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コンサート感想


2010年11月21日(日)14:00  府中の森芸術劇場
府中市民交響楽団 / 田部井剛 指揮
 ハイドン : 交響曲第104番「ロンドン」
 ホルスト : 組曲「惑星」

(隊長作)

このメルマガは始まって7年目となるが、関東は行ってる場所が偏っている。

 

メルマガ開始以降のデータを見ると、
東京芸術劇場42回、NHKホール31回は別格として、
サントリーホール18回、すみだトリフォニー14回、杉並公会堂8回と
ありきたりな場所ばかり。

   

東京都に限定すれば、23区内がほとんどで、三鷹市芸術文化センターと
アミュー立川が各3回と、23区外は三鷹とか立川とかJR中央線ばかり。
西武線、東武線も少ないが、京王線は皆無に等しく、府中や調布に
行ったのはいつだったけ?という有様。
町田に至っては、降りたことも無い。

府中市民響は2010年7月の定演(ブルックナー8番)で注目してました。
たしか、青春18切符期間前だったので、行きたいのを諦めた記憶が
あります。しかし今回は11月20日〜22日まで関東におり、
3日連続でコンサートに行ける態勢。

昨日のN響(マーラー復活)を聴けなかったのは予想外だったけど、
今日の演奏会はアマオケだから大丈夫でしょう、と思いつつ、
いつもより早目に東府中駅に着いた私でした。

京王線東府中駅を北口に出、徒歩5分はちょっときつい、
どこか食べる店はないかなとキョロキョロ歩いてると
10分くらい掛かって到着。

駅の上に建物が建築中で、これが出来れば東府中も便利になりそうです。
駅周辺は整然と区画されていて、北口を出ると芸術劇場まで街路樹が
美しい一本道が伸びてます。



芸術劇場と名の付くホールは全国に数々ありますが、
この府中の森もなかなかの圧巻です。

今回聴いた大ホール「どりーむホール」のほか、
収容五百人クラスの中ホール「ウィーンホール」、
伝統芸能や演劇向けの「ふるさとホール」の
3ホールを抱えています。



ホルストの「惑星」と聞くと、ミーハーなプログラムだなと
思う方もおられるかもしれませんが、私はそうは思いません。

イギリス音楽が大好きであり、20世紀音楽に飢えており、
合唱も加わる大管弦楽。

(隊長作)

ホルストの「惑星」はその全てを備えており、
しかもスターウォーズといったSFっぽいものも大好きな私は、
この曲は何と言っても好物なのです。

ホルストがあと数曲、大宇宙を題材とした大管弦楽、
例えば交響組曲「アンドロメダ大星雲」とか交響詩「ブラックホール」
みたいな宇宙三部作を成すような楽曲があれば、この「惑星」も
もっと華やかで異端に見られない一ジャンルになっていたのでは
ないだろうか。

「惑星」を聴くに、手放しで木星を賞賛するのは簡単だが、
第1曲「火星」のゾクゾクする戦闘感が堪らない。
この組曲「惑星」が単体の交響詩から成っていたとしたら、
どれだけ「火星」と「木星」が単曲個別に演奏されていたことだろう。

しかし組曲一体としてのみ演奏を希望したホルストの心意気、
太陽系惑星群を一連の惑星として演奏することだけを望んだという心意気。
そんな事に思いを馳せ、この組曲に耳を澄ませば、実に神秘的な音響が
広がってゆく。



初めて聴くホール、初めて聴く楽団。
しかも演奏曲目が「惑星」と来るから、ワクワクしたものとなった。

開演前は長蛇の列となり、まさか今日も入場アウト?と
不安になったが、いざ入場できてみると満席とまでは行かなかった。
しかし改めて、この曲の人気を感じたのであった。

さて、肝心な演奏感想。
20世紀音楽だけあって、楽譜そのもの、表現の可能性が深い。
腕に自信あるオケしか採り上げんのは判るが、音程を正確に取るとか
リズムをしっかり刻むとか、そういった基礎的な積み重ねだけとは
違う次元の難しさも加味されるようだ。

あれだけの演奏を成し遂げた事に対して注文を付けるのは恐れ多いが、
一つだけ書くとすればデュナーミク。音力の強弱、このスケールが
宇宙的にバカデカイ本曲に対して、これは注意に注意を重ねても
易々と成功はしないのだろう。

マックスは物理的限界があるのだし、もし精神的破壊力で奇蹟が
起きることを期待したのかもしれないが、ミニマムで更なる極小を
目指した方が、演奏は精緻になったと思う。

逆に、しっかりと感動させられてしまったところ。
ジュピターにおけるカンタービレ。
あの中間部の悲劇に向かって歌い進んでゆくシーンは、
何度聴いてもいいものだ。

今回の演奏も、このシーンは実に凛々しく歌い上げられ、
まったく感動してしまった。

(隊長作)


帰り道、この時のお宿は中央線沿いにあったので立川駅に行ったのだが、
立川駅北口のビルの谷間に懐かしい居酒屋があったので入ってみた。
酒亭「玉河」。



ビルの一階はショウウィンドウと入口の階段のみ。
しかし紙に書いたメニュー短冊がいい味を出していて、
安価な居酒屋を予感させてくれる。

ビルの地下一階というロケィションにも限らず、
地下室の居酒屋は喧騒な酒場となっており、
休日の夜、大勢の酔客のざわめきでホッとする居酒屋。

一点、おおいに残念だったのはタバコの煙。
地下室ということもあって、タバコの煙がどうにも漂ってくる。

酒飲みとタバコは切っても切れない仲の様で、
私みたいにタバコが全くダメな人間にとって、この地下空間は最悪。
食べる物をどんどん詰め込み、早々に退散するしかなかった。

   

カキフライ、アジのたたき、どれも美味しかったが、
中ぶりな鉢にたんまりと入った肉じゃがはボリュウム満点かつ安価。

肉じゃが一皿を基幹に数点頼めば、あっという間に
腹一杯になってしまえる。タバコ野郎が近隣に来なかったら、
かなり良い居酒屋だと思った。

(隊長作)
 

過去のコンサート感想。

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