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コンサート感想


2011年6月26日(日)13:30  すみだトリフォニー
ルスコアール管弦楽団/ 高橋勇太指揮
 ワーグナー : 「パルジファル」第1幕前奏曲
 バルトーク : ヴィオラ協奏曲
 マーラー : 交響曲第10番(全曲、クック補筆第3稿)

最近のルスコは、演奏は無論のこと、演奏曲目が素晴らしい連続。

2011年6月、マーラー10番全曲版。
2011年11月、プロコフィエフ5番(当団2度目!)。
そして次回、2012年6月はエルガー第1番と楽しみが続く。

この楽団の過去演奏会履歴を眺めるのは壮観であり、
マーラー、ブルックナー、リヒャルト、コープランド、プロコ、ショスタコと
熟練オケならではのラインナップばかりだ。



こうなったら、ニールセン第3番やアッテルベリ第5番、
エルガー第3番、ヴォーン=ウィリアムズ第2番なんかに挑戦して欲しい。
こんなオケなら、上記一曲くらい実現できんじゃないか?

佐村河内守の交響曲第1番「HIROSHIMA」をアマオケ初演しちゃう!
なんて案はどうですか?

解かる人、知っている人なら必ず唸ってしまうプログラムだし、新聞なんかと
繋がりがあれば記事紹介になるくらい話題性あるプログラムと思うんですけど。

大友直人はこの曲を東京交響楽団と録音CD化しており、
聴いた人はみな驚いていますが、彼は2012年10月24日大阪交響楽団と
実演する予定です。

残念なのは水曜日演奏会で、場所もザ・シンフォニーホール(大阪)。
大友直人って、意外とマイナーな楽曲を採り上げるんですよね。
彼のロンドン交響曲の素晴らしい演奏会は、今も思い出せるほどです。
(隊長作)


さて、前プロは大好きなパルジファル第一幕前奏曲。
管のロングトーンが美しく、夜空に一番星が
現れる時のような神秘的な音響となる。

と感動していたら、金管のアインザッツが崩れ、
あらら、現実の錦糸町に引き戻された。
しかし、ワーグナー、特にパルジは実に美しい音楽だ。

バルトークは何度も書いているように、よく解からないし、
嫌いな作曲家。残念ながら、今回のヴィオラ協奏曲も
解からなかった。

ヴィオラは愛着ある楽器なだけに、バルトークには
目を瞑って聴いてみたのだが・・・。
(隊長作)

そしてメインは、マラ10。
アマオケとしては2005年の千葉フィル以来。
さすがに6年も離れると、両雄の優劣はつけられないが、
こうやってナマでマーラー10番を聴くと感慨深い。

むかし、マーラー第10番と言えば、第1楽章「アダージョ」。

そう、第1楽章だけの演奏なのに、マーラー第10番(アダージョ)と
堂々と言っていたもんである。それが今じゃ、全曲版が出てくる始末。
本当にアマオケ界は進化し続けている。


さて、個別のことからになるが、
マラ10で重要なパートが実に上手かった。

それはフルートでして、この楽器が鳴り出すと、
今までの流れや世界が変わるほど音に張りがある。
マラ10をこのフルートで聴けたのは、大きな収穫だった。

指揮は好みに合わなかった。
遅いところはタップリと遅く振るのだが、
これが朗々と歌わせるのでなく、
奏者が弾きにくそうに聴こえる。

第2楽章は、かなり残念だった。
一方、弱音部は微細な動きまでクリアで、
CDでは聴けないライヴならではの演奏。

有名な発狂爆発も見事に決まり、
これは脳髄まで痺れた。

6年ぶりにアマオケのマラ10が聴けたわけだが、
次は何年後になるのだろう。


(隊長作)

過去のコンサート感想。

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