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コンサート感想


2010年12月12日(日)14:00  セシオン杉並
杉並弦楽合奏団 / 清水醍輝 指揮
 モーツァルト : ディヴェルティメント 二長調 K.136
 エルガー : 弦楽のためのセレナード
 ホルスト : セントポール組曲
 ショスタコーヴィチ : 室内交響曲ハ短調 作品110a

(隊長作)



このメルマガは2004年2月から書いています。
プロアマ問わず、珍しいプログラムや意気軒昂な演奏会を求めては
突撃しています。プロオケはN響や読響に偏っていますが、
アマオケは一つでも多くの楽団を聴こうと動いてます。
しかしプログラム重視なので、食指の伸びるアマオケは限られてゆきます。

大交響曲や声楽を伴う大管弦楽の方が華やかで興奮するんですが、
年とともに弦楽合奏や室内楽も聴くようになりました。
ただしCDで聴くのであって、アマチュアの生演奏は
なかなか行ってません。

諸処理由はあるのですが、正直、人数が少なくなればなるほど
アラが浮き出てきます。ヴァイオリン奏者が二十人いれば、
一人の音質は二十分の一ですが、十人だと十分の一になる。
実際奏者が少なくなればなるほど一人の比重は重くなる。

そこが奏者にとっては面白いんでしょうが、聴く方はリスクが高まります。
週に一二度聴きに行く演奏会。どれにしようか、何を聴こうか。
贅沢な話、東京は山ほど選択肢があります。
その中から一つを選んで、それがハズレだったら・・・。
そんな理由で、ついつい少人数アンサンブルは避けがちになっています。

今回の杉並弦楽合奏団は、以前よりチェックしていました。
私はパリーという作曲家が好きで、彼の弦楽合奏曲はとても惹かれます。
イギリス組曲やレディー・ラドナー組曲はイギリスらしい舞曲。
元気一杯なのになぜか切なくて、どうしてブレイクしないのか
我慢なりません。

そこでパリーの弦楽合奏をナマで聴いてみたいと思うのは当然の成り行き。
ネットで調べては、演奏会でパリーが採り上げられていないかチェックしている次第。



アマオケ演奏会HPの雄「フロイデ」には、
作曲者インデックスなるものがあります。

作曲者一覧があり、どの楽団が演奏したか時系列で検索できます。
パリーの検索結果は3つ。
2005年のオーケストラ・ルゼル(イギリス組曲)、
2006年の中央大学管弦楽団弦楽器奏者アンサンブル「チェトラ」(イギリス組曲)、
2006年の杉並弦楽合奏団(レディー・ラドナー組曲)。

イギリス組曲もレディー・ラドナー組曲も比べ難き名曲ですが、
知名度ではレディー・ラドナー組曲が一歩遅れを取りましょうか。
その一歩後れを取ってるレディー・ラドナー組曲を敢えて
採り上げていたのが、杉並弦楽合奏団。

同団HPをじっくり見れば1996年に「イギリス組曲」、
バッハじゃなくてパリーのイギリス組曲も採り上げているでいます!
この演奏会履歴を知って以来、絶えず同団の動向をチェックしてきたのです。

と云う事は、今回のプログラムにパリーが入っていたの?
とお思いでしょうが、パリーはそうは簡単に演奏されません。

今回の目ぼしいのは、エルガー、ホルスト、ショスタコ。
モーツァルトは肩慣らしの客寄せパンダとしてでしょうし、
エルガーも弦セレと捻りが無い。

ところがこの団、過去には素晴らしいプログラムを組んでいます。
ウォーロック「キャプリオル組曲」、ドボルザーク「弦セレ」、
ヴィレーン「弦セレ」、シベリウス「田園組曲」・組曲「恋人たち」、
カルウォヴイッチ「弦セレ」、ヴォルフ=フェラーリ「弦セレ」などなど。
最近話題のカルヴォヴィッチを採り上げていることも驚きですし、
弦セレを片っ端から演奏目指しているようです。

ホルスト「惑星」が大好きになった人なら、セントポール組曲も
ご存知ですよね。学生時代、「惑星」大好きな友人がいまして、
意気揚々「セントポール組曲のCD買ってみたでー!」と大はしゃぎでした。

しかし翌日、感想を聞いたら「期待していたのと全然違った」と意気消沈。
きっとスターウォーズみたいな大スペクタルを期待してたんでしょうね。



第1楽章は16世紀のイギリスで流行した舞曲だそうで、6拍子と9拍子が
入れ替わる激しいダンス・ミュージック。弦楽合奏といえば
「弦楽セレナード」、弦セレと云えばチャイコやエルガー。
そういったマンネリ打破を目指すには持って来いの、一聴して気に入られる佳曲。

本音を言えば、今回聴く決め手となったのが、メイン・ショスタコ。
室内交響曲ハ短調とは、要するにSQ第8番のバルシャイ編曲版。
あの「ドーミートーリー」てなDSCHで暗く始まる名曲。

SQだとどうしても演奏される頻度が少ないが、
こうして合奏版にされると陽の目を浴びる。
どうせなら小管弦楽版にされていたら、もっと多く
採り上げられていただろうに。

弦楽合奏団といっても、団によって目指す方向性は違う。
名古屋弦楽ゾリステンは指導者加藤晃の荒々しい棒捌きによって、
これでもかッとアタック&レシーブの応酬だった。

一方、杉並は美音を求める方向のようで、弦の持つ美しさを
極めんとしている。それはセレナードやモーツァルトでは効果的だが、
ショスタコの「魂の叫び」みたいな弦を軋ませる荒業は及び腰に聴こえた。

ショスタコのSQを純粋音楽として、しっかり聴いてみたい御仁には
向いていただろうが、ショスタコやプロコを主食としている我々にとっては、
うーむ足りねぇな・・・と感じずにはいられなかった。

演奏レベルはかなり高い。
このオケが珍しい曲、パリーとかバターワースを採り上げてくれれば、
その美音とも相俟って実に良い演奏会となる事だろう。


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【居酒屋「秋元屋」】〜野方〜



ここの焼き鳥は旨い!!!
私は吉祥寺いせやにおとついも行ったが、
いせやは焼き鳥よりシューマイや煮込。

焼き鳥もハツやタンは旨いが、品数が限られてて物足りない。
しかしここ秋元屋は太鼓判である。
とにかく焼き鳥がどれもかしこも旨すぎる。
肉はプリップリッに大きくてジューシー。

しかも安い。
問題は、いつも満席なこと。
夕方の開店を狙って行くのが最善策。

どれも旨くてお薦めなのだが、特に気に入ったのが「ハムステーキ」。
フチに塩胡椒がたっぷりこびり付けてあり、
この味付けがアツアツのハムと抜群の相性。



子供の頃、肉は好きだがハムは好きくなかった。
中元歳暮でハムが来ると、しばらくハム漬けになるな・・・
とうんざりした。

そんなハム無関心な私なのに、ここの「ハムステーキ」は実に旨い。
これだけ目指して野方(西武新宿線、中野区)まで来たって損はない。

焼き鳥は「とりニンニク」が良い。
鳥を食い、あまいニンニクを交互に食う・・・。
近所にこんな店があればなぁ・・・と溜め息が出てしまう。



過去のコンサート感想。

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