(隊長作)

2009年7月26日(日)  13:45   - 272 -    訪問者数


    名古屋シンフォニア管弦楽団   角田鋼亮 指揮
    愛知県芸術劇場コンサートホール

     ロッシーニ      歌劇「ブルスキーノ氏」序曲
     ドヴォルザーク    チェロ協奏曲
     ショスタコーヴィチ  交響曲第12番「1917年」

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 弊紙メルマガにて愛知県芸劇は
 36回目の登場ですが、
 今年3月28日名フィル以来の4ヶ月振り。

 出来るだけ愛知県芸劇は避けてるんですが、
 名古屋オケの基本はココに集中してますから、
 これは!と思う演奏会は行かざるを得ない。

 ロケーションもハコ的にも全然イケてない

  名古屋市民会館の方がお気に入りなんですが、ちっともビンゴする演奏会が出て来ないのが寂しい。


  今回はグルメ情報ありますよ♪
  しかも芸劇ホールの真ん前(道路挟んだ南正面)。
  「トワ・ブラン」と申しまして、「3つの白」という意味だそうな。
  「3つのオレンジへの恋」だともっとお洒落なのにね、
  早稲田の同名店(オムライス屋)は今も健在なのでしょうか?
  「3つのレ」でも面白いしね。

 間口二間ほどの小さなお店ですが美しい白の外装、
 中は暖かい暖色系のインテリアで非常にスタイリッシュ。

 かわいくもありお洒落なお店で軽く休んでから
 コンサートに望みたい、という要望を
 完璧に果たしてくれます。

 ランチはドリンク付きで千円、パスタコース、和風コース、
 洋風コースの3種。私は和風でして豚肩ロースのグリル。
 隊長は洋風でチキンのココナッツ風カレー。
(隊長作)

  和風は6鉢、洋風は5鉢と小さな椀や深鉢に分けられていて、
  見た目よりボリュウムたっぷり。
















  ワンプレートのような味が混ざる事も無く、一皿一椀ちょこちょこ突いて
  食べるのが何とも楽しい。

  洒落た内外装だけでなく、味もしっかりしてたし、量もなかなか。
  スタッフが少ないのでてんてこ舞だったようで、少し待ったのが難なくらいか。
  これからちょくちょく利用したい一店。
(隊長作)
なんせホールの真ん前なのは大きい。

  愛知県芸術劇場というのは大型複合施設で、一つの大きなハコモノに大ホール、
  コンサートホール、美術館など調べるのが面倒なくらい雑多な施設が詰め込まれている。

 その中でも大ホールとコンサートホールは
 華でして、1階ロビーから直接入れるのが大ホール。
 長大なエレベータで上がった先にあるのが
 コンサートホールと云う住み分けになっている。

(←コレはエスカレータではなく、待ち行列。)

 この日は1階ロビーから入ったのだが、大ホール前に
 おめかしした男女が沢山。

  佐渡裕指揮のカルメン開演前だったらしい。佐渡は人気あるねぇ、
  東京の人にはどうか分からないが、関西での人気は恐らく一等賞だ。

  名古屋は東京に顔向けて生きてるような街だが、佐渡人気には名古屋も弱いらしい。
  私も一度は兵庫県立管の佐渡指揮を聴いておきたいのだが、当日券なんか
  残っているわけも無く、ここまで人気指揮者と云うのは大野かスクロヴァ
  くらいしかいないのかもしれない。オザワもいたな。


  前プロはロッシーニ「ブルノスキー氏」序曲。
  楽曲中、譜面台の楽譜(紙)を弦の弓でパシパシ叩いてリズムを取る箇所がある。
  パート練習なんかでパートリーダーがよくやっていたものだが、それを実際の
  演奏に取り入れてしまう、しかも大昔のロッシーニでやっているのが面白い。

  コルレーニョをやるよりよっぽど音量もデカイし、音質が異質だから
  効果的だし、どうして他の作曲家も援用しなかったか不思議。

  この曲もロッシーニ・クレッションドがしっかり存在しており、
  いつ聴いてもこのクレッションドはワクワクさせられてしまう。
  また、ロッシーニにも拘らず木管がしっかりした演奏。
  前プロ・メンバーで、しかもロッシーニなのにこの旨さ、
  このオケは本当に木管が良い。

