(隊長作)

7月3日(日)  17:00   - 88 -   訪問者数

   勝呂優介指揮    東京大学歌劇団  三鷹市公会堂
   (東大歌劇団合唱団、東大歌劇団管弦楽団、ほか、演出:近藤健一)
  
    ビゼー    歌劇「カルメン」  (全4幕・原語上演)
  
  wmwmwmwmwmwmwmwmwmwmwmwmwmwmwmwmwmwmwmwmwmwmwmwmwmwmwmwmwmwmwmwmwmwmwmw
  
  この歌劇団を観て半月程が経ったが、どうやって自分の気持ちを伝えたらよいのか、
  未だに定まっていない。
  あまりにも多くの衝撃を受けたので、どれから書いていいのやら決まらないし、
  結局多くの事を伝えきれずに終わりそうで、
  こうやって漠然と書き出しているのも勿体無い。
  手作り感いっぱいの看板
暴言を恐れず言えば、
青春時代の文化祭に酔いしれたあの想いと言おうか。

はじめて裏方として先輩の演奏を見守った時と言おうか。

  決してシュターツオーパーで観た時のオペラのような感覚とは違うけれど、
  滅茶目茶青春している舞台に触れた、火傷をしそうな興奮に触れた思いだ。
  
  あの天下無敵な東大生が中心となって、手作りで歌劇を作り出している。
  すごく泥くさい、ベタで這いずり回ったような舞台ではあったけれども、
  正直、猛烈に感心した。
  三鷹市公会堂
音楽がウマいわけでもなく、歌がウマいわけでもない。
舞台が奇抜でもなく、演出が渋いわけでもない。

似たようなアマチュア・オペラはあるのかもしれない。

しかし、こんな風に心が高鳴って、高揚した日も久しぶりだ。
心底、彼らの青春が羨ましくなった。

  こんな青春っていいな、こんな青春を謳歌している人達が今でもいるんだな。
  そんな素朴な感動が、押し寄せてならない。
  
  今日の爆音は随分持ち上げてるじゃないの、なんて冷やかさないで下さい。
  
  演奏や歌がウマい下手、ってのも大事です。
  プログラム、ここではオペラの演目だって本当は大事です。
  だから「カルメン」なんて、何を今更、と思ってました。
  しかし、一生懸命というのはどうにも伝わらない訳がなく、
  これほどガンガンにこちらまで照れ臭くなるほど一生懸命のものには
  久しぶりに出会った。   (隊長作)

こういったものを、ウマい下手で片付けるほど、私も腐っちゃいない。

  特に、ある脇役の歌手が、唸らせた。
  ウマいからではない。
  逆にかなりヘタだった。
  その人の歌声が鳴り響き出すと、「出てきたぁ」と思わせるほどだ。
  しかしその人は心底オペラを愛してるんだと思う。
  一生懸命なのである。

  フランス語をよりフランス語として歌おうとするその姿勢がいじらしく、
  音程を必至になぞろうとするその意気込みがまた愛らしい。
  こういった演奏を、味があるというのは誉め過ぎだろうか。
  でも、観に来て良かったぁ、と思わせたんだから、してやられたのである。
  
  もうひとり、演技が一生懸命な脇役がいた。
  主役の男女は流石に主役だけの事はあるのだが、ついついその時の
  「脇役さんの動き」を観てしまうのである。
  ちっともストーリーからは目を離してもいいところでも、
  その人は何やら芝居をしている。
  恐ろしいまで頑張っているのである。
  すごいと思った。
  こういう感覚に4時間も浸ったのは、いつ以来だろう?
  
  私は残念な事ではあるが、東大とは縁もゆかりも関係ないのだが、
  この歌劇団はプッシュしたい。
  うまいオペラを観たい人にはゴニョゴニョゴニョだが、
  猛烈な青春の鼓動を想い出したい人にはうってつけだ。
  三鷹市公会堂
次回演奏会は12月18日(日)
場所は同じく三鷹市公会堂。
二人以上で行くのなら、三鷹駅からタクシーの方がよい。
そして演目は、出ました!「椿姫」。
これは、期待できますよ、いろんな意味で。
  

   前へ  HOMEへ  次へ









inserted by FC2 system