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コンサート感想


2010年4月25日(日)13:30  愛知県芸術劇場コンサートホール
名古屋ワーグナー管弦楽団 / 城谷正博 指揮
 ワーグナー : 「ニーベルングの指環」から
         序夜「ラインの黄金」よりヴァルハル城への神々の入場
         第2夜「ジークフリート」から
         第3夜「神々の黄昏」から

(隊長作)


最近、愛知県芸劇での食事がマンネリ化している。
名古屋を代表する繁華街・栄にあるという事もあって食べる所は事欠かないが、
芸劇に近く且つ混んでなくて旨い物を出す・・・更に安い事も大切。
こういった厳しいハードルを課してしまうと、デパートは却下(混んでるから)。
エリアを広げて、栄中心部から外れた辺りも開拓していたが、灯台下暗し。


芸劇の北隣にNHK名古屋が隣接してるんですが、ココの地下2階が
飲食店フロア(メルサグルメプラザ)になっている。

寿司屋とか喫茶店、平日夜なら賑わっているであろう居酒屋などが
入ってるんですが、和食屋がある事を見落としていた。
和食大好きな私としては、なんというケアレス・ミス。


まぐろ活魚料理「さ嘉なや」と云う店でして、大好きな
鯛かぶと煮付け定食(1,200円)を注文。


鯛かぶと煮付け、お刺身盛合せ、茶碗蒸し、ご飯味噌汁漬物付という
ボリュウムたっぷり、味も抜群。ランチという事もあって1,200円なんですが、
これはバリュープライス。そりゃ昼飯に1,200円は高いけど、これだけ
旨くて量もあるんだったら、何も文句なし。

魚の和食が大好物なんで、ホント贔屓にしたい。

(隊長作)
 
さてさて、ワーグナー。
子供の頃、年末のNHK・FMでバイロイト録音を流してたのを、
大人ぶって聴いたもんだ。あの頃、正直眠くて退屈だった。
何時間にも及ぶ演奏の中で、どこに山場があり、どの流れが面白いか
知らないから、真っ暗な夜道を進むような先の見えない鑑賞だった。

ワーグナーは何度も何度も聴き込む事。
聴けば聴くほど理解できた点が繋がって線になってゆく。
歳を取るほど、その線は音楽全体に張り巡らされ、時間は掛かったが
今は自分の宝物になっている。

ワーグナーが好きだ、ワーグナーが面白い、これは音楽の財産であり、
ワーグナーが心から愉しめる今の自分も愛おしい。
マーラーやショスタコを中心に聴いてきたが、ワーグナーも忘れず聴いてくれば、
ここまで彼の音楽を愉しめる様になるもんなんだ、と感慨深い。

むかし、ワーグナーはそうそう演奏されなかった(序曲は除く)。
「ワーグナー」=「楽劇」という固定観念が強く、ワーグナーを歌える
歌手がいない、大編成をどうする、舞台演出は!・・・と、いくらでも
その実現を邪魔する要因なら指摘できた。

しかし、つくづく近頃のアマオケは凄い。
まずゴールを設定し、実現困難とされる難所を一つ一つクリアしてゆく。

名古屋ワーグナー管のように、一回こっきりのお祭りだから成功させようと
火事場の馬鹿力を発揮させ、実現させてしまえば成功体験が楽団員に残る。

人間、出来てしまえば不可能と思われた事もそうは思わなくなる。
あの奇跡のワーグナー専門オケが、第2回演奏会に漕ぎ着けた。
今回も素晴らしい演奏会だったので、名古屋の、いや、
日本のワーグナー演奏普及と発展のためにも、是非常態オケに確立して欲しい。

演奏者は、ステージに約百人。
そのむかし、「蓋をするくらいなら、編成を減らせ」と言った音楽家が
いたそうだが、百人の奏者が舞台の底から鳴らす音楽とは凄まじい響き
だったのだろう。

しかもその轟音を捩じ伏せるように歌手は歌わねばならない。
そこにワーグナー独特の魅力と興奮が起こるのだが。
今回の演奏では、舞台上に約百人の演奏者が所狭しと陣取っている。
マーラーやリヒャルトでもそうだが、やっぱり大大編成の
オーケストラの布陣は圧巻だ。

これから起こる演奏を思うとワクワクする。


実演で聴くと、音だけでなく演奏する人の動きも一緒に堪能できるから、
ワーグナーがどこに力点を置いているのか良く解かる。

ワーグナー・チューバと言われる様に、ワーグナーはホルン等の金管が
目立つが、実演ではチェロとクラリネットの扱いが見事で、彼がこの
2パートをいかに渋く巧妙にしかし愛情を以って扱っているか解かる。
ショスタコやプロコフィエフ等のクラリネットは道化役(ピエロ)なのに、
これが同じ楽器かと思うほど、ワーグナーのクラ使いは格好いい。

ワーグナー管は、と言うより名古屋のアマオケは相変わらず弦が上手い。
ワーグナーといった非常に難しい音楽でさへ、美しい弦だなと思わせてるんだから。
細かいパッセージ、アマオケだとこけてもおかしくないような難所も難なくクリア。

こういった地域的な基礎体力が強いからこそ、ワーグナー管やブルックナー管を
やってやろうという気風が育つのだろう。

後半の「神々の黄昏」は特に気合が入った演奏だった。
ここまで来たら、次回は是非「パルジファル」抜粋版をやって欲しい。
合唱団、特に児童合唱や透明感あるピアニッシモな合唱が難しそうだが、
難しいほど、このオケは燃えるんではないだろうか。
一・二階はほぼ満席であり、聴衆のレベルも非常に高い。

東海圏以外の人も、時間とカネを掛けてでも聴きに来て
損は無いアマオケです。

(隊長作)
 

過去のコンサート感想。

名古屋ワーグナー管弦楽団な感想。

2008年4月27日(日) 13:30
山下一史 指揮
ワーグナー ジークフリート牧歌、 「ワルキューレ」第一幕 演奏会形式
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