ねこ(隊長作)

7月31日(土)  19:00   - 38 -   訪問者数
    三石精一指揮  東京大学音楽部管弦楽団  文京シビックホール
  
    ブラームス    交響曲第2番
    デュカス     交響詩「魔法使いの弟子」
    ベルリオーズ   序曲「ローマの謝肉祭」
  
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  【 整理券 】
  
  BPOやVPOならいざ知らず、たかだか学生オケのチケットがこれほど
  入手困難だったのは久しぶりでした。
  大学オケというのは、悔しいカナ、偏差値とオケ・レヴェルが比例する
  実例が多く、名門大学ほどオケも名門で総じて上手い。   vn(隊長作)

団員の楽器経験者率が圧倒的に高い。
  それが感動にまで繋がるのか、と云うとそれは微妙なんですが、
  取り敢えず鑑賞するだけの価値はあります。
  
  今までも、早慶・京大は聴いておりまして、京大が最も感動しました。
  そうなると東大も聴いておかねば、と思うのが自然な流れ。
  皆さんも東大がどれほどのもんか、興味あるでしょ?
  
  本日の演目は、ブラ2、デュカス、ベルリオーズ。
  隊長はどれ一つ聴きたい曲が無い、という悲しい理由により、隊員単独での突撃です。
  しかしこの「聴きたい曲があるかどうか」っつーのは、重要です。
  私はブラ2のナマが久々だった事と、「魔法使いの弟子」をナマで聴いた
  ことが無かったので、これもまた一興と思って出陣しましたが...。
  
  今日のホールは、相性の悪い文京シビックです。
  前回、お子ちゃ魔達にブル9を滅茶苦茶にされたあの忌まわしい場所です(第53番参照)
  ホールは2階にあるんですけど、地下1階までトグロを巻くように並ぶ物凄い行列。
  当日券はあるんかいナ?と問い合わせてみると、整理券を持って開演十分前まで
  お待ち下さいとの事。入れるも入れぬもフィフティ・フィフティと言う。
  
  ナヌウォ〜!と思ったのですが、東大生諸君の前で品の無い振る舞いをするのも
  「いかがなものか?」と思いなおし、本を読みながらホール前で待機。   たこ(隊長作)

こうしてると京大卒の素敵な紳士のように、見えまっしゃろ?
  いよいよ十分前となり、整理券組が入場できるか否か。
  整理券74番までは、確実に入場できるとの事。
  私は十番台だったので大丈夫、帰らなくて良かった♪
  
  ところが東大生諸君、手際が悪い。
  普通、少し前から整理券番号順に並ばせておけば良いのに、群集が整理券
  握り締めて押し寄せるもんだから、74番以内の人には番号関係無しに売り始めた。
  「整理券番号は何のためにあるんだ〜!」
  と怒り心頭のおじいちゃまが絶叫。
  「そうだそうだ!」と同調する声が、たかだか一大学オケのために一時間
  近くも待たされた聴衆の気持ちを代弁してくれる。
  東大生なのに、意外にお粗末でした。
  
  74人は急ぎに急いで入場しましたが、席がほとんど無い。
  私は勝手知ったるホールなので、一目散に2階席に突っ走ってたので空席を
  ちゃっかりゲットしましたが、4〜50人がホール端で立ち見してました。
  団員からのバラマキ無料券で入った人が着席していて、
  純粋に聴きたくてやってきて千円まで払った人が、立ち聞き。
  これっておかしいでしょ!
  私は座れたから良かったけど、座れてなかったら返金して貰って帰ってましたよ。
  
  まぁ、こんな怒り心頭の心で聞いた音楽で感動できるわけも無く、今日の
  コンサート感想は随分アンフェアな論調になってしまう事を、ご推察下さい。
  
  mnmnmnmnmnmnmnmnmnmnmnmnmnmnmnmnmnmnmnmnmnmnmnmnmnmnmnmnmnmnmnmnmnmnmnmn   ハンマー(隊長作)

まずは、総論。
  コンサート全体は、企画的に面白かった。
  上記の3曲までは普通の演奏会だったが、この後からが違った。
  
  フル・オーケストラを伴奏にドイツ民謡「歌声ひびく野に山に」を
  観客全員で唱和しようと云う。
  どうやら東大音楽部の伝統名物企画のようで、客席各所に配置された団員が
  率先して大声で歌うもんだから、いつしか会場全体も朗らかに歌ってゆく。
  しかし、その席があったら、座席の無い一般客に譲るべきでしょ。
  
