ぶた(隊長作)

6月13日(日)  14:00   - 30 -   訪問者数
    山岡重信指揮  豊島区管弦楽団
    学習院創立百周年記念会館

    マーラー  交響曲第5番   他
  
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  サントリーとか芸劇に行きまくっているプロ・オケ大好きのみなさん、
  目白は行った事おありですか?
  学習院前
前から一度は入って見たかったので、
念願かなったりの学習院会館ご入場です。

そもそも学習院、というだけで近づき難きかほりが漂ってます。
偶然でしょうが同大OBと私の相性は悪いんですが、
この瀟洒なキャンパスは僕にピッタリ!

  早大とか東大に近づくにつれ、こんな空間で学生時代を過ごしたかったなぁ、でも、
  大学オケのレベルと敷居も高かったろうなぁ、と複雑な想いに馳せてしまいます。
  学習院創立百周年記念会館
さてさて話は本題、マーラー第5番です。
兎にも角にも永かった、演奏時間。
実に90分近くも懸かりましたんやで。

私にとってマラ5は結構どうでもいい曲だったんですが、
CDはそこそこ溜めてる。

  一時、あらん限りのマーラー収集に励んでましたさかい。
  ですが、そんな収集物を眺めても、90分に及ぶマラ5CDは持ってません。
  
  山岡重信という指揮者、知りませんでした。ご老公です。
  我々だけが知らなかっただけかも知りませんが、この人はかなりイってますねぇ。
  老齢ゆえ彼の周囲の時間はゆっくり流れてるんでしょうが、自分の音楽づくりがとっても頑固。
  ともかくゆぅっくり、すぅぃっかり音楽を歩ませており、共感する訳でもないんですが
  「彼の伝えたい気持ち」は延々と伝わります。
  
  百円ショップで名曲クラシックCDが買える現代、アホみたいにコンサートを聴き回ってる
  我々としましては、「個性溢れる演奏」に飢えてます。
  その解釈を別とすれば、この山岡翁の演奏は個性溢れすぎで、ここまでくれば愉快痛快。   ペット(隊長作)

アマオケさんって、いろんなシガラミの中で指揮者を招聘してらっしゃるんでしょうが、
「誰ぞ面白い指揮者はおらんかのぅ?」とお探しのキミ!
  山岡爺様は、一度は体験しといて損はないですぞよ。
  私が指揮者そのものに興味示すなんて珍しいでしょ?
  
  マラ5はそもそも荘厳にゆったりと始まります。
  ですから「それにしても永いペット・ソロやなぁ」と思うてましたが、この後もずーっと遅かった。
  リタルダントなんかを急かしたら、きっとメリハリのある名演になるだろうに、急かしません。
  ひたすらじっくり、じっとりと攻めてきます。
  
  正直「感動」したとは言えないんですが、旅行先で思わぬ珍味を見つけた
  時の喜び、みたいな感慨を抱きました。変な例えで申し訳ない。
  鄙びた温泉宿の朝食で点け合せとして出だされた一品が思いのほか美味、お土産コーナーで
  売ってたら是非買って帰りたいし、友人にも自慢がてら買って帰ろう、そんな感じ。
  
  とにかく彼だけしが具現できないマラ5である事は間違いなく、こうなったら彼が
  他の曲でどう料理するのかも知らずにいられない、そんな思いがしています。
  ちなみに次回演奏会は9月23日(祝)、芸劇にて豊島区管とのコンビでブラ2とボロディン2番です。
  さんざん撒き散らされてるブラ2ですが、珍味ブラ2とは大いに興味深々!
  
  山岡氏に興味を持って調べてみると、豊島区管の常任指揮者でした。
  いいな〜、豊島区管、おいしすぎる。
  だから、ここまでアクの強過ぎる解釈にもオケは忠実に再現を努めてたんですね。
  今までの演奏もこれほどの「濃い」解釈だったら、さぞかし皆様もお疲れだったろうと
  お察ししますが、これは素晴らしい人生体験ですよ。
  
  亡きアサヒナは一演奏毎に名声を高めていきましたが、70代の山岡氏も
  名を成し始めるのはいよいよこれからなんじゃないでしょうか。
  プロ・オケの定演では、無個性な詰まらない演奏解釈に出くわすこと度々ですが、
  こういう奇演を開陳してくれる人こそメジャーになるべきなのに。
  
  ただプロ・オケだと山岡氏の解釈&指示に100%反応(服従)するとも
  思えないので、実際に実現してもどうなるかは微妙ですけどね。
  まぁ、今後もこのコンビは要チェックです。

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