(隊長作)

2009年11月22日(日)  13:30   - 284 -    訪問者数


     名古屋市民管弦楽団   田中良和 指揮
     愛知県芸術劇場コンサートホール

     シベリウス   交響詩「フィンランディア」
     ニールセン   交響曲第2番「4つの気質」
     エルガー    交響曲第1番


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昨年度もっとも意欲的なプログラムだったのは、
今回の名市管でしょう。
メインに堂々とエルガー第1番。

この分厚いステーキをどう調理するかだけでも
大変なのに、魚料理にニールセン第2番を
持ってくるという仰天な組み合わせ。

ニールセンだって普通なら十分メインを張れる
交響曲なだけに、こういった既成概念を
打ち破ってくれる挑戦は大いに称揚致したい。
(隊長作)



  思い起こせば、昨年09年はニールセンのコンサートが随分増えてきた。
  12月の東工大や神戸大に行けなかったのは(平日のため)、返す返すも残念だったが、
  行けたニールセン・コンサートは全部で4つ。

  そのうち3つが第2番「4つの気質」であり、長久手フィル(愛知県)、
  阪大外国語管(大阪府)、そして今回の名市管(愛知県)と、難しい楽曲
  ではあるが相応の演奏効果も得られるのが人気の秘訣なのだろう。
  少し前と比べると随分浸透してきたのではいだろうか?

  人間の性格を4つのタイプに分けて音楽化した試みが血液型判定の先取り
  みたいで面白いし、スカッとした攻撃的な音楽が格好いい。
  音楽には一回聴いただけで惚れてしまうものと、何回も聴く毎に味わいが
  増してゆくものがあるが、ニールセン第2番は前者に当たるだろう。

  ちなみに第5番や第6番は後者に当たるので、ニールセンの第2・3・4番が
  気に入った人は、是非第5番に進んで欲しい。特に打楽器奏者は第5番ほど
  面白いものはないと思うんだけどな。

さて、第1楽章が初っ端から
攻撃的で格好いい、しかし難所の連続だ。
特に弦の細かさは特筆もので、
「キュイッボン」とニールセン独特のリズムが
頻出する箇所など上手く出来ていた。

ただ、さまざまな音型が複雑に
同時進行してゆくところは、
本演奏もやっぱり少しカオスになっていた。

  どうしても主役の高弦が圧倒してゆくのだが、ここを中低弦がしっかりと
  負けじと対抗してくれたら素晴らしいんだよね。

  八割方は高弦のめくるめく旋律の嵐が吹き荒れるのだが、
  風の向こうで渦巻いている低弦がチョロチョロと見え隠れするさまが格好いい。
  そこまで聴こえてくる演奏はCDでしか聴けないけど、生演奏こそ、
  そういったものに出会えるべきなんだよね。
  名演ってのは、えてして全ての音符が燦然と鳴り響いている時に起こっている。

  そういった観点に立てば、ピッコロの吹きっぷりは実に良かった。
  第3楽章で弦が朗々と歌うところも実に良かった。
  このワンワンホールが、こういった弦の荘厳な響きでは功を奏して、
  一層際立った響きに昇華していた。

  残念なのは、強調すべき箇所をもっとどぎつく強調できないこと。
  いろんな感想で書いているけど、かなり大袈裟にやらないと、
  特色ある演奏にはなりにくい。

(隊長作)
  エルガー。
  ニールセンが水準以上の演奏だったのに、エルガーは更に上を行く完成度だった。
  そりゃ、多くの演奏会は中プロよりメインを仕上げてくるだろうが、
  エルガー第1番という難曲をここまで完成させてくるとは正直驚いたし、
  素直に感動した。

  具体的に良かった点は、弱音での弦の歌い回し。
  弱音ほどオケの「真の実力」が垣間見える鬼門だが、ここの弱音は
  実に美しく、実力がしっかり伴っていることが判る。

  反面、主旋律が美しく歌ってるとき、ウラのテンションが弱くなるのが残念な気がした。
  エルガーともなるとオモテもウラも同等、主旋律だけが完璧に
  出来てたってそれはエルガーの一面に過ぎない。
  多面多角的にテンションが等しくないと、エルガーは至高の演奏とはならない。
  強くアタックするところ、当然強くアタックしているのだが、もっともっと
  やって欲しく思ったのは私だけだろうか。

英国音楽は、茫洋と穏やかにあるものと
思い込んでいる人が混じっていたのか。
英国人は紳士だけど、世界を股に
かけた連合王国ですよ。

エルガーにしろ、RVWにしろ、内に秘めた
燃え滾る情熱を表現して欲しい。
同じ島国なんだから、日本は英国音楽を
掴み取れると思うんだよね。


  アンコールの「エニグマ」ニムロッドは、響き過ぎホールの特性を最大限
  活かして、このオケの特色もマッチして素晴らしいものとなった。


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  *** 『アオマケさんのニールセン交響曲』 な過去コンサート感想。

    * 長久手フィルハーモニー管弦楽団 * 第2番「4つの気質」

    * アンサンブル・フォルツァ * 第4番「滅びざるもの(不滅)」

    * 新交響楽団 * 第2番「4つの気質」

    * 京都フィロムジカ管弦楽団 * 第1番

    * 豊島区管弦楽団 * 第4番「滅びざるもの(不滅)」

    * 名古屋シンフォニア管弦楽団 * 第2番「4つの気質」

    * オーケストラ・エレティール * 第4番「滅びざるもの(不滅)」

    * ル スコアール管 * 第5番

    * 管絃樂團“響” * 第2番「4つの気質」























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