  オーケストラ伴奏の前奏では、デュカスを面白くアレンジしていて、中々の遊び心アリ。
  楽団員さんが作ったんでしょうが、こういった諧謔を知っているとは先が楽しみ。
  
  これが終わった段階で、ヤレヤレやっと終わった、と思いきやアンコール3連発。
  こ、これは、「ブラス」のノリ。
  3曲目を演奏しようとする時は流石に辟易としてましたが、私の大好きな
  バーンスタイン「キャンディード序曲」だったので、現金にも頬が緩んだ。
  
  さて、各論いきましょうか。
  まずは、ベルリオーズの序曲「ローマの謝肉祭」。
  偶然でしょうか?
  7月25日のフライハイト響で聴いたばかり。
  この時も感じたんですが、この曲ってそんなに良いか?
  
  私はベルリオーズの幻想なら弾いた事ありまして、アレは名作だと認めましょう。
  しかし、あれほどの音楽を書いた人が、どうして他作品は駄作ばかりなのか?
  レクイエムやロメジュリなど大作はゴマンとありますので、私も必死に
  喜んで学習しようと励んだ頃がありますが、結局好きになれなかった。
  幻想交響曲のみ燦然と聳え立っておりますが、
  他の作品はホントに同じ人が書いたのかしらん?
  
  でもこうやって、二つのオケが期せずして立て続けにプログラムに
  挿入するくらいなのだから、人気も質も高いのだろう。
  この曲の優劣は楽団の責ではありませんが、選曲した責はあるでしょう。   すし(隊長作)

ただし演奏は見事に決まっていて、非の打ち所ナシ。
  デュカスの「魔法使いの弟子」。
  ディズニー映画「ファンタジア」のミッキーを思い出さずにいられます?
  
  管弦楽で多彩な表現方法を確立した作品なのだが、下らん音楽に聞こえる。
  
  どうも私はクソ真面目な面白くない男のようで、こういった意味の無い世界が苦手。
  そういえば、「ハリーポッター」もTVで観ましたが、全然ダメでした。   魔法?(隊長作)

魔法系が苦手なのか?
  この曲がどうやって選ばれたのかが気になります。
  楽団員の多数決で選ばれたとしたら、東大生もなかなか捨てたもんじゃない。
  ファンタジーの粋というものを知ってるね。
  でも指揮者に推奨されてたり、管楽器出番用に選出されてたらかわいそうに。
  
  本日のメインは「ブラ2」。
  みなさん、ブラームスの交響曲は随分お好きな事と存じますが、
  全四曲で最も好きなのは何番ですか?
  恐らく1番か4番を選ぶ方が多いでしょう。
  だからと言って、2番や3番が嫌いなわけでもない、ですよね。
  
  しかし、やっぱりそういうポジションなんですな。
  また、冬の定期演奏会なんかで、重々しく第1番をやったり、涙々の第4
  番をやりますが、第2番を冬の定演に持ってくる大学はあるんでしょうか?
  
  2・3番の軽やかさが、夏向きなのかも知れない。
  しかし「夏=ブラ2」というプログラムが、余りにも形式化されてませんか?
  夏は暑いので、せめて音楽だけでも爽やかでクールな音楽をしようというコンセプトは分かる。
  分かるだけに、もう一歩踏み込んだプログラミングを期待したい。
  そうなぁ、夏だから涼風な音楽と云えば、「アルペン」とか「シベ6」
  「ライン」なんてどうだろう。
  
  夏(サマー)のコンサートってのは、学生オケにとって代替わりした初っ端な
  コンサートなだけに冒険を避けたプログラムになりますが、どうせ夏冬2回しかない
  チャンスなんだから毎回全力投球した方が成長すると思う。
  
  演奏錬度がボロボロで、空中分解するのを恐れる人もいますし、夏は基礎固めが
  大事だからベートーヴェンをやろうと提案する人がいますが、
  新しい挑戦をするってのも大切にして欲しいナ。
  
  肝心な演奏の方は、正統派で正攻法な実直な演奏。
  でも、終楽章はかなりテンポの煽りがあっったりして、
  自分的にはこういったノリの方が好き。
  でもそれまでの積み重ねがあってこそ、終盤のリタルダントが冴えるんだから、
  あんまり注文ばっかり云ってられない。
  
  次回は第90回記念定演という事で、マーラーの第1番とシューベルト「未完成」。
  次回は前売り券を買っておこうと思う。
  
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