かに(隊長作)

11月7日(日)  14:00   - 54 -   訪問者数

    山元富雄指揮  杉並フィルハーモニー管弦楽団  セシオン杉並
  
    チャイコフスキー   幻想序曲「ロミオとジュリエット」
    ベートーヴェン    交響曲第3番「エロイカ」

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  セシオン杉並

昨日6日に続き珍しいホール第2弾、セシオン杉並です。
丸ノ内線東高円寺を降りて西へ歩くこと十分少々、
複合的な文化施設群の一角として
六百人足らずの収容人員の中ホールがあります。
いずれ杉並公会堂の建て直しが完成するでしょうが、
こういったかわいらしいホールも味わい深いものです。
  
  私は大規模な管弦楽作品が好きですが、ベートーヴェンなどの古典派を
  聴くなら、中ホールの方が迫力があります。
  作曲家もこのくらいのホールでの演奏を想定していたでしょうし、
  ベートーヴェンを倍管で無理矢理に大規模改造するのは好きくありません。
  ベートーヴェンならこじんまりとした編成で、千人未満のホールで、
  キビキビとした小気味良い演奏が望ましいです。
  最近はこういった理想を具現化しようとするオケも増えてきましたが、
  来月はいよいよ「第九」です。
  うわぁ〜、やめてくれぃ!
  
  序曲は「運命の力」だったんですが、記憶が薄れています。
  隊長はヴェルディ派なんですが、隊員はプッチーニ派です。
  こんな私なので、ヴェルディについては書く能力がありません。
  
  中プロは最近富みに好きになってきたチャイコちゃん。
  「ロメジュリと云えば、プロコしか無いです、か!ら!」
  と叫んでいた私ですが、今ではまぁチャイコも認めようかナ...という
  ところまで心は軟化しています。
  でもベルリオーズのロメジュリ、ありゃぁ駄作じゃねぇの?と今んとこは思てます。
  いか(隊長作)

ただ演奏は、というか料理方法は面白くなかった。
中肉中背の安全運転演奏。
結局はこの路線、メインのエロイカでも踏襲されてたんですけど、
  どうしてこうも普通にやるんかなぁ。
  逆に普通にやったほうが聴衆の採点も厳しくなると思うんだけど。
  それとも私みたいな珍味好きな人は少数派なのかな?
  
  ここで一席ぶっておきますと、普通のレベルのアマオケのみなさん、
  普通に演奏してて何が面白いんですか?
  普通のオケが、普通の演目を、普通に演奏する。
  「嗚呼、俺たちは無事、エロイカを制覇したんだなぁ」
  こんなささやかな幸せを噛みしめていませんか?
  どうせ大切な休日を費やして音楽と渡り合うんだったら、私らみたいな
  小五月蝿いクラシックおたくもギャフンと言わせる罠でも仕掛けましょうよ。
  
  一番本道は上手に演奏することですし、それはキリの無い事とすれば、
  プログラムに凝って頂けると個人的には最も嬉しい。
  でも演奏も並、演目も安全パイ、こういう流れなら演奏くらい冒険してみましょうよ。
  これには指揮者というやっかいな存在があるんで、団員がいくら
  こういった演奏をやってみたいと考えてもむりかもしれない。
  指揮者にしたって、いろいろやってみたい事はあっても、
  このオケのレベルじゃぁ兎に角安全演奏が何より大切だ、と考えての上かもしれない。
  
  いろいろな事は推測できるんですが、我々聴衆だって貴重な休日を一つの
  コンサートに絞って感動を求めて時間を投入してるんです。
  何かしら面白い仕掛けを用意して欲しいんです。
  
  一番ありそうで無いのが、名曲を名盤とそっくりに演奏してみせます!的なコンサート。
  今年亡くなったクライバーでもいいし、フルヴェンやチェリの解釈でもいい。
  変な所で芸術家のアイデンティティを持ち出すけれど、
  「ベートーヴェンのエロイカ(チェリビダッケ風)」なんてチラシに
  書いてあったら私なら食いついちゃうけどなぁ。

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