  中プロはドヴォ・コン。
  ロッシーニ、ドヴォルザーク、ショスタコと雑多な組合せになってしまったが、
  ショスタコやプロコのチェロコンをアマオケ相手にやってくれるソリストなんて
  少ないだろうし、メインがショスタコな上に中プロまで難曲をやってしまう
  演奏会なんてそうそうは出来ないのだろう。

  何でそんな事を言うのかと言うと、この演奏会の翌週、
  オーケストラ・ダヴァーイを聴きに行ったから。
  中プロがプロコのチェロと管弦楽のための交響的協奏曲、
  メインがショスタコの第8番。
  なんとも超難易度なプログラムを立てるオケもある訳でして、
  名古屋のアマオケさんもあと一息発奮して欲しい。


 さて、今回唯一愉しみに聴きに行ったのが、
 このショスタコ第12番。
 第12番は関西医科学生交響楽団(09年3月20日)
 にてアマオケ演奏体験済みなんですが、
 この曲はアマオケ向きだと思う。

 まず何と言っても大きいのが、演奏時間「40分」。
 ショスタコは時間が長い、
 という不安不平不満を排除してくれる。

  それからチャイコフスキーみたいな超絶技巧がかなり少ない。
  高音があるが、譜面ヅラは幾分易しいのではないだろうか。

  しかし全4楽章が「強・弱・強・強」という構成だが、
  第2楽章が弱くて長いので盛り下がりやすい。
  どうせ第12番くらいまで採り上げる勇気と実力があるんだったら、
  もうひと越え行って、第8・10・11番くらいまでやってみて欲しい
  (第11番はドサクサに紛れて書いてしまいました)。

  何が言いたいかと言うと、「ショスタコはもう第5番じゃ物足りない、
  でも第12番じゃ詰まんない」ってこと。
  ショスタコの大きな山脈を見渡してみて、第1〜3番、第13〜15番は
  非現実的だと除外すると、第4番が演奏効果的には最高峰。

  お次が第7番とか第11番。その斜め下に第10番、第8番あたりだと思うんですね。
  第6番や第9番をやるよりは演奏効果は高いだろうけど、苦労が多い割に
  報われないのが第12番だと、聴く側からは思う。

  ここぞと云う所の音量があと二割り増しでもイイくらいだったのが
  残念だったが、パート的には満遍なく上出来なのがこのオケの強み。
  ソロやデュエットが多い本曲ですが、心臓バクバクもののはずなのに
  サラリと流れてゆく音楽が心地よい。

  名古屋のアマオケを総ナメしそうな指揮者角田ですが、
  今回も適度なテンポで文句がつけられない。
  こういった難曲はどうしても「確実さ」を優先するあまりにスロー・テンポに
  陥るところですが、速過ぎず・遅すぎずの絶妙なバランスで音楽が創られてゆく。


  みんなを「弾ける」レベルに以ってゆかんがため遅くしてしまうのは
  本末転倒なわけで、そこんとこを本能的に解かっているのか、こういった
  指揮振りに名古屋のアマオケは角田オファーに向かってゆくのでしょう。
  そろそろ名フィルも角田客演を考えてみたらどうでしょう?きっと大入り
  満席になると思う。

  アンコールのハチャトゥリアンは、仮面舞踏会から。
  タコ12を知らないお客さん達には嬉しい曲でしょう。

 愛知はスケートに力入ってるので、
 この曲は知ってる人が多いでしょう。

 だけどこのワルツは独立した作品じゃないから、
 終わり方が変なんだよね。
 誰かアンコールピース用に編曲すればいいのに。

 上手く編曲したら、いついつまでも
 ハチャトリアン作曲(○○編曲)と、
 名前が残せるでしょう。



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  *** 過去の 『名古屋シンフォニア管』 なコンサート感想。

    * ニールセン 交響曲第2番 他

    * プロコフィエフ 交響曲第5番 他























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