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コンサート感想


2010年12月7日(火)19:00  東京オペラシティコンサートホール
国立音楽大学オーケストラ / 梅田俊明 指揮
 ベートーヴェン : プロメテウスの創造物序曲
 ベートーヴェン : ピアノ協奏曲第4番
 ブラームス : 交響曲第2番

(隊長作)



ピアノ協奏曲独奏者で、記しておきたい事があった。
上記プログラムをご覧頂ければお解かりのとおり、
この日のお目当てはベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番。

何度も書いているが、私はこの第4番が大好き。
高一で「皇帝」に感動してPコン入門し、大きくなった今は
第4番が大好きになっている。

ところがこの第4番、難曲という事もあってか、あまり演奏されない。
音大とはいえ学生オケで採り上げられることは珍しいので、
非常に楽しみにして行った。

曲目変更はなかったが、ソリストが清水和音に変更されていた。
当初予定されていたのは長岡純子といい、八十代のマエストロ、
国立音大の招聘教授。大学の先生だから選ばれたんだろうが、
八十代で現役とは・・・。体調不良により急遽変更・・・って、
大丈夫かな?と随分不安に思った。

第4番のCDはケンプ盤が好きで、失礼ながら老齢な人こそ第4番は
いい味が出るんじゃないかと思っている。それだけに体調不良により
急遽変更とは、妙に不安に思ったのだ。翌月(2011年1月)、
長岡さんがお亡くなりになったそうで、ご冥福をお祈りするとともに、
あの時聴けなかった演奏を非常に惜しく思う。


少々オカルトめいた話だが、私はたまに不思議な体験をする。
子供の頃、見えるはずのない一角に広大な墓地を見ていたそうで、
地の果てまで墓石が並んでいる光景が圧倒的だった。

私が見た場所に霊園なんて無かったそうで、京都はままそういった話があるらしい。
親戚に、見たんやねと気味悪がられたのが嫌な思い出だ。
(隊長作)

最近だと、子供を連れた女性が立っている姿を十字路でよく見かけた。
見る度にポーズが違い、おぶっていたり手を引いていたり様々。
だけど振り返って見ると、もうそこには居ない。

通り過ぎたあと、瞬時に振り返っても居ないのだから、変なんです。
必ず見えなくなるもんだから、もう振り返らないようにしている。
車が凄いスピードで通り過ぎる旧街道の十字路。
どうしてその母子が見えるのかは、考えたくもない。




急遽代役となったわけだが、清水和音は良い演奏だった。
正攻法で、奇を衒うわけでもなく。それでいて良い演奏だなとしみじみ思わせる、
しかも大好きな楽曲な訳だから私のハードルが上がっているのに。

ソリスト自身もこの曲に愛着があるのか得意なのか、しみじみした良い演奏だった。
体調を壊された長岡さんのご快癒を願って演奏されていたのかもしれない。


メイン、ブラ2。
むかし、音大のイタリアを聴いた時、あまりに整然と揃いすぎた縦のラインゆえ、
機械演奏みたいに味気なく感じた事があった。それ以来、音大演奏といえば
あの機械演奏が話題となって、我が隊は偏見を以って接してしまう。

しかし一昨年より東京では音楽大学フェスティバルが始まりまして、
音大6大学が切磋琢磨して演奏会を繰り広げる催しを始めている。
その効果があるんだと思う、随分熱い、気持ちのこもった演奏になっていた。

ブラームス交響曲4曲の中で、第2番はやっぱり取っ付き易い曲だと思う。
それだけに技術や激情で押し込める訳にもいかず、正攻法で淡々と表現するしかない。
4曲の中ではインパクトが弱いが、それだけに基礎体力がモノを言うとも云える。

そんな事由で第2番を音大は選んだのかも知れず、学生のチカラを見せつけるには
格好の教材なのかもしれない。

一般視聴者としては、折角本職を目指す音大だったら、一般学生が手に届かないような
難曲珍曲、たとえばブラームスだったら「11のコラール前奏曲Op.122(管弦楽版)」、
ニールセンなら第6交響曲、チャイコだったら第3番といった、名曲なのに
楽譜入手困難や難曲といったものに挑戦して欲しい。

音大の演奏会は品評会といった側面もあるのかもしれない。
手塩にかけて育てた新製品、多くの人が判断しやすいように
有名曲かつ基礎技能がアピールできる楽曲が選ばれているのかもしれない。




追記!
今年の演奏会はどうなのかな?とHPを確認すると・・・なんと!
私の大好きな楽曲プログラムでした♪ホールも行った事が無い大学講堂なので、
万難排して駆け付けたいです。


2011年7月17日(日)16時
国立音楽大学 講堂大ホール、料金1,000円
指揮  /栗田 博文
ピアノ /奈良 希愛
管弦楽 /国立音楽大学オーケストラ

メンデルスゾーン /劇音楽<真夏の夜の夢>作品21より序曲
ショパン     /ピアノ協奏曲第1番
プロコフィエフ  /交響曲第5番

(隊長作)



*** あとがき ***

オペラシティまで新宿から歩いた。
都庁裏の新宿中央公園を越えると、
前から気になっていた「元祖新宿らうめん」に入ってみた。

この日は火曜日で、火金はラーメン一杯四百円という看板があるからだ。



ラーメンの安売りは珍しくないが、昔ながらのきちんとしたラーメン屋、
しかも天下の新宿でラーメン一杯四百円とは、どんなものが出てくるのか
気になっていた。

夜7時開演前、小腹も空いていた。
私はねぎラーメン、隊長は四百円ラーメンなるものを注文し、
比べながら食べた。

四百円だからと手抜きすることなく、ねぎラーメンとの差は
ねぎの有無くらい。しかも旨い。
東京らしく醤油ラーメンで、四百円でなくてもまた来たい。
オペラシティにも飲食街はあるが、こっちの方がいいなと思った。



過去のコンサート感想。

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