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コンサート感想


2012年5月26日(土)18:00 なかのZEROホール
豊島区管弦楽団 / 佐々木新平 指揮
 ベルリオーズ : 序曲「ローマの謝肉祭」
 伊福部昭 : シンフォニア・タプカーラ
 シューマン : 交響曲第2番

(隊長作)

所沢ミューズでタコキュー(国分寺フィル)を聴き終えた我々は、
土曜の夜を満喫すべく、中野に移った。



所沢といっても、高田馬場まで急行で三十分。
馬場から東西線で中野へ、たったの6分。
乗換え時間など加味しても、小一時間も掛からないんだよね。

中野駅からなかのZEROホールまで徒歩十分。



想定以上に早くホールに着きそうなので、
何か喰っておこうとホールまで物色しながら歩いた。

蕎麦屋、寿司屋、カフェなどポツポツあるけど中休みが多く、
ちょっと食べられる地元グルメは無いかな・・・と?!

そんな時に選んだのが、カレーハウス「アール・ディー・ワン」。
見た目は家庭的なカレーライスで、甘口かなと思って食べると
思いがけない辛さ、本格派。



でも辛さがこれまた嬉しい旨さで、サラダとスープが
セットで580円(チキンカレー)。



今回の演奏会目的は、隊長が大好きな伊福部狙い。
伊福部昭はシンフォニーを数多く残している。

・協奏風交響曲
・シンフォニア・タプカーラ
・SF交響ファンタジー
・交響ファンタジー「ゴジラVSキングギドラ」
・交響的音画「釧路湿原」
・交響組曲「わんぱく王子の大蛇退治」など。

これらの交響作品で一貫しているのは、
一曲たりとも「交響曲」としていないことだ。

きっと頑固なこだわりがあったんだろう。
しかし現代の交響曲人気は異常で、もし上記作品群が

交響曲第2番「タプカーラ」
交響曲第3番「SFファンタジー」
交響曲第4番「ゴジラ」
交響曲第5番「釧路」
交響曲第6番「大蛇」

など、シンプルなネーミングだったら、交響曲全集なんか
録音されやすかったろうし、伊福部ツィクルスなどと謳って
実演機会も多かっただろう。

伊福部さんの確固たる意思があっただろうからどうしようもないが、
一曲一曲がバラバラで俯瞰され、気に入られた「タプカーラ」とか
「交響譚詩」などだけ再演されいるのが現状だ。



以前も書きましたが、地域名を冠した楽団はそこら中にある。

東京23区になると、区名の付いた楽団が全部あるんじゃないだろうか?
もし無かったとしても、その区を代表する駅名や地名を楽団名に
織り込んでいる。

それだけに地域で結びついた集団なので、選曲が万人向けと言うか、
超名曲揃いと言おうか、どうにも私には合わない選曲が多い。

しかし、いくつかの区名オケの中には目を見張る楽団がある。
その一つがこの豊島区管であり、今までもマーラー第5番(2004年)、
ニールセン第4番(2008年)、ブルックナー第2番(2014年)と
聴いていている。

今年冬(2014年12月)もバーンスタインのシンフォニック・ダンスと
ジョン・ウィリアムズのオリンピック・ファンファーレ他といった
面白いプログラムが用意されている。



今回の演奏で特徴的だったのは、序曲からテンションが高かったこと。

このハイ・テンションはシューマンまで引き続き、全パートが
全力投球している姿勢に感銘を受けた。

予習としてCDで聴き込んでいた「タプカーラ」などは第3楽章が
大音響なのだが、第1楽章からドコドコやりだしたので本当に嬉しかった。

全パートがハイ・テンションなため主旋律が時に
埋没してしまうハプニングも発生していたが、
そんなことより全員が一丸となって猛烈に
ガシガシ・ドンドンやっている音に包まれると、
何とも言えない高揚感に包まれる。

自分はただそれを聴いている傍観者に過ぎないが、
ウォーッと燃え上がる炎の中に吸い込まれる蛾のように
引きつけられるのだ。

タプカーラはリズムが重要な音楽で、ミニマム音楽に
似通った繰り返しのリズムが続く。

こういった音楽は楽譜上では同じリズムでも、
メロディの変化や呼吸のオンオフに合わせてリズムも
微妙に揺らしたりする。

しかしリズムに埋没してゆくような妙味があって、
聴き続けてゆくうちに音楽世界に引き摺り込まれて面白い。

演奏は大変そうだが、生演奏は実に面白い。

(隊長作)



過去のコンサート感想。

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