(隊長作)

2005年7月18日(月祝) 13:30   - 89 -   訪問者数

    橘直貴指揮     ル スコアール管  横浜みなとみらい
  
    ヤナーチェク    シンフォニエッタ
    ハチャトリアン   組曲「仮面舞踏会」
    ニールセン     交響曲第5番
  
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  コンサート通いも永らく続けてますと好不調があるのか、不思議と波があるようです。
  立て続けに名演と重なり巡りあっておりまして、
  今回も先週に負けず劣らずの演奏でした。
  横浜みなとみらいの船
さて、今回のルスコアール。
昔むかし、聴いた事はあります。
でも、どうだったかなぁと言うのが正直な記憶でして、
ノーマルな心象で横浜に乗り込みました。

横浜は桜木町ともなりますと、
我が家からはヒト仕事なほど遠いんですが、
憧れに焦がれた「ニル5」が聴ける、とあっちゃぁ
遠いもへちまもありません。
  
  私がこれほどまでにニル5に焦がれているのは、人生に残っている演奏会の
  ベスト3に入っている演目が、このニル5だったからです。
  この日の想いでは、いつか「スーパー演奏会」とかいった連作で紹介しようと
  思ってるんで、取って置きます。

  だけど、最上の組み合わせさへ揃えば、失禁せんばかりの演奏が可能な
  パワーが、この曲「ニールセン交響曲第5番」には秘められています。
  
  指揮は橘直貴。
  この人は若いのにかかわらず、味な演目を得意としています。
  最近では東京楽友協会響のロンドン交響曲(05年4月)。
  これ、かなり良かった。
  こういう仕事をした人の演奏だから、期待はして良い。
  
  その時の感想
  http://rede200402.hp.infoseek.co.jp/dai4/dai75.html
  
  また、この時のプログラムがエニグマとアーノルドのピータールー序曲と
  いう渋くて唸らせる組み合わせだったのだが、今回もヤナーチェク、ハチャトリアン、
  ニールセンといった渋すぎる組み合わせだ。   (隊長作)

そして、その楽曲がいいんだな、これが。
  ヤナーチェクのシンフォニエッタは金管のバンダが付いていて、みなとみらいの
  響き過ぎる音響空間と合わさって、教会のような異常な共鳴が映えていた。
  前プロでこれだけの演奏レベルをもって来るんだから、
  あとのレベルも推して測るべしだ。
  
  アマでもプロでもそうだが、前プロでウマく行く時は総じてメインもウマく行く。
  逆に前プロが駄目な事は多く、だからと言ってメインもダメかと云えば、
  そうでもない。
  これはアマオケで特によくあるのだが、練習比重をメインに割き過ぎたり、
  前プロを軽んじすぎたりした報いが多い。

  魔笛序曲やベートーヴェンの序曲などは、経験豊富な団員は山ほど演奏経験が
  あるものだから合奏練習なども通しが多くて本番に臨むのだが、   (隊長作)

えてして陳腐な退屈な演奏になっている。
  こういった付け合せ的な序曲や前プロだったらしない方がいい。
  聴衆だってバカじゃぁないんだから、無駄な演奏やるくらいだったら、
  やらずにメインの精度を上げて欲しいのだ。
  
  さて、今回のヤナーチェクは前プロといっても小交響曲みたいなボリュウムが
  ある曲で、演奏頻度も多いとはいえない。
  それだけに珍しいけど佳い曲を採り上げるんだ、といった気合が違っていた。
  メインの練習に負担にならないように、といった理由でありふれたマンネリ序曲を
  やるくらいなら、いっそやらない。
  やるんだったら、どうしても聴衆に訴えたいというくらいの曲を採り上げて欲しいものである。
  今回はそういったコンセプトが実に上手く行っていたと思う。
  
  これは中プロのハチャトリアンにも云える事。
  組曲「仮面舞踏会」は赤と黒に満ちた猥雑で妖しい香りがするワルツで
  始まるのだが、私は恥ずかしながら初めて聴いた。
  すぐに曲の魅力に取り込まれ、これはいい曲だと感じた。

  ウィーンの明るく享楽的な仮面舞踏会と違って、ロシアの権謀術数の飛び交う
  実にいかがわしい仮面舞踏会。
  私はコチラの方が、新鮮で魅力的だと思った。
  これを聴衆に聴かせたい、と思い提案した団員の思う壺、となったわけだが、
  こういった嵌められ方は悪い気はしない。
  みなとみらいホール
メインはニールセン第5番だが、
ニールセンは第4番「滅びざるもの」の方が有名で、
第5番を知っている人は多くはいないだろう。

しかし、
これはニールセン最高傑作と断じてよく、
第4番を評価できる人なら
きっと第5番の佳さも気づいてもらえると思う。

第5番のCDでは、演奏によって優劣が大きく、
何でもいいとはいえない。
  
無難かつ充実なのは
←ブロムシュテット&サンフランシスコ響盤だが、
最近買ったネーメ・ヤルヴィ盤も
粗暴で素晴らしかった。

  この曲は打楽器に関心がある人は特にお薦めで、太鼓がとにかく要(かなめ)である。
  それだけにこういった気持ちをぶち込む演奏を求めるなら、
  中途半端なプロオケよりもアマオケの太鼓名人みたいな人の方が面白い。
  今回のルスコアール管のスネア・ドラム(小太鼓)さんも、心身ニールセンに
  成り代わったような全身全霊の叩き込みようだった。
  これでこそニールセン!と、手を打ちたくなるような爽快感があった。
  
  あと、第1楽章最終部のクラリネットのモノローグ。
  これは旨かった。
  神がかり的なテクニックと、大気に溶け込むような弱音で、こういった人が
  アマチュアで甘んじているというのはおかしい、とヘンに怒りさへ感じてしまった。
  私が怒ってもどうにもならないんだけどね。
  
  ececececececececececececececececececececececececececececececececececececececece
  
  P.S

  ルスコアール管の次回演奏会もヤバイです。
  2005年12月4日(日)13:30 ミューザ川崎
  曲目はなんと、ブルックナー第8番。

  これはやるなぁと感心していたら、更にその次は
  マーラーの第9番です。

  はふぅ〜、どうなってんの?
  どうせならこの勢いで、次々々回はショスタコーヴィチの第4番
  なんてどうでしょう?
  


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