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コンサート感想


2010年2月7日(日)14:00  八王子市芸術文化会館
オーケストラ・ナデージダ / 渡辺新 指揮
 アッテルベリ : 交響曲第4番「小交響曲」
 スヴェトラーノフ : ヴァイオリンと管弦楽のための詩曲
 スクリャービン : 交響曲第1番

(隊長作)

日野市民会館

去年の4月、オーケストラ・アッテルベリの立ち上げコンサートを日野で聴いた。

それまで全く知らないアッテルベリを、その日の演奏会のためにCDを買い込んで、
予習を重ねた。交響曲は全9曲、まんべんなく聴いたが、その日のメイン曲第8番や
第6番がすっかりお気に入りとなった。

新しい作曲家、新しい交響曲、新しいナンバーに猛烈にハマっている時に、
滅多に演奏会に採り上げられない演目をナマで聴けれる。

こんな感動的な、こんなグッドタイミングな出会いはもう起こらないだろう。
桜が満開の、春の日野は穏やかに晴れて、美しかった。

あれから約1年。
私は、実に何度も何度も、アッテルベリを聴いた。
今回の第4番は然り、第3番や第5番を特に繰り返し聴いた。
凄い音楽である。

この素晴らしさを、黙然と知らずにいる音楽ファンがごまんといる。
ああ、なんと嘆かわしいことか。

きっと、こういった想いから、オーケストラ・ナデージダは生まれたのだろう。
ベルワルドやステンハンマル、三歩下がってシベリウスが好きな人は
理解して貰える筈。

(隊長作)

ナデージダが日本に蒔いた種は、確実に芽を出し始めている。
少なくとも、私の心の中には生き生きとその双葉は新芽に変わり、
幹がスクスクと育っていっている。まったく、このオケには感謝しても
仕切れない、永遠に活躍し続けて欲しいオケである。


八王子市芸術文化会館

さて、今回は所を変えて、八王子である。
一年前の日野の演奏会のために、八王子のビジネスホテルに
宿泊して以来、一年ぶりの八王子である。

八王子は大学が数多くあり、駅周辺は若者、
ほとんどが大学生らしい若者が大勢いる。

(隊長作)

大好きだった漫画「げんしけん」も確か中央大が舞台だったか?
(作中では椎応大学と表記)。

私の大好きなブックオフも、かなり大きなサイズで駅前にあったし、
漫画アニメ系のお店も多いようだ。漫画やアニメは今や日本が誇る
大文化なのだから、アキバやナカノに負けず、八王子も本格化すれば
面白いんじゃないか?

今回は蒲田に泊まったので山手・中央線と乗り継いで八王子に到着。
むかしむかし立川にいた事があるので、立川あたりまでは詳しいんだが、
八王子ってやっぱり遠い。

しかも今回の八王子市芸術文化会館、駅から無茶苦茶遠いじゃん!
徒歩十分ちょいで着けるんでしょ、と鷹括ってたからかなり焦った。

途中ダイエーで休憩したりしたから開演ギリギリに到着。
今回の上京はアッテルベリを聴く事こそが本願なのだから、
開演に遅れてしまっては、全てが無意味なのだ。



第1回演奏会でアッテルベリ第8番を聴いたのだが、
その時と比べて遥かに比較にならないほど演奏が
上手くなっている事に驚いた。

何がどうなったのかは知らないが、もう全く別物と思えるほどの演奏力。
これは技術面でも精神面でも言える事で、理想と実践が完全に一致した見事さ。

この第4番は「小交響曲」と言われているが、全4楽章二十分あまり。
第1楽章中間部ではヴィオラによる民謡調旋律があるのだが、これが
非常に愛らしくて美しかった。

第1楽章から第2楽章へはアタッカで演奏は繋がり、バスクラ?の
メランコリックなモノローグは鳥肌モノだった。

弦楽器群の神妙な響きも実に美しい。
ホルンも妙手に支えられて、爽やかに演奏はフィナーレ。
こんなにスラリと演奏出来ちゃっていいわけ?と思うくらい
上手くなっていた。

第1回演奏会の準備が短すぎだったのかな?

(隊長作)

中プロ、メインは全然知識がないので、感じた事だけを。
スヴェトラーノフの指揮する演奏は、ひとえに豪放磊落。
打楽器や金管部隊による重低音大活躍音楽か?!と
楽しみにしていたら、さにあらん。

二十分ほどのエレジー風。
正直眠くなる曲で、どうして選ばれたんだ?

スクリャービンの交響曲第1番。
独唱と合唱を伴う全6楽章、五十分ほどを要するまさしく大曲。

合唱が登場する終楽章まではキツかったが、終楽章は素晴らしかった。
フーガの合唱が爽やかで、単純な旋律ながら女声の音色が愛らしい。

一転、コーダは激烈な音楽となり、ビシバシと大音響が決まりまくる。
大交響曲の締め括りには相応しい終楽章で、これだけでも堪能しといて
良かったな、と思う。



ナデージダさんの選曲方針と、私の音楽嗜好は非常に
マッチするようです。

次回演奏会は、アッテルベリがピアノ協奏曲と不満だし、
メインは、ベアセンの交響曲第1番という聴いたことも無い音楽。

私の大好きなニールセンを産んだ国デンマークの作曲家であり、
聴きに行くべきか、躊躇すべきか、迷っているところ。

カネと時間が唸るほどあったなら・・・と思う。

過去のコンサート感想。

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