(隊長作)

2009年12月26日(土)  18:30   - 288 -    訪問者数


     金沢大学フィルハーモニー管弦楽団   金洪才 指揮
     石川県立音楽堂コンサートホール

      ベートーヴェン   「フィデリオ」序曲
      ドリーブ      バレエ音楽「シルヴィア」組曲
      マーラー      交響曲第1番「巨人」

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2009年最後のコンサートは、
金沢に行って来ました。

ここ数年、大晦日は琵琶湖ジルヴェスター
(大阪シンフォニカー演奏)に
行ってたのですが、前回の司会者が
気に喰わず、マンネリ感もしていたので、
心残りだったのですが止めました。

  その代わり何か変わったことをしようと思い立ち、金沢のコンサート計画に至った訳です。

  金沢もジルヴェスターをやっていましたが、どうせなら大学オケを
  聴きたかったので、大晦日ではありませんが金沢大フィルを選択。

  関東に戻ったら、金沢や広島などにはそうそう行けませんから、
  こういう計画は我ながら実に良かったと思ってます。
  まだしばらく西方に住んでいるでしょうから、今後もなかなか行けない所、
  岡山だとか和歌山だとか福井だとかに挑戦してみたい。

  今まで北陸といえば、福井県には何度か行ってます。
  そのうちコンサートとして行ったのは、2008年5月24日の福井交響楽団
  (ハーモニーホールふくい)。

演目がホルスト「惑星」とベト8という事で
大いに期待して行ったのです
が、大きな期待に沿った以上の
秀演を聴かせてくれて、しかも
ハーモニーホールふくいという
威容も楽しめた、大満足な福井の旅でした。

東尋坊の絶景や海岸沿いで食べた海の幸など、
北陸は素晴らしいところという印象が
インプットされたわけです。

  福井交響楽団レビュー(2008年5月24日、ハーモニーホールふくい)
   http://rede200402.hp.infoseek.co.jp/dai10/dai204.html

  考えてみると、アマチュア演奏というのは不思議なもの。
  通常の競争力の原則から考えてみれば、人口が多い場所、演奏者数の多いところ、
  楽団の多い場所ほどレベルが高いはず。

  確かに、関東・中部・関西の演奏は高いわけですが、このアマオケ演奏というのは
  不思議なもので、奏者が少ないからといってレベルも低いわけでも無い。

  普通にやっていたら、それ相応な人口密度・演奏者密度に合ったレベルに
  落ち着いてしまうんでしょうが、そういうわけにも行っていない。
  大変失礼な言い方になってしまいますが、相当なレベル維持を継続されてるんでしょうね。
  そんな不思議な発見というか、感慨も得られるから地方の演奏会は面白いのです。

  勿論、このメルマガでは書くことも見合わせた演奏会もありましたし、
  それは東京にだってあったし、地方にもあった。

  要はいかに真摯に音楽に対し練磨しているか、ということに行き着くわけで、
  音楽に国境は無い、音楽に都会も田舎も無いということが、全国各地の
  演奏会を行っていればこそ判ります。

  この金沢と言えば、ミッチー率いるアンサンブル金沢(OEK)があります。
  OEKは地元の音楽文化を活性化しようといろいろな企画を繰り広げ、
  それは着実に実っているのでしょう。
  今回の金沢大フィルの演奏を聴いて、実感しました。

演奏会場は石川県立音楽堂。
ネーミングが独特ですが、現物は至って
普通でした。

金沢駅の駅前にあり、交通至便。
金沢駅はショッピング&グルメ・ゾーンも
併設されており非常に便利。

駅構内でお土産も買って食事も出来て、
傘いらずにコンサートホールにも辿り着ける。

  逆に駅周辺に経済波及効果が及ばないのが心配になります。
  ちなみに福岡市のアクロス福岡は市の玄関口福岡駅から地下鉄に乗らねばならず、
  市の商業地域が分散されている名古屋(名古屋駅と栄)と似ていますが、
  こういった極点分散の方が観光的には良い面もあるのでしょう。




  ただし、一見客にとっては金沢駅前は便利で、ココに来るだけで食事買物
  コンサートが全て完了でき、少ない時間で用は足せました。

  ホール入口は2階にあるのですが、ここのエントランスが狭いため入場時は大混雑。
  学生たちは必死に入場制限や誘導に励んでいましたが、結局開演は5分遅延となるお粗末。

