(隊長作)

2月13日(日)  14:00   - 70 -   訪問者数

  長田雅人指揮   オーケストラ・ダスビダーニャ  東京芸術劇場
  
  オール・ショスタコーヴィチ・プログラム
  
  映画「ヴォロチャーエフ要塞の日々」のための音楽  
  劇伴オーケストラのための組曲(ジャズ組曲第2番)
  交響曲第1番

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  冬の芸劇
年に一度のタコ祭り。
今年も行ってきました。

しかしなんですなぁ、
今年は例年にも増してマニアック過ぎる選曲。

  ある意味吹っ切れてます。 すがすがしさを感じる。

  だけど、そこから感動を味わえたかは、これまた別の話でして、
  理想と現実の差は難しいです。
  
  こういった超貴重な集団にはいついつまでも熱く熱く頑張って欲しいんだけど、
  ショスタコの音楽全てが圧倒的にスバラシイわけでも無く、今回の3曲は正直つらかった。   (隊長作)

男はつらいよ。
「だけどねぇ、さくら、男ってもんはなぁ、こういう時だってあるもんさ」
  初っ端は映画音楽なんだけど、一味ひねりを利かしてくれたのが「合唱付き」。
  しかも、もの凄く出番が少ない(終曲だけ)のにも関わらず、合唱団を手配。
  ショスタコの音楽を、完璧な状況で完璧に再現する。
  並々ならぬ意欲を今回も感じます。
  だけど、こんなにまでして集めた合唱団。
  どうせなら「バビ・ヤール」とかやってほしいんですけど。
  採り上げていない楽曲を制覇していきたい気持ちも痛いほど解るんです
  けど...ね。
  
  真ん中の「組曲」は、これまた相当に変形された特異な大編成。
  ジャズ・バンド団みたいなスウィング部隊(サックスが中心)が
  一陣を占め、通常のオケを圧迫している。
  指揮者の横にはギターとアコーディオン。
  でも彼らの音が聴こえてくる事は、実に少なかった...。
  もったいない!
  
  メインは「タコ1」なんですが、これが好きかどうかはショスタキストでも
  意見が分かれるところ。
  19歳でこの曲を完成させたことは刮目に値します。
  まさしく天才青年面目躍如といった趣があるのですが、どうも面白くない音楽。   (隊長作)

私は好きくありません。
  後年の彼独特の歪んだ諧謔や、ひねくれた音型処理がありません。
  
  ショスタコを知ろうとする者には避けて通れない第1番ですが、
  それだけに彼のその後の人生の紆余曲折の大きさが感じられます。
  彼が自由自在に好きなだけ好きな気分で作曲し続けていたら、
  絶対ああいった交響曲群は成し得なかっただろうと思うし、好きになっていないと思う。
  
  最後に書きづらいんですが、第1番の演奏について。
  ダスビ最大の持ち味「大爆発力」。
  この第1番でも遺憾無く盛大に活用されていましたが、
  どうも違うような感想を抱きました。
  緻密精細な理論的な「タコ1」です、マジックペンでぶっとく塗り潰しては
  背景の微細な文様が消えてしまう。
  
  「青春のショスタコ」というイメージで勢いのある解釈を採られたんだとは
  思うんですが、どうも私には残念な演奏でした。
  
  アンケートに
  「ショスタコ以外に演奏して欲しい曲があればお書き下さい」
  とあるので、大いに書かして頂いたんですが、   (隊長作)

この集団はショスタコ以外も採り上げてくれるんでしょうか?
  同楽団の大爆発力をもってすれば、プロコフィエフの「アラとロリー」なんて
  打ってつけだと思うんですが...。
  どうでしょう?

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