MMF

コンサート感想


2011年10月30日(日)14:00 オリンパスホール八王子
八王子フィルハーモニー管弦楽団 / 大浦智弘 指揮
 シベリウス : フィンランディア
 シベリウス : ヴァイオリン協奏曲
 シベリウス : 交響曲第5番

(隊長作)


今から1年少し前、オリンパス事件が巷で話題となった。
音楽愛好家としては、八王子のオリンパスホールが開館した後だっただけに、
あの名称はどうなるの?という予想が働いた。

2011年4月、施設命名権を取得してオリンパスホール八王子と名づけられた。
それまでは八王子市民会館という古式ゆかしい会館だったが老朽化激しく、
八王子南口再開発に伴いサザンスカイタワー八王子の完成と併せて
現在地に移転したのだ。

それまでは八王子駅から十分以上南西に歩いた場所にあった。



私は偶然、旧市民会館末期の演奏会にも行った縁で、旧ホールと新ホールの
聴き比べが出来たのが貴重な体験となった。



しかし再開館半年でスポンサーのドタバタ劇が起こり、
どうなることやらと注目したわけだ。結局あれから1年、
なんとかオリンパスホールは名称を維持しており、
落ち着いてきたようだ。

例えばサントリーホールのように、今さら港区区民会館とか
溜池山王ホールとかに名称変更したら、全く違和感極まりない。

渋谷CCレモンホールが渋谷公会堂に名称を戻したのはシックリくるが、
「オリンパスホール」とはなかなか格好良く、是非いつまでもこの名称で
頑張ってもらいたい。

(隊長作)

さて、久々の八王子。
八王子に行った半分は立ち寄ってしまうハンバーグ&ステーキがある。
「紅矢」というチェーン店なのだが、京王八王子ショッピングセンターの
空いた飲食店街にあるのがいい。

八王子北口にはブックオフがあり、まずはココに立ち寄る。
ほとんど得る物はないのだけど、ブックオフの見逃せない点は、その回転力。

数ヶ月もすれば並ぶ書物の何割かは入れ替わり、もしかしたら探している本が
入っているかもしれない。それと、バスに乗らなければ行きつけないが、
ブックセンターいとう元八王子店だ。

ここは苦労してだけ行く価値があり、行けば必ず収穫がある。



話は戻って「紅矢」なんだが、、ここのステーキは脂身控え目の
ヘルシーやわらか牛なんで、カロリーが心配な私も安心して2枚食べれる。
この日は昼食という安心感もあり紅矢コンボ(ハーフステーキ&ハンバーグ)
850円をチョイス!



ライスが無料でついてくるお得感もある。
しかし休日に来るからか、いつも店内は空いており、どうしてこんなに旨いのに・・・?

(隊長作)

オリンパスホールは初突撃。
JR八王子駅2階から綺麗なビル(サザンスカイタワー)に直結しており、
ホール入口4階まで長蛇の行列が出来ている。

基本、いつも当日券を買っているので「せっかく八王子まで来たのに、
こりゃ入れんかも・・・」と不安になったが、案の定いつもどおり入場できた。

開場前の長蛇の列は、相当長くても大概は入場できる。
今までアマオケで入場できなかたことは・・・無い。

東大音楽部(文京シビックホール)でむかしギリギリだったし、サントリー
ホールで「復活」をやった時も危なかったが、最後の最後は入れて貰えた。
これは招待券配り過ぎによる事が多く、結局は全席埋まることは滅多にない。
ちなみに、我が母校オケは全席埋まった事があり、それはもう大変な騒ぎだった。



さてさて、フィンランディアで開演したのだが、兎に角もう凄い音響だ。
これぞワンワンッ!という響き過ぎで、新しいホールのほとんどがこの傾向であり、
八王子もまたかくの如し。

クラシック音楽の響き=ボワンボワンと思い込んでいる人が多く、これは
ウィーンのムジークフェラインの(悪)影響が大きい。

あの名ホールの音響を我がホールにも!と要求するからこうなるんだろうが、
ごちゃごちゃした演奏をワンワンした音響下で演奏すればどうなるか
考えないのだろうか?

名演奏家の美音を柔らかく響かせるからこそ、美しく響き渡るのであって、
濁った音を増幅すると濁声(だみごえ)がドラ声になるだけだ。

ドの音と言ってもドからレまで無限に音階は連続し、ドを1、レを2と
数値化すると、0.9とか1.1で平気で弾いちゃう人は多いのだ。
そんな0.9から1.1までの集合体で擬似1.0を出している音を音響で
膨らませてしまうわけで、なんとも言えない濁った響きになってしまう。

ウィーン・フィルは純度1.0の音、もしくは0.98くらいから1.02あたりの
絶妙な音域に凝縮させており、それを共鳴させることで更なる艶と膨らみを
産み出すんだが、そんな音を出せるんなら、とっくにプロになっている。

(隊長作)

シベリウスの協奏曲。
ソリスト、オケともに大変な、難しい曲。
ノリが良くないと駄目になる難所がたくさんあり、ソリストもオケも
それぞれが一本の芯を持って突き進まないと、サマにならない。

どうしてもズレを恐れてしまい、揃える事に懸命になってしまう。
かと言って、自己中心に飛び込んだら、たやすくズレよう。

プロオケなら多少のズレでも挽回できるが、アマオケでズレたら
即死する可能性もあり、どうしても慎重運転にならざるをえないのだろう。

隊長は本曲がとても好きで、この曲をやってないか
よくチェックしているそうだが、アマであまりお目にかからないのは
上記のような難しさが多いからだと思う。


メインはシベリウスの第5番。
この曲があったればこそ、このホールに来たのであって、
地方オケが採り上げるには珍しい曲。

きっと団内に猛烈な愛好者がいるからだろうが、今後も是非
シベリウスの珍しい曲、例えば第6番とかクレルヴォとか目指して欲しい。

演奏は時にカオス化することもあったが、総じてVコンより完成度が高く、
今にして思えばVコンはソリストとの合奏練習時間が少なかったのかもしれない。

アンコールは今やシベリウス演奏会の定番、アンダンテ・フェスティーヴォ。
今から5〜6年前は滅多に演奏されることも無く、これほど単純ながら美しい
小品は少なく、どうしてアンコール・ピースとして多用されないのか!と憤懣
やる方なかったが、最近は「またコレ・・・」と不謹慎な感想を抱いてしまうほど。

まだアンダンテ・フェステーヴォを聴いた事がない人は・・・今では
珍しいでしょうが・・・是非聴いてみて下さい。

あまりの美しさに、きっと演奏したくなりますよ。



(隊長作)

過去のコンサート感想。

inserted by FC2 system