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コンサート感想


2012年5月27日(土)14:30 第一生命ホール
中央区交響楽団 / 野津如弘 指揮
 ニールセン : ヘリオス序曲
 伊福部昭 : 交響譚詩
 シベリウス : 交響曲第6番

(隊長作)



今回は晴海、初突撃の第一生命ホール。
最寄り駅勝どき駅は第一生命ホールへの案内表示が見つからなくて(2012年当時)、
しかも微妙に歩く距離だったので不便だった。

書いてないのは、「第一生命」という固有名詞がネックなのかな?
晴海ホールだったら、とも思うが、サントリー・ホールだってあるんだし、何だか判らない。

とにかく、判りづらい勝どき駅から徒歩8分だった。
まっすぐ南に下ればいいだけだったんだけどね。



第一生命ホールは座席数767席の中ホール。
東京に大ホールは山ほどあるだけに、
こういった個性的な中ホールは良いことだ。

実は、爆音好きな我々にとっては、中ホールでオーケストラを聴くと
自動的に爆音演奏会に早変わり、というのも中ホール万歳理由だ。

(隊長作)


シベリウス第6番がメインでして、中ホールで繊細な美しさを味わえる
というのは、実にオツな企画だと感心。

ただ、ニールセンと伊福部は普通の管弦楽曲なので、
それを中ホールでドンチャカやっちゃうとどうなるのだろう♪
それは早速、一曲目ヘリオスから実感できた。

767席の中ホール、ニールセン「ヘリオス」が大爆音で堪能だ。
しかも思いもよらぬ演奏の上手さ(ゴメン!)。

だって中央区交響楽団という御当地オケですから、
それほどでもないやろと経験値から予想していた。
ニールセン、伊福部、シベリウス(しかも第6番)
という選曲からも推して知るべしであった。

ちなみに最近の演奏曲目は、ブラ1、マーラー9、
ベートーヴェン9、エルガー・エニグマ。



ニールセンの「ヘリオス」について少し書いておこう。
本曲は、ニールセンが38歳頃に書いた演奏会用序曲で、
アマオケ・学生オケの前プロにぴったりの佳曲だ。

十分足らずだし、ニールセン独特の気高さ高貴さや、
北欧ならではの幻想的な響きも含まれており、
バシッと決まったらさぞかし美しい演奏家の序奏となろう。

こういった名曲が未だに「隠れて」いなければならないのが
不思議でならない。

アマオケ・サイト「フロイデ」の曲名インデックスによれば、
「ヘリオス」の演奏実績団体は15楽団もある。

私が聴いたアマオケ演奏は2008年京都フィロムジカしかないが、
ルスコアール(2009年)と高田馬場管(2011年)が偶然にも
ショスタコ第12番の前プロとして採り上げている。

「んなこと言ったって、滅多に聴けない曲じゃない」とお思いの方には朗報。
2014年12月5日、一橋大学管弦楽団がマーラー「巨人」とカプリングで
「ヘリオス」を実演してくれる。

師走の忙しい金曜夜19時開演、というのが玉に瑕だが、
芸劇(池袋駅西口前)なのでどうにか行ける人は是非聴いてほしい。
私は行けたとしても、メインの巨人に間に合うかどうか・・・
指揮者が森口さんなので、かなり期待している。



前日のタプカーラ(2012年、豊島区管)に続いての伊福部だが、
本日は交響譚詩。

伊福部昭の代表的作品だ。
感想も前日と同様、リズム。
日本人ならではのリズムが横溢している作品だが、
土俗的なエンヤートット的なリズムに現代人は忘れてしまったのか、
少しズレが気になった。

シベリウス第6番は大音響になることが少ない、繊細で透明な音楽。
それゆえに非常に難しいガラス工芸品を丁寧に演奏仕上げた。
中プロ交響譚詩の荒々しくも叙情的な日本人作品のあと、
ガラっと北欧の極地みたいな音楽で、そのギャップ感が楽しかった。

ドイツものに纏めるとか、ゲーテやシェイクスピアで
プログラムを纏めるとか、いろいろ知的遊戯はあるけれど、
デンマーク・日本(北海道)・フィンランドと日本をねじ込んだのが、
いやはや何とも。

三曲とも好きな曲ばかりだから全く不満は無いが、
なんでこの組み合わせになったのだろう。



終演後は、勝どき駅に着くまでの居酒屋で夕飯。
豚丼といいますか、生姜焼き丼といいますか、豪快などんぶりを食しました。

高層ビルにタワーマンション。
湾岸は、大化けに変貌している。



(隊長作)

過去のコンサート感想。

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