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コンサート感想


2012年6月23日(土)14:00 すみだトリフォニー
ルスコアール管弦楽団 / 高橋勇太 指揮
 ワーグナー : 「さまよえるオランダ人」序曲
 R・シュトラウス : 交響詩「死と変容」
 エルガー : 交響曲第1番

(隊長作)

我々は毎週コンサートを楽しんでいるが、
併せて食事も楽しんでいるグルマンだ。

そんな我々、あまりに多いコンサート感想は薄らいでも、
強烈なインパクトを持った食事は忘れない。
そんな食事が、今回のエルガー第1番とカップリングしていた。

あんまりな食事だったので、今も記憶に残っている。
あれはゴム丼だったのかもしれない。




そんな不愉快な食事後の演奏会だったが、
これが厄払いをしたのか、素晴らしい演奏会だった。
2012年上半期のベスト演奏会であった。

2011年9月、東京楽友協会交響楽団の「ショスタコーヴィチ第11番」と
藝大フィルハーモニアの「ラター/レクイエム」のダブル・パンチ以来、
圧倒的な演奏会に出会えない9ヶ月間であった。


ルスコのエルガーの特徴。
裏旋律や管・打楽器を大きく浮かびあがらせ、
この曲の面白さがどこにあるのか良く判った解釈演奏。

指揮者高橋勇太が凄いのかと思ったが、
2014年12月28日に聴いた管弦楽団「響」はそれほどでも無かったので、
やっぱりルスコアールの地力と楽曲への共感が凄いのだろう。

もしくは、高橋さんはエルガー好きで、エルガーが得意なのかもしれない。

高弦がときに金管打楽器に埋没した箇所もあったが、
こうあって欲しい・こうすべきという要望をほぼ実現してくれた。
当たり前のようだが、こういった演奏は実際、実に珍しい。

だってそうでしょう、自分の理想どおりの演奏が
次から次へと繰り広げられるんですよ。
いやあ、実に楽しかった、そして興奮した。

特にティンパニとベースの重低音が素晴らしかった。
エルガーと重低音強調はイメージしづらいけれど、
音楽の基本がしっかりとした低音にあるのだ、
とあらためて体感させてくれた。

この楽団は、近代モノが実に上手い。




(隊長作)

過去のコンサート感想。

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