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コンサート感想


2012年5月6日(日)13:30 大田区民アプリコ・ホール
マイクロソフト交響楽団 / 山口琢也 指揮
 モーツァルト : フルート協奏曲
 ニールセン : 交響曲第2番「4つの気質」

(隊長作)



2012年、ゴールデン・ウィーク最終日なのにハシゴ。
暑い。雨もウザいが、暑くてウザい。でも、ハシゴをせざるをえない。

ニールセンの交響曲と復活(マーラー)が昼夜とあれば、両方行かざるを得ない。
名古屋や大阪ではありえないダブル・ヘッダーだ。東京がなんぼのもんじゃい、
と言う人は多いが、アマオケがこういう事をやってしまっている現象が東京にはある。

地方オケだとたまにある、企業オケながら司会付きコンサートだった。
クラシック初心者にも解りやすく、というコンセプトで続いているんだろうが、
この道ウン十年の私にとってはカッタルイ限り。

指揮者、ソリスト、楽団代表が話していた。



子供たちの聴衆も増やそうということか、年齢制限は無し。
この日の演目は、上記ニールセンとモーツァルト以外、
ベートーヴェン(エグモント序曲)と、メンデルスゾーン(フィンガルの洞窟)でしたが、
子供は、どうしてたと思います?

(隊長作)

意外や、モーツァルトで一番騒ぎ出したんですヨ。
興奮して騒ぎ出したのでなく、詰まらなさにアチコチで火の手が上がった。
これがニールセンだったら、怒鳴りつけてやるところですが、
モーツァルトですから、私も子供に同感。

彼らは、本能的に詰まんないと感受するんでしょうね。
どうせ子供のくせに、クラシックに連れて来られるような家庭に、
ろくな子供は育ちません。

自ら、自発的に音楽を聴きたい、もしくは親の目を盗んででも
クラシックを聴くような家庭環境じゃないと、
本物の音楽好きは、生まれません。

親に餌を与えられても、ちっともありがたみが解りませんからね。

(隊長作)

ちなみに、モーツァルトのソリストは当楽団団員とのこと。
大変立派な演奏で、彼が子供を退屈させたのではない。

モーツァルトが、子供に刺激を与えられなかったのです。
膨大な情報量と刺激に満ち溢れた現代に生きる子供にとって、
モーツァルトは、刺激を与え切れないのでしょう。

エグモントは古臭い解釈、ロシア風演奏。・・・実に面白かった。
前プロは時間合わせみたいなもんで、練習も中途半端で、
時間の無駄みたいな演奏が多いが、MSは違った。

指揮者か団員に思い入れがあるようで、本気モードのイケイケ演奏。
うるさくてかなわん音量だったが、俄然、演奏会に期待感が膨らんだ。
こういう「つかみ」は、演奏会という祭には大切だ。



さてさて、ニールセン第2番。

一時、ロジェストヴェンスキー指揮のブルックナーや
シベリウスの爆演が面白くて愛聴していましたが、
褒めちぎって書けば、そんな演奏です。

楽譜を忠実に、失敗を恐れた演奏は面白くも何ともありません。
それより今回のようにブッ放した金管咆哮しまくりの方が面白い。

同年GWに聴いたばかりのモロソフの鉄工場を、
ニールセンで思い出すとは何と言う演奏か。

アプリコホールの響き過ぎる劣悪音響が輪をかけて、
フォルティッシモかつ高速モードでは音と音がぶつかり合って
反響し合って響きが増幅に増幅を重ね、もう凄いことになってました。

これを楽しい♪と感じるか、うるさい!と感じるかは人それぞれだが、
私には楽しかった。



第1楽章は、いきなり元気溌剌オロナミンCなのだが、
ここを上手くこなせたので、指揮者の手綱捌きはなかなか。
山口琢也、なかなか良い。

金管が元気過ぎるせいもあるが、弦が少し弱い(と相対的に感じるだけか)。
金管がデキ過ぎると嘆くのでなく、金管と張り合うほど弦も音量を出せれば、
このオケは、目を剥くような演奏を始めるだろう。

アンコールは、ニールセンのヘリオス。アンコールまでニールセンを
持ってきてくれるとは、何たるサプライズ。
どうせなら仮面舞踏会の方が良かったが、贅沢は敵だ。


※マイクロソフト交響楽団は、2014年、
会社と関係を持たないフェンスター管弦楽団として
改組・再出発しております。何かあったの?




(隊長作)

過去のコンサート感想。

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