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コンサート感想


2010年12月4日(土)18:30  アミュー立川
東京五美術大学管弦楽団 / 諸岡範澄 指揮
 ロッシーニ : セビリアの理髪師序曲
 ドボルザーク : スラブ舞曲第7番、第10番
 シベリウス : アンダンテ フェスティーボ
 ブルックナー : 交響曲第3番

(隊長作)

今回は、立川。
昔々この街に住んだ事があるので、その変貌ぶりは誇りたいほど嬉しい。
当時は第一デパートとフロム中武だけだったのに、高島屋が出来た上に
伊勢丹が邪魔して、ルミネとかグランデュオ、南口もボコボコ再開発された。
モノレールまで走って、一体どうなってるんだ?この街は!

特に今回突撃したアミュー立川がある南口、ここがすっかり
整備されたんだが、逆に面白味が無くなった。

大阪に比べたらかわいいもんだし、戦後の名残が残った地方都市
というのも、時代が経つにつれ人気が出てくんのにな。
今日行った吉祥寺なんか、ハモニカ横丁をうまく街のど真ん中に
取り残して、憎いアトラクション・ゾーンに仕立て上げてしまってる。

ごちゃごちゃした街を懐かしもうと思い、今も頑張ってる第一デパートへ。
地下のスパゲッティー&カレー「サンモリノ」に入る。



昔ながらの喫茶店のナポリタンが味わえる。
地方の喫茶店では普通に食べられるナポリタンだが、
東京は逆に軽食まで出す喫茶店が珍しくなってきた。

コーヒー・チェーンのホットドックやチーズサンドも美味しいが、
やっぱり軽食と云ったらナポリタンでしょう。



口の周りがケチャップで赤くなるのも気にせず、粉チーズはたっぷりと。
この店は、サンモリノ漬けという白菜の唐辛子和えみたいな漬物を
セットで出してくれる。

この漬物をアクセントにナポリタンを喰うというのが独特なんだが、
その辛さは食べ終わった頃にくる。
ナポリタン自体はオーソドックで手堅く美味しいんだが、
サンモリノ漬けが独特で、食べ終わった口がヒーヒー言いつつ、後を引く。



(隊長作)

南口の街を曲がり曲がり、アミュー立川を目指す。
立川駅から一駅乗って西国立駅から行った方が近いようだが、
わざわざ一駅乗るのが面倒。それでいて歩くと結構遠い。
途中、店がまばらになって、歩いていても楽しくないのが更に
遠く感じさせるようだ。

今回の東京五美術大学管弦楽団は、非常に珍しい大学オケ。
たまに、理系大学と近所の女子大がくっついて一つの合同オケを
作ってる楽しそうなオケを見つけるが、このオケは「美大」つながり。

武蔵野美術大学、多摩美術大学、東京造形大学、女子美術大学、
女子美術大学短期大学部の5つから成るそうだ。
さぞかし運営や練習場所、連絡や集合など大変なこと極まりないだろう。

そういった困難を乗り越えつつ、創立31年目と歴史も古い。
芸術家の卵たちが、美術という専門でなく、敢えて音楽で出会って
交流を深めているのが面白い。



入場した途端、エントランスには美大生たちの作品がズラリと
並べられている。さすが美大生作品だけあって本格的で、
ちょっとしたプロが書いた数百万円の絵画だよと云われても、
信じてしまうかも。

終演後はさらに作品が並べられていて、どれもこれも綺麗だったり
可愛らしかったりで、全作品観て廻ってしまった。
ポストカード?などは即売してくれてたら買いたかったほど。
学祭に行けば、買えたんだろうけど。



さてさて、肝心なのは演奏。
今回は美大生による音楽に目を付けたのではなく、
皆様もお気づきであろう、ひとえにその選曲に惹かれてやって来た。

ブルックナー演奏会は数あれど、最近はナゼか第6番が
よく採り上げられるけど、五美管が選んだのは第3番。
おそらく、このメルマガでも第3番演奏会は行った事が無いはず。
スクロヴァ読響の第2番に行ったのが近いナンバーなくらいだ。

非常に珍しい第3番、しかも五美管という特殊な学生オケ。
永年コンサートに行ってると、こんな珍しい事も起こるもんです。
コンサート・プログラム(パンフレット)に指揮者による選曲裏話が
書いてあったんだけど、指揮者もこんな隠れた名曲を選曲してきた事に
驚いたそうだ。

チャイコフスキーの交響曲(特に第5番)だったら「技術は多少足りなくても、
気合とノリで何とか格好がつくような気にさせてくれ(錯覚もありますが)、
参加した充実感を得やすい作曲家だと言えるかもしれません」
なんて正直に書いておられる。

もう私はこの正直な挨拶文を読んだだけで、指揮者に好意を持ちました。
諸岡範澄、正直過去聴いた記憶がありません。
しかしこういった率直な先生は希少です、大事です。

今後この指揮者が振ってる演奏会があったら、選曲は野暮でも、
聴いてみて下さい。

楽曲の特性をよく掴んでいて、その楽団の実力を上手く引き出しています。
きっと練習や指導も良かったんじゃないかな、なんて思わせてくれる
良い演奏でした。

ブルックナー演奏に付き物の、アマオケ金管の咆哮も制御されていて、
指揮者の力量やブルックナーへの配慮はなかなかです。
特に第3楽章が非常に完成度が高かった。

(隊長作)
 

過去のコンサート感想。

「文中に出て来た」 な感想。

2008年4月5日(土)14:00  東京芸術劇場
読売日本交響楽団 / スクロヴァチェフスキ 指揮
 ブルックナー : 交響曲第2番
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