  ホール構造の設計ミスですな。
  ホール内は3階まであり、1階95%、2階80%、3階50%の入り。
  上々の大入りと言えます。客席は1560席と理想的ながら、
  ホール空間はかなり広いため、音響は響き過ぎ。

  音響反射板はありましたから、この「響き過ぎ」な音響設計は
  最近の流行なんでしょう。響き過ぎるホールでの演奏は
  アマオケにとってはありがたいですが、苦労して練習した成果も
  あやふやになるわけで、私のようなゴリゴリしたリアルな
  演奏が好きな者にとっては面白くない。

金沢大オケのプログラムを見て思うこと。
賛助やOBOGが少なく、現役学生が
ほとんどを占めている。

マーラーをするわけですから、
かなりの奏者が必要となったのに、
この現役自給率は見事。

こういった自足自給率からみても、
この大学オケがいかに充実した時期に
あるか推察できます。

  さてさて、ようやく感想。
  序曲はさておき、中プロ「シルヴィア」は意外に好演。
  この「シルヴィア」という楽曲はどこがいいのか首を傾げてしまうのですが、
  今回のような演奏ならなかなか聴かせる。

  金管群が実に勇壮で、厚みのある咆哮がまるでワーグナーのよう。
  シルヴィアってこんなにも格好良い曲だったっけ?と思ってしまった。
  この金管サウンドが維持できるのなら、今後は是非、ワーグナーや
  エルガーを期待します。これだけの質があるのなら、
  ドヴォルザークやチャイコフスキーでは勿体無い。

  メイン「巨人」。
  管楽器が大変なマーラー、ソロ、デュエット、トリオと精巧な楽器間の歌での
  つなぎ渡しの連続。第一楽章はある意味、管楽器奏者の妙技を堪能する
  音楽でもあるわけで、マーラーといえば第1番がよく採り上げられる昨今ですが、
  管楽器さんたちはそこらへんも承知で賛同しているのだろうか。

  第1番を採り上げるのなら、第9番も(精神性を度外視すれば)
  同列のような気がする。管楽器にとって、第一楽章初っ端から
  この妙技の連続が襲い掛かる。

  上手く出来ればいいけれど、失敗が重なるとモチベーションに影響するわけで、
  各楽器のミスの連鎖により辛い出発となってしまった。

しかし第二楽章から巻き返しが見事だった。
第一楽章を引き摺ることなく、決然たる
トゥッティで奏され、完全に音楽が
これで盛り返した。

相変わらず金管は重低音で素晴らしかったが、
チェロベースは同列とまでは言えず、このへんの
強化がなされば素晴らしいオケとなるだろう。

第三楽章のベースはソロ。
ハラハラしたが見事に弾き切る。
これは大した演奏だった。
またエスクラの旨さも書いておきたい。

  終楽章ではティンパニ、シンバルが特筆もの。
  そもそも打楽器パートは全員文句なく、第一ティンパニが傑出して旨いのだが、
  第二ティンパニもその第一奏者と音質の違和感を感じさせないのだから、
  いかにこの二人が上手いかが想像できる。

  打楽器が上手いオケはボトムアップが楽で、こういったオケで演奏できる
  人達はほんと羨ましい。

  第70回定期演奏会ということだったが、記念の回数に見合う演奏だった。
  金沢まで半日ほど掛けて来た甲斐があったというもの。


  終演後、駅前の居酒屋「海ん中」で夕食。
  北陸の海の幸満載だったが、刺身に関してはイマイチ。
  しかしこういった知らない所で楽しみたいのは、味噌汁もの。
  鰯のつみれ汁は旨かったし、ブリ大根もいい味が染み込んでいた。




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  *** 過去の 『巨人』 なコンサート感想。

    * 伊勢管弦楽団 大谷正人指揮

    * 名古屋フィルハーモニー交響楽団 T・フィッシャー指揮
      コントラバスのソロ全員で。

    * 京都フィロムジカ管弦楽団 金子建志指揮
      マーラー「巨人」(2部からなる交響曲様式による音詩:ハンブルク稿)

    * 東京都交響楽団 デプリースト指揮

    * 水星交響楽団 齊藤栄一指揮

    * 豊田フィルハーモニー管弦楽団 八城崇幸指揮

    * 早稲田大学フィル 小林研一郎指揮


























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