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コンサート感想


2012年6月3日(日)14:00 新宿文化センター
オーケストラ・ヴィンデ / 小森康弘 指揮
 伊福部昭 : シンフォニア・タプカーラ
 マーラー : 交響曲「大地の歌」

(隊長作)

新宿東口といえば、ディスク・ユニオンとブックオフをセットで堪能し、
食事は三平ビルで和食弁当か、はやしや昭和プレートに舌鼓。
ですが、今回はもう一つのお気に入り店「ベルク」に行きました。



東口を地下から出て少し北上、東西連絡通路に入る手前、階段上にあります。
お向かいの立ち食いソバ屋も、時々寄ります。

と云うのが、とにかくベルクは混んでる。
これだけ人気なんだから、似たようなカフェが出来てもいいのに、
何故か出て来ない。

「ベルク」は「Beer&Cafe」とあるように、ビールやコーヒーを
旨いソーセージ・ハムやパテをパンと共に食べさせる。
ここのパテがメチャうまで、テイクアウトも出来る。
お家で、レバー・パテをフランス・パンに塗り塗り食すのが、
これまた旨い。

この日は店内で、「ジャーマン・ワイン・セット」714円を注文。
白と黒のパンが1枚づつ、ハムとソーセージに酢漬けの野菜、
それにレバーパテとコンビーフ。

絶品のパテをちょいちょい付けてパンを齧る。
そこへワインを少し流し込むと「う〜ん、ドイツにいるみたいだぁ」。
(隊長作)

何もかも少量なので、すぐ食べ終えてしまうのが難点でして、
パンもハムも3倍にして、2千円なら頼んでしまいそう。



新宿駅から新宿文化センターへは、四季の路を使う。

新宿区役所向かいブロックのミスド角から入る緑豊かな遊歩道のことだ。
ここは都会のオアシスそのもので、石畳の小路はゆるやかなカーヴを描き、
両脇には緑の草木がよく手入れされている。

飲み屋の勝手口があったり、照明がぼんやり照らしていて、
京都祇園の裏小路と似ていなくもない。
ここを使うと、新宿文化センターへ早く行ける。



オーケストラ・ヴィンデ、第1回演奏会。
客入りは、一階7割、二階5割といったところか。
第一回にしては、なかなかの盛況。

この日の演奏会で、なんと伊福部の管弦楽作品を
三回連続で聴いたことになる。

豊島区管でタプカーラ(2012.5.26)、中央区響で交響譚詩(2012.5.27)、
そして今回のヴィンデで、またタプカーラ(2012.6.3)と、全て非メインとして
聴いているのが残念。

先日、東京都心で夜、都バスに乗った。
そのときアイポッドのシャッフルで、たまたま流れてきたのが
タプカーラの第2楽章。

ハープのゆったりとした下降音形を伴奏に、フルートが切なく歌い出す。
タプカーラの第2楽章は、モーツァルトのフルートとハープのための協奏曲
第2楽章に匹敵する美しさで、日本の雪景色を連想するような世界だ。

バスから夜の都会を眺めていると、タプカーラの第2楽章が
しっとりと染み込んで来る。

家路を急ぐテールランプの列、マンションの明かりや飲食店のネオン。
淡々と流れる夜の東京に、タプカーラの寂しい音楽が
映画のワンシーンのようで感動してしまった。

(隊長作)

ヴィンデのタプカーラ演奏の感想。
全体として優良。非メインとして考えると、よく頑張った。

武満徹が1996年なくなって以降、日本の現代音楽としてプロオケに
多く採り上げられたは武満だったが、アマオケ達は伊福部の方を
選んでいるのではないか?

私はこの傾向に全くもって賛成で、伊福部の音楽は我々日本人の
ハートを直撃する力を持っている。

大地の歌。
後期ロマン派の極致を行くような楽曲であり、管弦楽技法の枠を超えて
声楽まで必要とした。

それを、創設第1回定演で採り上げるオケが現れたわけだ。
東京のアマオケ文化も、爛熟期に入ったといえる現象だ。
数多くの美しい響きを何度も味わい、よくぞここまでと感じ入る演奏だった。

マーラーの実質第9番の交響曲だけあって、噎せ返るようなウィーンの
香りが楽譜に織り込んである。そのためウィーンの香りまで表現するのは、
流石に難しかったようだ。

次回はニールセン第4番ということで、嬉々として再訪することを
誓ったのであった。



(隊長作)

過去のコンサート感想。

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