2005年3月20日(日) 14:00 - 74 -
新田ユリ指揮 アイノラ交響楽団 大田アプリコ・ホール
シベリウス 序曲ホ長調
シベリウス 劇音楽「クリスティアン2世」全曲版
シベリウス 交響曲第1番
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年に一度のシベリウス祭?ってなりそうな、アイノラ響コンサート。
今年も行ってきましたよ、まだ2回目だけど。
今年は手堅くといいましょうか、珍曲の「クリスティアン2世」に
配慮してか、早くも「シベ1」の登場です。
シベリウス・ファンにはシベリウス交響曲と云ったら5・6・7番が
喧伝されそうですが、巷(ちまた)じゃまだまだ「シベ2」「シベ1」。
聴いてみると、「やっぱりなぁ」と思わずにいられない涙チョチョ切れ音楽ですもんね。
私もシベリウスはなかなか好きですと自負しとるんですが、
せいぜい交響曲や有名な組曲ぐらい。
今回の「序曲ホ長調」や『劇音楽「クリスティアン2世」全曲版』は
ぶっつけ本番体験でした。
日頃偉そうに楽曲と演奏についてカバチタレとりますが、今回の2曲は
正直判別不能。
率直な直感は詰まらんかったんですが、クラシック音楽は何度も何度も
咀嚼(聴き込む)してこそ味わいが滲み出てくる楽曲も多いですから、
「詰まらん」と切り捨てるのは暴言ですね。
これも何かの縁です、どこかで『劇音楽「クリスティアン2世」全曲版』の
CDを見つけたら買ってみたいです。
メインのシベ1は「聴いた!解った!感動した!」てな感じです。
私のシベリウス体験はこれまた天の邪鬼なんですが、
バルビローリ&ロイヤル・フィルのシベ2が出会いですが、
直ぐにブロムシュテット&サンフランシスコ響のシベ6にぞっこん。
そしてサロネン盤のクレルヴォ交響曲に取り付かれコンニチに至るので、
第1番は知っているようでそんなに知っていない。
こうして真正面からシベ1をじっくり聴いてみるのも良いもんです。
作品番号7番のクレルヴォ交響曲が一等好きなんですが、
そのあとに書いた第1番がどうも聴き劣りするのは私だけ?
でも、クレルヴォみたいに大風呂敷広げすぎて、
それでいてマーラーの復活ほどの結果が残せていないクレルヴォよりは、
シベ1の方が小粒ながら手堅いかも。
当時のフィンランド人がさぞ熱狂してこの音楽を迎え入れてくれたろう事が、
想像に難くありません。
時代も背景も違いますが、今の日本で、日本人による日本を象徴的に織り込んだ
日本魂満載な交響曲が登場してみたら、
どんなにクラシック・ファンが大喜びすることでしょう。
そんな感じが、シベ1やシベ2の登場だったんだと思います。
リアル体験してみたかったなぁ(且つフィンランド人として)。
演奏は凄まじかったです。
良かったとか感動したとか書くのは簡単ですが、ここまで血飛沫(ちしぶき)
上げた演奏を聴かせられると、こちらも血汐で顔面真っ赤です。
私もあちゃこちゃとアマオケの演奏を聴いてますが、かくまで楽団員の精神的ベクトルが
一致しちゃうと、こういう現象が起こるんだなぁと感心しました。
私としては、この「気持ち」が熱いうちに「シベ6」を
是非、次回の演奏会で採り上げて欲しいです。
来年までこのオケが封印されるのは、残念な限りです。
去年の感想は⇒こちら