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コンサート感想


2011年8月6日(土)13:00 習志野文化ホール
千葉フィルハーモニー管弦楽団 / 金子建志 指揮
 マーラー : 交響曲第3番



金子建志率いる千葉フィル。
おそらく今、千葉で最も充実したアマオケだろう
(それほど千葉には行ってないが)。
(隊長作)

このメルマガが2004年に始まって以来、千葉フィルに行ったのは4回。
2012年6月現在、あれほど行っているダスビやアイノラでさへ7回、
水星6回、ルスコアール5回。

4回というのは、フライハイト、新響、東京楽友、豊島管と同じなのだ。
東京・千葉以外では、名古屋弦楽ゾリスデンが唯一4回。
結構行ったつもりのけいはんなと京フィロでさへ3回だから、
やっぱ4回行っているオケは限られる。

どうして行く頻度が高いのか。それは、選曲が素晴らしいから。

行った演奏会はいずれも難曲かつ珍奇であり、
「マーラー第10番全曲版」「プロコ・シンデレラ」「プロコ・スキタイ&ブル7」。

そして今回の「マーラー第3番」と、
そりゃ聴きに行かざるをえないプログラムだからだ。

ちなみに、2012年はフランク交響曲だから行かない。
しかもカプリングが牝鹿とドンファン、これまた触手が伸びない。
来年に期待だ。



千葉フィルはいつもマーラーやプロコばかりで転がしてるわけではない。
幻想やブラームス、チャイコにドヴォルザークと万遍なく経巡った中で、
プロコやマーラーを差し込んでくる。

このバランス感覚優れた選曲は現実的だし、
こちらは美味しい時だけ津田沼に行けばいい。

津田沼は千葉県といっても、東京駅から三十分余。
新宿からでも五十分足らずだ。
こう思うと、本当に東京の音楽環境は充実している。



話は脱線するが、2012年6・7月だけ見ても贅沢だ。

6月3日、マーラー大地の歌(オーケストラ・ヴィンデ)
6月17日、マーラー大地の歌(弥生室内管)
6月23日昼、エルガー第1番(ルスコアール管)
6月23日夜、プロコ第5番(明大響)
6月24日、マーラー第9番(ジャパン・グスタフ・マーラー・オケ)
6月28日、エルガー第1番(尾高指揮、東京シティ・フィル)※プロオケ
6月30日、ラター「レクィエム」(混声合唱団アネモス)

7月7日、ブラームス/ピアノ協奏曲第1番&交響曲第1番(アイリス)
7月8日、ラフマニノフ交響的舞曲(練馬響)
7月8日、ホルスト惑星(NTTフィル)
7月8日、アッテルベリ第1番(ヴィルトーゾ・フィル)
7月15日、マーラー「復活」(国立音大オケ)
7月16日、マーラー第6番(馬場管)
7月28日、ヒナステラやカーゲル(オレイユ)

全国くまなく調査した訳ではないので地方でも凄い演目が
予定されているのかもしれないが、私の調べた範囲では、
7月15・16日のオストメール(名古屋)のマーラー第8番
くらいしか圧倒していない。

そもそも夏の演奏会はサマーコンサートなどと称するが、
結局ランチみたいなプログラムが多い。

ドヴォルザークとかブラームス第2番などは最たるもので、
最近ではラフマニノフ第2番やシベリウス第2番といった
涼しげな交響曲が増えてきたが、基本は「簡単な」演目を
採り上げるアマオケが多い。

そんな莫大なブラームスやドヴォルザークがありつつ、
上記のような骨のある演目を敢えて夏にブチ込んでくるオケが
東京には多いのだ。

明大のプロコ第5番なんて、夏演奏会の大学オケ演目としては画期的だろう。

(隊長作)

ちなみに・・・、名門大オケの夏の演目を比較してみよう(にやり)。

東大音楽部・・・スコットランド
東大フィル・・・ラフマニノフ2
東大フィロムジカ・・・ブラ4&宗教改革
東大フォイヤーヴェルク・・・ベト7
京大響・・・ベト7
阪大響・・・シベリウス2&3
阪大外国語・・・ブラ1
一橋大管・・・ドボ8
東工大管・・・ブラ3
早稲田響・・・運命
早大フィル・・・悲愴
慶應ワグネル・・・チャイ5
名大響・・・悲愴
東北大響・・・ブラ1
神大響・・・ブラ2&シベ7
九大フィル・・・悲愴
北大響・・・新世界

ふぅ〜、どうです、偏差値が高くったって、プログラムは凝ってないよね。
阪大のシベ3とか、夏に悲愴を採り上げるのは大変なんでっせ!
という声も聞こえてきそうだが、あくまで難易度ではなく
プログラミング的に検証しているのです。

では、明大のライヴァルたちはどうだろうか?

中大音楽研・・・シベ1
青学管・・・巨人
上智管・・・シューマン「春」
理科大管・・・シベ1
法政響・・・田園
立教響・・・ブラ1
同志社響・・・運命
立命館響・・・英雄
関大響・・・運命
関学響・・・フランク交響曲

こんなとこで、どうでしょう?
すっかり調べ疲れてしまったが、大学生の夏演奏会なんてこんなもんなんです。
そう考えると、明治大学・・・素晴らしい。
そして、東京のアマオケたちの、なんと勢いのあることか。



すっかり脱線しましたが、そんな訳で、千葉フィルの選曲は素晴らしいのです。

さてさて、演奏の方はどうだったでしょうか?
まず、全席指定制が気に喰わんかった。
隣席のオヤジが、狭い座席幅なのに短い足だからこそ可能、
足を組んでつま先をこちらに向けて来るんですよ。

私なんてどうやってもあの狭さで足なんて組めません。
もう本当にイライラしました。ギリギリつま先はこちらに当たらないのですが、
私の高価で綺麗なズボンにいつ当たるかとハラハラ&イライラの連続。

私は足を組んでる人を見ると、「ああ、あの人はおしっこをチビリそうで、
我慢してるんだな。かわいそうにな。たいへんだな。」と思うようにしています。

そんなイライラした気持ちでマーラーを聴き始めましたので、
ちょっとしミスが余計に気に障りました。

いつもならそれほど気に障らないミス、高音のミスや
目立つシーンに限っての痛恨のミスなど、いつもなら
「そこならミスったってしょうがねえやな」と
やさしく抱擁できるんですが、隣席のつま先でイライラするんで、
我慢もきつかった。

演奏時間110分、これを緊張感持続させることは並大抵ではない。
休憩なしのぶっ通し、数々のミスが聴衆の集中力も欠いてくる。
マーラーの3番は圧倒的にソロが目立つシーンが多過ぎて、かつ難しい。

本当に大変な演奏だったろうと思う。
そうは言っても、恐れていてはいつまでも演奏できない。
思い切って、取り組んだ姿勢に拍手したい。

ちなみに。
隣席の足を組んでいたヤツをのさばらしといてはいけない。
こちらも無理に無理を重ねて、ヤツのズボンぎりぎりまで
つま先を伸ばしてやった。

でもヤツはこちらのつま先に一向気にならないようで、
単細胞はつくづく幸せだなぁと羨ましかった。
(隊長作)

過去のコンサート感想。

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