(隊長作)

2009年9月13日(日)  17:00   - 278 -    訪問者数


    オーケストラ・アンサンブル・エネルジコ   加藤晃 指揮    しらかわホール

     ベートーヴェン   「レオノーレ」序曲第3番
     プロコフィエフ   ピアノ協奏曲第1番
     シベリウス     交響曲第2番

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さて、日曜夕方にコンサートが終わった我々は、
次の会場を目指した。名古屋栄から歩いて
十五分ほど、伏見しらかわホールだ。
(正式名称は三井住友海上しらかわホール)

みなさんはどうでしょうね、一日に2つも
コンサートに行くのって。私は近場の会場を
ハシゴするコンサートなら、大歓迎です。

そもそも2時間や3時間の演奏会くらい
ちっとも疲れませんし、それが倍に
なったとしても途中で休憩があるのなら
何が問題なのか?

  私みたいな人間ばっかりだと、大曲やワーグナーもどんどん掛かるんだろうけど、
  現実には三十分交響曲が人気なんだろうな・・・。
  
  ちなみにこの日は同志社女子大管でリストのピアノ協奏曲第1番と
  ショスタコーヴィチの交響曲第5番を聴いてから、2つ目のコンサートに挑む。
  
  大好きなプロコフィエフが奇しくもピアノ協奏曲第1番つながり。
  シベリウスの交響曲も5番繋がりだと興奮ですが、最近聴いていない
  第2番なのでたまには面白そう。
  このメルマガを初めてからシベリウス2番は4回目のコンサート。
  偉そうに語れるほど聴いていないわけです。
  
  シベリウスはクレルヴォや第6番がお気に入りなんですが、
  第1番や第2番は有名曲とあって逆に左程聴いていない。
  これは私の悪いクセで、有名曲・人気曲というのは避けてきた経緯があり、
  今になってみると随分損をしているのかも。
  

しらかわホールは七百人ホールなので、
ハイドン・モーツァルト・ベートーヴェン初期辺りが
最適なようで、今回のプロコやシベリウスは
音響音量的にどうなってしまうのか
非常に愉しみであった。

プロコは攻撃的なアタックがどんな風に
ホールで響き渡るのか、想像しただけでも
ゾクゾクしてくる。

  シベリウスもあの噎せ返るような雄大な響きが中型ホールでどこまで伸び伸び響き
  渡れるのか。もしくは所狭しと音が充満し過ぎてオーバーキャパとなった時の
  現象とはどんな風に聴こえるのか?
  
  そんな疑問にすぐ答えてくれたのが、レオノーレ第3番だった。
  最近ハーディング指揮ドイツ・カンマー・フィル盤のベトベン序曲集を
  買ったので、レオノーレの第1・2・3番を聴き比べたりしているんだが、
  第3番が確かに最も完成度が高いし解かり易い。
  しかし第2番や第1番だって面白い曲であって、たまにはそういった
  番号を採り上げてくれる演奏会に出くわしてみたい。

  この曲は冒頭から強音があるし、序奏が終われば有名な旋律がくれば
  ティンパにも叩きまくりの豪快な音楽だ。ベートーヴェンでさへ音が
  十二分に大きくなり、ホール内のキャパを超える音量で満たされる事は判った。

  しかし、それはがなり立てたような大音量ではなく、気持ち良い響きの範囲での
  痛快な大音量であって、中規模オーケストラにとっては非常に良いホールサイズと
  なっている。しかもホール音響が良いもんだから響き過ぎる事も無く、
  大迫力が味わえつつ細部まで透き通った構造が見渡せる。
  後半の弦の細かいパッセージからトゥッティに流れ込んでいくところも、
  十分楽しめました。
  (隊長作)

中プロが、最も楽しみにして行ったプロコのコンチェルト。
  この曲は15〜17分ほどの取っ掛かり易い佳品なんですが、
  いかんせんピアニストへの技量要求が大変なもの。
  今回のソリストは橋早紀子という若手。
  オーバーアクションでどうなってしまうのか?!と思ったり、止まってしまうのか?!
  と思わせたり、とハラハラ感満載なデュナーミクなのにきっちりと演奏は弾き切ってしまう。
  結局はすべて解釈上の動きでした、という面白い演奏。
  

このヒトは凄いんじゃないか?と
プログラムを確認すると、2年前の
名古屋弦楽ゾリステン演奏会でやった
グレツキのピアノ協奏曲も
この人だったことが判明。

なんだ、この人があの時のソリストだったのか、
失礼しました、そりゃ上手いわけだ。
来年はこの橋さんでラヴェルとか
バルトークのPコンを希望。
(隊長作)



  名古屋の弦楽器が上手いとは毎度云ってますが、それゆえかこういった
  弦のうねりが必要な音楽ではますますその上手さが際立つ。単なる音程、
  アインザッツ、振幅といった次元で無く、うねりの中にも表情付けが見事で、
  シベリウス専門オケでもないのに何という演奏をしてしまうのだろう。
  
  このオケは今回で第6回目の定演。
  ベト7、ヒンデミット「画家マチス」&シューマン「ライン」、シベ5、
  ブラ2、ドヴォルザーク新世界、そして今回のシベ2と演奏してきている。
  
  シベリウスが2度目だからシベリウス好きな人が若干多そうだが作曲家は
  特に偏重していない。新たな作曲家へ目を向け続けてゆくのか、再び
  ベトベンやブラームスの作品に戻るのか、次回のプログラムが楽しみだ。


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  *** 『文中に出てきた』 な過去のコンサート感想。

    * 名古屋弦楽ゾリステン グレツキ:ピアノ協奏曲 他

























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