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コンサート感想


2012年2月4日(土)14:00 東京藝術大学奏楽堂
東京藝大の生徒たち(全7組)
 フォーレ : ピアノ四重奏曲第1番
 シューマン : ピアノ三重奏曲第3番
 ベートーヴェン : 弦楽四重奏曲第11番「セリオーソ」
 ベートーヴェン : 弦楽四重奏曲第9番「ラズモフスキー3」 ほか全7曲

(隊長作)



一度行ってみたかった藝大室内楽定期。

土日の二日連続あるのですが、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲に
魅せられて第1日を選びました。

家から近けりゃ、2日目も行ったんですがね、
なんせ7曲(3時間余)も楽しめて、たったの1,500円。

学生演奏とはいえ芸術家の卵たちで、あまりにも安くてお得な演奏会。
ちなみに2日目は、弦楽四重奏がシュニトケ、チャイコ、ドビュッシー、
ピアノ三重奏がフォーレとラヴェル等でした。

奏楽堂は二つあるようでして、旧奏楽堂と今回の(新)奏楽堂がある。
旧奏楽堂は老朽化したため、解体し上野公園(藝大の向かいあたり)に
移築再建されましたが、平成25年4月建物保全のため休館しているそうです。

無理無理でも行っとくべきだった・・・。
(隊長作)

旧の方で演奏会が行われていた事は知っていたが、
大管弦楽が好きなので、聴かず仕舞いだった。

そんな旧奏楽堂を過ぎた斜め向かいに藝大正門があり、
まっすぐ進めば(新)奏楽堂が見えてきます。体育館のような外観!



いつもそうですが、初めてのホールは興奮します。
最近ノリ鉄とか撮りテツといった鉄道ファンが息巻いてますが、
私のようにアマオケ・ヲタとかホール・ヲタとかきっといると
思うんですよね。

どころか、日本全国、いや世界のほとんどのホールで演奏会を
体験しているヲタなんてのがいるかもしれません。
そういう人ほど、奥ゆかしく表に出て来ないもんです。
そういう人にこそ、ホール設計者は意見を求めるべきでしょうね。

なんでもかんでも、ムジークフェラインみたいに響けば良いってもんじゃねえ。
ウィーン・フィルが演奏してこそムジークフェラインの残響は活きるんであって、
もともとぼやけた合奏がホール残響で増幅されれば、何が何やら判らなくなります。

(新)奏楽堂の内部は壁面が板張りですが、
2階の両サイドは厚い布が垂れ音を吸収させています。

こういった仕組のホールは、大変珍しく、藝大だけあって
音響研究しているようです。外観と違って内部は意外と広く、
座席数1,102席。客入りは一階七割、二階半分といった入り。
もう一度言いますが、1,500円でコレは勿体無い。



さて、感想。
まずはフォーレが楽しかった。
むかしはラヴェルとドビュッシーの弦楽四重奏をセットにしたCDを良く聞いたが、
いつしかフランスものはフォーレの室内楽ばかり聴くようになった。

これはブルックナーの交響曲と通底するものがあって、
フォーレの室内楽は一曲一曲は違えど、どれもがフォーレしていて、
彼の臭いがムンムンしている。

今回演奏されたピアノ四重奏曲第1番は、作品15と言われるだけあって
若書きの作品だけど、若きフォーレの意欲がガンガンくる。

若者らしい新語法が散りばめられ、終楽章の諧謔性なんかは、
ショスタコのノリすら感じる。

フォーレがショスタコと同様の年代・境遇にあったとしたら、
彼はソ連の社会でどんな変質を迫られていただろう。
いや、この若書きの柔軟性からすると、ショスタコやプロコとも
張り合うような逞しさを露出してたかもしれないぞ。
そんな愉しい夢想に浸るのでした。

演奏は学生とは思えぬ重厚さ、特にヴィオラ(松村早紀さん)の
歌い方が深く、今回のヴィオラの中でも彼女が最も良かった。

そしてトリを務めた最終団体は流石、ベートーヴェンの
ラズモフスキー3は圧倒だった。

巧さが圧倒的で、今日のメンバーの中から将来成功する人が出るだろう。
特に1st(長尾春花さん、2013年現在:シンフォニエッタ静岡、
ソロ・コンサートマスター)の音色はコロロロと謳う
ナイチンゲールのような美しさで、この美音は素晴らしい。

テンポも早く、ラズモフスキー3に求められる颯爽さが
描かれた名演だった。

長尾さんのHPを見つけ、演奏スケジュールをみると予定ビッシリ。
料金的に聴きやすいのは、2013年11月4日の多摩管(メンデルスゾーンVコン)
だろう。どれほど凄いんだ?と思った人は、是非聴きに行ってみて欲しい。


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久々に上野に来たので、何を食べて還ろうか。
でも上野は余り知らないんだよね、有名店は超老舗高級店が多いし。
私は、安くて旨いを信条としているんです。



てなわけで、東側で困った時は三州屋銀座店。
銀座店って言っても、有楽町からプランタンを越えた銀座みゆき通りの
路地にある東有楽町という感じ。

ここでフライ定食とビール、それに銀むつ煮込みも頼んじゃう。
何度食べてもここのフライ定はプリプリで、ソースをドバドバ、
レモンをかけて、付け合せのフルーツ入りポテサラがこれまた旨い!
これが千円だなんて、銀座でココまで旨くて安いものは無い。

(隊長作)

過去のコンサート感想。

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