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コンサート感想


2010年11月23日(火祝)15:30  東京大学駒場Iキャンパス 900番教室(講堂)
東京大学音楽部管弦楽団 / 河原哲也 指揮
 ベートーヴェン : 「エグモンド」序曲
 シベリウス : 「カレリア」組曲
 ブラームス : 交響曲第2番

(隊長作)

名門大学には、有名な講堂がある。
早大の大隈講堂、東大の安田講堂、一橋大の兼松講堂など、すぐ思いつく。
こういう話になると、慶応は三田の大講堂が戦災消失したんだよねぇ
と出てくるが、それほどご自慢なら再建しちゃえば良かろうに。



慶応のネットワークと力を持ってすれば凄いものが出来そうだが、
旧くないとおもむきが出ないのが難しいところ。

こういった大学講堂でコンサートを聴いてみたいのだが、
思いだそうにも、そういった大講堂で聴いたためしがない。

大講堂での演奏会は、ほとんどが学祭の一環で行われるようで、
考えてみれば他大学の学祭へ行ったのは子供の頃くらい。
自分の大学の学祭さへ、見物した思い出が無い。
祭とか学祭とか嫌いだったんです、拗ねてたんだな。



この日は祝日。
何か面白い演奏会は無いものかとネット検索すると・・・。
偶然見つけました。

読者の皆様は意外でしょうが、私は東大OBじゃないんですよ。
いえいえ、決してウソではありません、本当です。
(隊長作)キリッ!!
ですから後輩からの連絡があったわけでなく、
たまたまネットで見つけたんです。
(隊長作)えーん。。。

先日、お茶の水管でブラ1を聴いたばっかですが、
「ブラームスは秋に聴くといいなぁ」と思ったし、
比較的(私にとって)珍しい第2番なので行きました。

東大の学祭ってのにも、興味ありましたしね。
初めて駒場東大前駅に行ったんですが、渋谷から近いんですね。
渋谷に近い大学と言えば青学だったんですが、どうしてどうして、
東大も近いんですね。

キャンパスは学祭真っ最中。
焼きそばとかフランクフルトでも頬張るか♪と活き込んだのですが、
正門をくぐるとすぐ「最後尾」というプラカードを持った礼服姿と長蛇の列。



まじか!もうこんなに大行列が出来てるとは!!

慌てて最後尾に並びましたが、後から後から行列は延びて行きます。
焼きそばやフランクフルトを優先してたら、立ち見で聴くはめになるトコでした。

900番講堂はどこの大学にでもありそうな数百人収容規模の大教室。
ただし外観はさすが東大、なかなかの威風があります。
大きめの大教室なんですが、外観も内部構造もなかなか凝っています。
若干ですが二階席もあります。

入場できた時はもうほとんど席が埋まっていたので、
一階で空席を見つけたのが奇跡のような状況でした。



学祭の演奏会にしちゃぁナカナカなプログラムで、
前プロ「エグモンド」、中プロ「カレリア」、メイン「ブラ2」。

必要最低限な3曲が御用意されてますし、3曲とも演奏時間が
短いながらもしっかりしている。

しかも大教室で聴くオーケストラは、まろやかに
反響ブレンドされた音ではなく、直撃したナマ音。
学生時代、合奏室で練習した時、こんな音だった。

それでいて演奏学生たちは駒場の一二年生で占められているので、
一所懸命、ガツガツした演奏。純粋に上手いと思った。

上手いと思っただけでなく、面白いものが聴けたといった感想が強い。
「クラシックって聴いた事がないから、学祭イベント一覧にある
クラシック・コンサートに行ってみようか?無料ってのもいいね♪」
と思って来た人も多かったでしょう。

たしかに無料演奏会だったけど、本来のクラシックの音楽というのは、
音楽ホールで産み出された音響で聴いてこそ初めてクラシックの音に
なります。格好つけやがった事を言いますが、永年クラシックを聴いてきて、
ホール音響は本当に切実なのです。



しかし散々クラシック・コンサートに聴き厭きてきた人間にとっては、
こういった大教室で聴く演奏も、冒険かつ新鮮で楽しいものです。
オーケストラという何十人もの音が、さほどブレンドされる事も無く、
我が耳に襲い掛かってくる。

ありきたりな音楽ホールでしか聴けない響きでなく、
本来一つ一つの楽器はこういう音を出してたんだ、と
音楽の原点を聴いているようで、私はかなり興奮しました。

SPレコードを聴いているような、モノラル録音のような響きと
形容しては、少し言い過ぎでしょうか。
でも、これもまた面白い。満足です。

五月祭では本郷の安田講堂でコンサートをするでしょうから、
是非聴いてみなくては!と思っている次第です。

(隊長作)
 

過去のコンサート感想。

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