンサートホール。

  でもでも、内装が、特にアングラ劇場みたいな座席配置が超カッコイイ長久手は、
  一生忘れにくいでしょう。もう何回か、是非、このホールは足を運ぶ!
  
  少し冷静になってホール内部を書いときます。
  まず、デザインね、これが細部に亘るまで実に凝っている。
  赤っぽい木材の壁に、深緑の座席シート。
  フルオーケストラにとっては少し小さめの容量で、客席数は最大でも819席。
  
  1階席はまさに平土間で、その周りがコロシアムのように階段状に囲んでいる。
  そう、なんだかヨーロッパの地方都市にありそうなんだよね。
  これを設計した人は、きっと才能あると思うよ。
  
  響きは適量、無駄に響きすぎず、音響はナカナカ。
  もう少し弦が綺麗に鳴ってくれれば、言う事なし。
  愛知県長久手町は田舎だけど、東京の代官山とか
  白金にあったってオカシクないほどお洒落なホール。
  なんだかよくわからん町だ。
  (隊長作)
ちなみに、楽章間拍手こそ無かったが、演奏中にケイタイは鳴るわ、
子供が歩くは。素敵なデザイン・ホールが勿体無い、聴衆達だった。
  

  さてさて、感想。
  
  中プロにニールセン2番。
  今回はコレ目当てでやって来ました、長久手に。   

しかしホールの格好良さに有頂天になり、
ニールセンが霞んでしまったかも。

この曲の冒頭はそもそも非常にデカイ音量
なんですが、ホールがコンパクトなため
驚くほどデカイ爆発で始まった。

まぁ、それだけアインザッツが
しっかりしてる証左なんだろね。

  一曲目より俄然気合いが入ってたし、ニル2が好きな人が多いんだろうな
  と愛着を感じる演奏だった。
  
  第1楽章3分くらい過ぎたころ、弱音で細やかなアンサンブルが続く箇所がある。
  しっかりとしたベクトルを維持してないと、カオスに嵌ってしまう危険地帯だ。
  
  ベートーヴェンやブラームスならガッチリした構成ゆえに演奏OKなオケでも、
  ニールセンくらいになるとこういった混沌とした雲間から上空へ突き抜けるワザが
  必要となってくる。長久手フィルもこのカオスにはストレイ・シープ状態もあったが、
  どうにか雲間を突き抜けた。
  
  それは、演奏スタイルにキレがあるためだ。
  こういう手綱捌きをされてしまうと、指揮者の力量を思い知らされざるをえない。
  決めるトコはカッコ良く、バシっと強めに決めているトコが味噌。
  ちょっと遣り過ぎなんじゃないの、と恥ずかしくなるくらいで、
  聴く側からすれば丁度良い。だって私達オゥディエンスは騙されたいんだから、音楽の魔法に。
  

全体をコマ切れに検証すればブッちゃけ
上手くないような気もするが、ポイントは
しっかり決めるので満足感が高い。

流麗に歌うところが弱いので地力が透けて
見えるが、楽章ごとの冒頭の掴みや、
アクセントを強調した謡いまわし等、
自らの力以上を聴衆に擦り込んでゆく。

ちなみに今回の指揮者三河正典氏は、過去、
小田原フィル伝説の「レニングラード」で聴いていた。
当時もこの指揮者を誉めているので、
相当わたし好みなようだし、良い指揮者なんだと思う。
  
  いやー、ニールセンが中プロだったんで、ダレた演奏されたらどうしようと心配してましたが
  杞憂でした。それよりメインのベト7を拝聴する自分達の方が、ダレた聴き方をしてしまった。
  
  一生懸命な演奏だったなぁ、という記憶しか残っていない。ごめん。
  アンコールはニールセンの仮面舞踏会とかを期待してたんだけど、
  ブラームスのハンガリー1番だった。
  私は14番が好き、なのに全然やってくんない。



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  *** 文中の 『小田原フィル』 なコンサート感想。

    * 三河正典指揮 小田原フィル / ハチャトリアン組曲「仮面舞踏会」、ショスタコーヴィチ交響曲第7番「レニングラード」


  *** 過去の 『ニールセン2番』 なコンサート感想。

    * ヴァンスカ指揮 読売日響

    * 名古屋シンフォニア管弦楽団 吉田行地指揮

    * 管絃樂團“響” 石川真也指揮

    * 新交響楽団 山下一史指揮
















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