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コンサート感想


2012年5月6日(日)20:00 杉並公会堂
モーニング・フィルハーモニー管弦楽団 / 小柳英之 指揮
 マーラー : 交響曲第2番「復活」

(隊長作)

最近、心配している。
2014年5月6日、モーフィルは第15回演奏会(大地の歌)以降、
次回演奏会予定を発表していない。

年1回演奏団体なら騒ぐことではないが、数ヶ月おきに
演奏会を繰り返してきた当楽団に何かあったのか?



単なる充電期間だったらいのだけど、あれほど高品質ハイパー演奏会を
連続して無料提供してくれていた稀有で有り難い楽団だっただけに、
このまま遠のいてしまうのは、絶対避けて欲しい。

やりたい大曲は大方やりつくしてしまったのかもしれないが、
是非、私のためにも演奏会を続行して欲しいものだ。

この楽団のもう一つ素晴らしい点は、演奏時間。
設立当初はホール使用料の格安なモーニングにホールを利用しようと
企画したのだろうが、いつしかそんなコンセプトは崩れ、
夜7時や8時に開演する事が一般化した。

これは演奏会ハシゴしたい私にとって、願ってもない開演時間。
日曜演奏会とくれば、ネコも杓子も14時決まっているが、
みんながみんな14時にすると演奏会がぶつかってしまう。

例えば今度の2014年7月27日。
・14時:上野の森交響楽団:ブルックナー第6番
・14時:ワグネル・ソサエティ・OBオケ:ブルックナー第8番
・13時半:オーケストラ・ダヴァーイ:ショスタコーヴィチ第11番

どうです?憤慨ものでしょう!
上記演奏会が、せめて演奏時間がずれていたら、電車に飛び乗って
錦糸町から池袋だろうが中野だろうがハシゴします。

ブルックナーは演奏されてますが、第6番や第8番はまだまだ少ない。
しかも大好き。
行けるものなら、ぜんぶ行きたい。
そんな人が、大勢いることでしょう。

しかし、ここに来てショスタコの11番をぶつけられちゃあ。
しかも、タコ11は「森口スペシャル」と銘打った、指揮者懇望のプログラム。
きっと大当たりする予感がします。

話は脱線しましたが、そんなわけで、素晴らしい演奏会を企画しても、
他楽団の名プログラムと重複するとお客の取り合いに陥ってしまうのです。

その点モーフィルはかぶらない。
モーフィルとかぶったとしても、モーフィル以上の演目を
ぶつけられる楽団はそうそういませんから。

そんなモーフィルに、マイクロソフト管弦楽団終演後、
蒲田から荻窪まで移動。
開演20時までには、たっぷり時間があります。
杉並公会堂の西向かいに熱心なカレー屋があります。



多くの街でそうだけど、インド人が経営しているインド・カレー屋って、
呼び込みが凄い。

よほど家賃が高いのか、故郷への仕送りに励んでいるのか、
実にインド人は頑張っている。

私は辛い料理が大好きなので、インド・カレーとか
韓国料理とかタイ料理とか大好きだ。
アジアンキッチン「クマル」といいます。



店員の愛想が半端なく、まあよくしゃべること。
カレーは日本人向けにマイルドに調整されており、店員が気さく過ぎるんで、
もうちょっと辛くしてよとか簡単に調合してくれそう。

杉並公会堂はよく行くが、店の前で店員が寂びそうに佇んでいるのを見ると
「今日は焼肉に行くから駄目だ」「今日は焼き鳥を喰うと決めてるから駄目だ」
といつも心の中で謝ってしまう。今度こそ再訪してあげようとは、考えている。




さて、復活。
私の「復活」実演体験の中で、かつてこれほど「がらんがらん」なホールで
復活を堪能したことはあるだろうか?

もう滅茶苦茶、空いていた。
最近のマーラーはベートーヴェンやブラームス以上の人気で、
しかも解りやすく格好良い「復活」「悲劇的」「第9番」なんかは大盛況。
特に、復活は合唱団の一族郎党がガヤガヤと来るので民度が落ちてしょうがない。

合唱付き音楽が大好きなのに、民度の低い聴衆が多くなるので
大抵イヤな気分にさせられる。
こんな気持ちは、演奏者は知らないでしょうね。

ところが、今回の復活はガーラガラ。
民度がどうのより、周りに人が座ってないから自宅でオーケストラ演奏を
楽しんでいるかの快適空間。

私個人は幸福でしたが、演者や合唱団員はあまりの不入りに驚き
哀しかったでしょうね。だって全く周知活動してないんだもん。

復活やるよーとパンフをバラ撒けば半分以上は埋まるけど、
パンフを作ったりチェックしたりどこで配るだの問い合わせに苦慮したりで、
そういった演奏以外に心と時間を割きたくないんでしょうね。

よっく解ります、その気持ち。社会人がオケを運営するのは大変です。

純粋に演奏を楽しみ、成功させたい。
でも、演奏会には客がやってきて、もてなしの対応を要求される。
無料演奏会でも文句を言うヤツはいるし、無料と言ったって客だって
交通費往復千円くらいかけて行っている。

何より貴重な休日、数ある演奏会の中から一つを選択し、
それに賭けて時間を注ぎ込んでいる。

そこらへんの演奏者と聴衆の気持ちがズレると不満が出たり、
お怒りに発展したり。

そういった面倒な、演奏から懸け離れた、もてなしを要求される部分を
バッサリ切ったのがこの楽団の特徴だ。
その反面が、復活演奏会なのに聴衆惨憺たる結果になっている。

モーフィルが第16回演奏会を企画しない?のも、
こういったあまりな低視聴率にやる気が萎んだのかもしれない。

私も含めた二百人ほどの聴衆は、それでもモーフィルを堪能し、
支持してんだがなぁ。



(隊長作)

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