星(隊長作)

10月31日(日)  14:00   - 52 -   訪問者数

    石川真也指揮  管絃樂團“響”  狛江エコルマホール

    ニールセン   交響曲第2番「四つの気質」
    ブラームス   セレナード第1番二長調

  nilninilninilninilninilninilninilninilninilninilninilninilninilninilninilninilninilninilni
  狛江エコルマホール

初めての狛江探訪であり、狛江エコルマホールでした。

このホールの自主企画は時々粋な企画をやっておりまして、
かつてスウェーデン放送合唱団がフォーレのレクイェムを
やるってんで、このホールに感心した記憶があります。
ホールが駅前にあるってのも嬉しいです。
  
  しかし、この狛江駅周辺、食べるところが少な過ぎ。
  最近我々突撃隊は引越ししたいね、なんて検討してるんで、
  新しい町には異常反応するんです。
  が、ここ狛江は却下。残念。(狛江の方、悪気は無いです)
  週のうち半分以上は外食をしている我々にとって、このお店の少なさでは
  直ぐに厭いてしまいそう。
  
  でも、今日はニールセンなんですよね。   なす(隊長作)

しかも珍しい第2番「4つの気質」。
  おまけにカプリングがブラームスのセレナーデ第1番。
  ここまで珍曲プログラムで勝負してくるとは、たいした楽団です。
  お客さんは来てるかなぁ?と思いましたが、思った以上に少なかった。
  悲しい、悲しすぎる、めげないでこれからも個性あるプログラムを続けて下さい。
  次回はプーランクのシンフォニエッタですもんね、ホント、この路線は大切にして欲しい。
  
  ニールセンの第2番をナマで聴くのは初めて。
  なんだぁ、偉そうな事いつも書いてる癖に初めてだと!なんて言わないでサ。
  でもこうやってナマで滅多に聴けない音楽を、眼前で繰り広げて頂くと感無量です。
  ただ、こういった意気溢れるプログラムを組む楽団は、
  腕っ節も中々な所が多いんだけど、今回の技量は・・・だった。
  
  どうしてかなぁと考えた。
  ひとつは楽団員全体に、この音楽への愛が高まっていないのでは?
  よく、チャイ5とか新世界だと以上に盛り上がっているオケがある。
  ひとりひとりの腕前は厳しいもんがあるのに、迫力と熱気が漲っている「怪演」というのがある。
  「嗚呼、みなさん燃えてまんなぁ」とゲップが出そうになるほど熱い演奏がある。
  
  もうひとつは、音楽を聴き込んでいないハンディからくる、全体の構図を
  押さえた上でのチャームポイント攻撃が上手くいってないのでは?
  特にブラームスが厳しかったんですが、いつ果てるとも終わらないような、
  組曲のような起承転結が不透明な流れがあった。
  ブラームスのセレナーデは、ワタクシ思うに、
  ブラームスの交響曲準備号のボツ原稿集のように感じるんです。
  ところがボツ原稿はボツ原稿なりに、美味しいところが散らばっている。
  
  こういった音楽をやるには、普通にやってはダメだ。
  もう独断と偏見で、メリハリをどぎつくするしかない。
  今回の2曲は多くの観客があんまり知らないんだから、CDで演奏されているような
  普通な解釈&演奏じゃなく、かなり弄ったほうが面白いと思う。
  
  たとえばニル2だったら、テンポですね。
  演奏では若干遅めで安全運転的に演奏されてましたが、これをとことん早くする。
  当然アンサンブルは乱れ、弾き難い箇所はますます難しくなる。
  しかし難しい箇所をどうにかこうにか無難に弾いたって、聴いてるほうは面白くない。
  うわぁ、無茶苦茶やっとるなぁ、と思わず呟いてしまうほど、
  快速スピードで嵐のような勢いで突っ走ったほうがカッコ良い。
  「むかしニル2をナマで聴いたことあるんだけど、これがまたメッチャ早くって、
  あれは面白かったわぁ」
  と人々の記憶に残る演奏になると思う。
  いくら(隊長作)

これを実際にやっている佳きお手本CDがサロネン盤。
冒頭の爆音からスピード・スピード・スピードで攻め抜く。
この人は作曲家でもあるだけあって、その音楽がもっともかっちょよく
  聴こえるツボを本能的に感知できる稀有な指揮者だと思う。
  
  また、ニールセン第2番は荒々しくやるのが味噌。
  もともとこの作曲家は一本ネジがぶっ飛んでるんだから、
  演奏だってぶっ飛んでだって怒られやしない。
  そういう演奏をされるんだったら、もっとここはこう書いたのに、
  なんて喜んでくれるくらいの人だったと思う。
  
  いつもでしたら、入場時に頂くコンサートへの「アンケート」には、
  せっせと感想を書きまして、末尾には「うちのメルマガも読んでね!」なんて
  書いてるんですけど、今回はこういったキビシイ感想を書こうと思ってましたので、
  アンケートなんぞ恐ろしくて出せなかった。
  「管絃樂團"響"」の関係者様が拝読されてましたら、今回の乱文乱筆は熱いエールだと、
  広い心で受け止めて頂ければ、と勝手なことを思っています。
  また、近いうちにニールセンの第5番を採り上げて下さる事を、痛切に願っております。

   前へ  HOMEへ  次へ









inserted by FC2 system