MMF

コンサート感想


2010年7月24日(土)18:30  京都コンサートホール
京都市立京都堀川音楽高校オーケストラ / 藏野雅彦 指揮
ロッシーニ : ウィリアム・テル序曲
ハイドン : ミサ曲「ハルモニー・ミサ」
ガーシュウィン : ラプソディ・イン・ブルー
ブラームス : 交響曲第4番

(隊長作)

ジュニア・オケとかユース・オケとかは聴いた事もあったけど、
高校オケは聴いた事がなかった。今回の音楽高校というのはプロを
目指す集団だから、純粋な高校生オケとはちょっと違う。

高校野球で言えば、甲子園出場常連校、名門私立高校というイメージ。
でも堀川高校は公立だし、なんせ聴いた事がないのだから、
高校生オケというものを。

 

意外にも、京都のコンサートは今年1月の阪大響以来の半年振り。
関西一円ではグルグル動いているので京都はしょっちゅう通っている。
行っていないというのは変だけど、コンサートには行ってなかった。
ちなみに、このメルマガでの京都登場回数は15回。
大阪13回、兵庫7回、滋賀7回、奈良2回と考えれば、最も行っているのだ。

同校HPを見ると、4つの専攻から成っている。
声楽、器楽、作曲、楽理。
音大というと、ピアノのお嬢様を想像してしまうのが哀しい想像力だが、
同校はピアノばっかりではないようだ。管楽器や弦楽器の中で、
目を見張るほど伸び伸びと歌うように奏している人が多かった。



専攻のなかで第一に持ってきているのが声楽だからか、プログラムの中に
ハイドンのミサが入っているのが異色。
ただし、4つのプログラムの中で最も眠くなったのがミサ曲。

声楽には疎い私なので気にしないで欲しいのですが、決して演奏が
どうとかではなく、純粋に選曲に難があったと思う。
声楽の学習、正しい発声練習にぴったり合う曲、基礎を固めるに
最適な選曲、といった観点からハイドンが選ばれたのかと思うが、
眠くて眠くてどうしようもなかった。

(隊長作)

それに比べて、ガーシュイン。
奏者たちは打って変わったように生き生きとした演奏になり、
ピアニストが関西出身マル分かりないちびったオーバーアクション。
ただし技量も伴っていたので、なかなかやるやないの、と複雑な気持ち。

関西人というのは複雑なもので、お笑い界を思い出して貰ったら
わかるように、出しゃばりで自我の強烈な性格も多いが、
クールでニヒルな澄ました人も意外と多い。要所要所で
チラリと笑いを含ませたアドリブを織り交ぜる仕草の方が、
おかしみに味が出ると思うんやけど。



メインのブラ4、これはアツい演奏で、高校生ならではの等身大の
真っ直ぐな演奏。

自分はブラ4を4回演奏したのでとても愛着があるのだが、
どこでアツくなったり、うっとりするか共感できる。

冷静に計算尽くで盛り上がってる演奏はなんとなく分かるし、
純粋な共感と感銘から発せられる演奏と言うのは自然と聴く者にも伝わる。
同校の演奏はまさに後者で、「奏者の胸はどんどん熱くなってるんだろうな、
うんうん、とっても分かるよ」と思えてくる良い演奏だった。

何度も何度も演奏し尽したプロや、アマオケのベテランには
決して出せない、独特の高揚に感動してしまった。

過去のコンサート感想。

inserted by FC2 system