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コンサート感想


2011年10月26日(水)18:30 早稲田大学大隈記念講堂
早稲田大学交響楽団 / 杉原裕美 指揮
 モーツァルト : 歌劇「偽りの女庭師」序曲
 モーツァルト : 交響曲第1番
 エルガー : 威風堂々第1番
 ワーグナー : 楽劇「 ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕前奏曲
 東儀鉄笛 : 早稲田大学校歌  ほか

(隊長作)


東京の大学には、有名建造物が非常に多い。
東大の赤門・安田講堂を筆頭に、慶應の図書館に塾監局、一橋の兼松講堂。
関西だって結構あるぞ。

京大の時計台、同志社のクラーク記念館、関学の時計台などが
思いおこされるが、大講堂と云えば早稲田の大隈講堂だろう。

東大安田講堂、一橋兼松講堂と並んで大学の三大講堂と云えるが、
今回その中で初めて大隈講堂で演奏会を聴いた。



レトロな外観は内部も徹底されており、例えばトイレのような細部まで
白壁に丸窓が統一され、どんなに些細なところでも趣向を疎かにしない拘りがある。

講堂という事もあって、音響は抑制気味。
講演講話が響きすぎると講堂にならないんだから、音響抑制は当然なのだが、
最近の響き過ぎる音楽ホールより、余程好ましい。

サントリーホールや東京芸術劇場で外来オケを楽しむのもいいが、
大隈講堂や日比谷公会堂みたいな古いホールをチェックして
演奏会を見つけるのも楽しいものだ。



さて、この日は高田馬場駅からブラリ。
馬場と言えば最近好きなのが塩ラーメンの「道玄」と焼き鳥「鳥やす」なのだが、
折角早稲田まで歩くのだから早稲田界隈の安食堂で喰おうと我慢。

馬場から早大まで早稲田通りを歩いたんだが、ダラダラとした延々の登り坂。
運動不足の身には堪えるが、いい運動になる。

通りの両側は古書店が散在していて、あっちに寄りこっちを覗きと、
古本好きにはたまらない。ただし学術系、しかも文学系が多いので
チト好みではない。

早稲田通りをウンショコ登ってゆき、大隈講堂へと曲がる交差点に
「キッチンオトボケ」はある。

絵に描いたような「ザ・学食」といったお店で、こういうお店が大好きだ。
きっと子供の頃、安い食事が出来なかったから、安物に憧れが強いのだろう。
(隊長作)

わたしはカツカレー600円、隊長はカニコロッケ定食500円をチョイス。
もちろんカニコロッケとはカニクリームコロッケのことであって、
タラバカニを丸々贅沢にミンチしたコロッケの事ではない。
カレーのルーが銀皿ギリギリまで盛ってあって、B級感が素晴らしい。



味はいたってシンプルで、予想外でも想定外でもないけれど、
安心して週一ペースで行きたくなる安定感がある。

早稲田界隈に下宿して、こういった行きつけを何軒か持って、
ぐるぐる回る学生ライフを送りたかった。

ちなみに、私の大学近辺にも、安過ぎる定食屋があり、
汚く歳老いた老夫婦が、ボリュウム勝負してる学食があった。

ベトベトの焼きうどん定食(380円)が、何故か気に入り、
まっ黄色なタクアンを、直接大盛メシの上に乗っけて出してくれる店だった。

3年前この店の前を通ったんだが看板は既に無く、汚い民家みたいに
寂れていた。多くの運動系学生に愛された定食屋だっただけに、
なんとも悲しくなったものだ。
(隊長作)

さてさて、演奏会。上記プログラム以外では、

ドヴォルザーク/スラヴ舞曲第1番
チャイコフスキー/「白鳥の湖」ワルツ
古関祐而/紺碧の空

と1曲?な曲が混じってますが、ほとんどは入門編。
学内の大講堂で無料演奏会を開き、広くオーケストラの魅力を
味わって頂こうという趣向。

題して「早稲田文化・芸術週間特別演奏会」。
実はたまたまこの日、代休が取れまして、前々から一度は入ってみたい
と狙っていた大隈講堂だったので、曲目には目をつぶり、聴きに行ったのでした。

モーツァルトってよく耳にするけど、交響曲第1番ってどんな曲?
というリクエストに応えるかのような選曲だし、
「偽りの女庭師」序曲は実に珍しい。

実演で聴いたのは、これが初めてじゃなかろうか。
しかしモーツァルトは両曲とも全く詰まらなく、坂道(早稲田通り)を
登り切ってカツカレーで満腹になった後だったので、モーツァルトが
睡魔となって襲ってくる。

モーツァルト第1番は七歳児が作ったそうで、天才の証かのように
喧伝されるが、もしこの第1番だけでモーツァルトが早世してたら
誰も天才だったとは判らなかったろう。

しかし休憩後のチャイコ(白鳥の湖ワルツ)から俄然面白くなった。
学生奏者にチャイコ・ファンが多いのか、ガンガン低音が来る良い演奏だったし、
ワーグナーはカクカクしつつも押しの強い演奏で楽しめた。
威風堂々もテンションが高く、モーツァルトとは打って変わった演奏だった。



早稲田大学校歌で締めるというのがいかにもエリート臭くて鼻白んだが、
母校愛がここほど高い学校も少ないだろう。

私なんて母校愛なんて、全然ないもんね。
隊長は早稲田校歌で、バカボンが浮かんでしょうがなかったと苦笑していたが、
今や押しも推されぬ私学の雄となっているんだから、バカボンの「都の西北、
ワセダのとなり♪」も笑って聞き流せよう。

何はともあれ、憧れの大隈講堂で演奏会を聴けた。
いずれは安田講堂と兼松講堂に突撃するでしょうから、こう御期待!


(隊長作)

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