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コンサート感想


2011年9月10日(土)14:00 埼玉会館大ホール
DSCHフィルハーモニー管弦楽団 / 米崎栄和 指揮
 ショスタコーヴィチ : ピアノ協奏曲第2番
 ショスタコーヴィチ : 交響曲第5番

(隊長作)


なかなか訪れる機会の無い、今回は埼玉の浦和。

むかし大宮に縁があったのでよく立ち寄ったけど、
駅西口は基本、変わってない。

西口にあったユザワヤが東口のパルコ3階に移転したため
潰れているのが寂しいくらいか。

浦和駅西口の商店街は独特の造りになっていて、ホッこりする。
まず駅前に伊勢丹とコルソがデーンと聳え、街の顔を作っている、
決して田舎じゃないよ、と。

その裏に縦横に商店街が広がっているが、これがせせこましくなくていい。
シャッター商店街でもなく、大賑わいでもなく、そこそこの買い物客が
ブラブラリと楽しんでいる。

大宮や吉祥寺ほど人手は適わず、それでいて
ウロウロしてみたくなるような町並みも持っており、
愛着のある人は多いと思う。

久々の浦和なので鳥ソバを食べようと調べていったが、定休日?
飲食店はいくらでもあるので、良さげな店に入ろうとウロウロしました。
夜はかなり高そうな店構えですが、ランチメニューの立て看板が安心料金です。



炭火焼肉「朱苑」に入りまして、焼肉ランチ1,480円をチョイス。
数あるメニューの中でも高いものを選んだんですが、
これは料金異常のCPでした。



旨くて柔らかい肉がこれでもかとテンコ盛り、キムチなど小鉢三種、
わかめスープ、ドリンク、杏仁豆腐までついている。
これは良かった、次回もここに来たいと心底思った。



(隊長作)

駅から西へ十数分ほど歩くと、埼玉会館に到着。
県立図書館と並立した文化ゾーンを形成しているが、どちらも古い。

この古びたホールの方が音響的には好ましいのだが、
さいたま市の発展は順調なので、いずれ新築しちゃうのかなぁ。
このままの方がきっと(音響的には)良いように思う。



2004年5月の埼玉大管演奏会、曲目はメンデルスゾーン第3番を
聴いて以来なので、実に7年ぶり。

あの時は「うなぎ祭り」なるものが開催されていて、
あれから7年も経っていたとは、時の経つのは早いものです。
あの時演奏した学生さんも、今じゃ三十路手前なんでしょうね。


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さて、感想。
サプリメント会社みたいな楽団名「DSCHフィル」ですが、
ショスタキストならすぐピン!と来ますよね。

これは、ドミトリ(D)ショスタコーヴィチ(SCH)の略語でして、
バッハがBACHというスペルを音階にして作品に盛り込んだ技法を
タコも踏襲したのです。

ショ(SCH)だけじゃ足りないんで、頭のド(D)を付けるという
苦肉の策が泣かせます。

ちなみにSはEs(エス)に読み替えるという、
更に涙ぐましいこじつけです。

本楽団はショスタコの第5番をやろうと集まったオケですが、
2012年も無事第2回演奏会を企画しているようです。
ただしメイン曲は早くもタコの交響曲ではなく、
サン=サーンスのオルガンつき。

タコは中プロで生き残ってるんですが、交響詩「十月革命」を
やってくれるので、なかなかしぶといプログラミングをしてくれます。

ちなみにこ、この日はイイ演奏会が重なってまして。
オーケストラ・ディマンシュのJ・ウィリアムズ特集。
都民響がマーラー「復活」。
私はスター・ウォーズに目が無いので行きたいんですが、
十月革命も珍しいので悩ましいところです。



演目は2曲構成で、前半はピアノ協奏曲第2番。
プロコのPコンは大好きですが、ショスタコのPコンはほとんど聴いていない。
Pコン第1番が「ピアノとトランペットのための」曲なので、
あれが悪印象になっているのかもしれない。

正直全然面白いと思えない。
そんなわけで第2番もほとんど聴いていないのだが、
こうやって実演に接してみても、ほとんど感興を覚えなかった。
結構面白い曲ではあるんだけどね、作品番号102と後期の作品でもあるし。

こう書くとタコのPコンは難しくてワカランと想像されるかもしれないが、
そうじゃない。解り易すいことは間違いない。

チマチマした楽想、パーツが多く、ショスタコが神となる情念みたいな勢いが
ない。第2楽章はロシア映画で使えそうな叙情味たっぷりな音楽だが、
決定的な旋律、たとえば24の前奏曲とフーガでふんだんに溢れまくっているほどの
名旋律が登場してこない。

雰囲気で包み込むような作風で、その世界観を味わうべきなのだろう。
幻想的な弦のヴェールが霞んだあと、ピアノが静かに語り出すんだが、
ここで名旋律が歌い出したら素晴らしい名作になれただろうに。

演奏面では木管群のキレがいい。特にファゴットが上手いね。
ピアノ演奏は淡々とサラリとした演奏で、私は好きなスタイル。


紙プログラムには「裏」プログラムなるものが挟み込まれてまして、
これが卒業文集ノリで面白かった。

学生時代ずっと第5番ををやりたいと言い続けていた人が発起人なんですが、
卒業して社会人になったため遠方に赴任となり、本演奏会に参加できなかった、
とか。

私も卒業後、大学近辺に配属されていれば、大学オケOBとして演奏会に
参加し続けたかったので、この状況は良く解る。
若い時ほど地方赴任の可能性ってあるもんね。

そんな裏話もあってか、メイン第5番の演奏はさすがの圧巻。
演奏したいという「気持ち」に勝るものはない、というのは
こういう演奏を言うのでしょう。

弦がまだまだな箇所もあったし、ホルンの難所はやっぱり厳しかったりと
細かなミスは数あれど、感動してまった。

ティンパニが楽曲を良く解っていたし、敢えてキレイな演奏に
安住しない姿勢が良かった。

設立の理想がそのまんま演奏の成果に結晶した、
素晴らしい第1回演奏会だった。

この気持ちを、第2回以降につなげれば「埼玉にDSCHあり」と
話題になって行くのではないだろうか。

(隊長作)

実に嬉しい気分になったのと、夕方ともなりましたので、
帰り道で「かしら屋」に寄りました。



ここは浦和で知らない人はいないと言うくらい有名な焼きとん屋。
味噌ダレをつけて食べるんですが、このピリ辛味噌が絶品で、これ、
どこかで売ってないでしょうか?



一串づつ焼いてくれて、ストップするまで出て来ます。
旨すぎるので、十本くらいはアッという間です。

他のメニューも挑戦したいのですが、ココに来たからには
焼きとんを食べておかねばと、いつも焼きとんばかり食べてしまいます。



過去のコンサート感想。

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